背伸びした奴が本物に分からされる話   作:パレード

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チャンピオンスグリのBGMカッコよすぎん?普通にめっちゃ好きです。
ちなみに1番好きな曲はカルネさんの曲。

ついでに感想読むのめっちゃ面白いのでどんどん書いて言ってね。あとお気に入り数マジでいっぱい欲しいのでよろしくお願いします。



ゼロの秘宝編
スグリ


 

「ここがブルーベリー学園か」

 

 目の前には近未来っぽい建物がある。見えている部分だけでも相当大きいが、海上にあるのはほんの一部で大部分は水中に沈んでいるらしい。

 

 久々の外の酸素を思い切り吸い上げ、伸びをする。すると長時間座って固まった身体はパキパキと音を立てた。

 

 分かってはいたがパルデアからイッシュは凄く遠い。殆ど寝ていたけど7時間は飛行機の中で座りっぱなしで、その後も船での移動だったのでお尻が痛い。

 

「いやー着いたね。ここがブルーベリー学園だよ」

 

 体をほぐしていた俺に話しかける人影が一つ。

 

 白いスーツとハットをビシッと決めたこの人はシアノさん。グレープアカデミーまでわざわざ俺を迎えに来てくれたブルーベリー学園の校長先生だ。

 

 どうして校長先生が俺の為に?と思うかもしれない。俺も思った。しかしこの人、ちょっと忘れっぽいらしく、俺を迎えに来た理由は忘れてしまったらしい。飛行機に乗った時から寝るまでずっと隣で唸っていたが、結局思い出せたのだろうか。

 

「ぐっすり眠ってたねー」

「昨日色々あって疲れてたんですよ」

「夜遅くまでバトってたんでしょ?」

 

 あれれ?何故あの場にいなかったハズのシアノ先生がその事を……

 

 いや、あれだけの数の観客がいたんだ。誰かがネットにあげててもおかしくはないか。

 

 結局、負けてしまったがここ数年、というか人生で1番楽しいバトルだった。この悔しさを忘れることの無いよう映像が残ってる方が都合が良い。

 

 思い出したらバトルがしたくなってきた。誰でもいい。この何かがウズウズしている感覚、初めてだ。

 

「惜しかったけどいい勝負だったよー」

「……アイツは俺に大切な事を教えてくれた。だから半端なバトルにはしませんよ」

「やっぱり君みたいな年の子はそうでなくちゃ。僕の学校でも満足いくバトルが出来ると思うよ」

 

 聞くところによると、ブルーベリー学園はバトルの教育に力を入れている学校らしい。

 

 そんな学校ならば、アオイ達より強いトレーナーもいるかもしれない。そう考えるとワクワクしてきた。

 

「ブルーベリー学園はダブルバトルが主流。でしたっけ」

「うん。ポケモンを戦わせる時は基本ダブルバトルだね。もしかして初めて?」

「そうですね」

 

 言われてみればダブルバトルの経験は無い。

 

 地方特有等の特殊なルールを除くとメジャーなバトルのルールは4つに分けられる。

 

 シングル、ダブル、マルチ、そしてトリプル。

 

 シングルは言わずもがなで、マルチはライモン、トリプルはホドモエでやった事があるがダブルバトルは一度たりともやった事が無い。

 

 そう思うとますますブルーベリー学園に行くのが楽しみになってきた。

 

 シングルとは勝手が違うけど、そういうのを学び強くなっていくのがポケモンの楽しい所だと個人的には思う。

 

「で、思い出しましたか?」

「んー?何が?」

「俺の事を校長先生がわざわざ迎えに来てくれた理由ですよ」

「あー。思い出してたけどそれを言うのを忘れてたよ」

 

 初対面の時から薄々思ってたけど、この人が校長の学校は本当に大丈夫なのだろうか?

 

 申し訳ないが、こう、とぼけた人という印象だ。

 

 けど俺は知ってる。こういう人こそいざという時にカッコよくなるんだ。そうに決まってる。

 

「僕、シオンくんのファンだったんだよねー。だから来ちゃったの」

「俺のファン、ですか」

「うん。イッシュ地方で偶然キミのバトルを見かけて、それから」

「はぁ」

「あ、別に昔の方が良かったとか言うつもりはないよ」

 

 シアノ先生の目線が俺の髪の毛に向けられる。当然ながら色は黒色。

 

 昔は誰かに見つかるとすぐに人の波が出来上がったのだが、空港でも船の中でも話しかけてくる人はいなかった。髪の色を変えるだけで誰か分からなくなるもんだな。それか俺自身が過去の人になっただけか。

 

「そう言って貰えるとありがたいです。俺にとって好ましい記憶では無いですから」

 

 メイとかルリとかその他の人にもどんな顔をして会えばいいのか分からない。陽キャデビューした奴が失敗して逃げ帰ってきたら反応する方も困るだろう。

 

 いっそ別人として生きていこうか、それとも記憶喪失のフリでもしようか。

 

 ……………………。

 

 まぁこの事はその時になったら考えるとしよう。幸いこの学園には俺の金髪時代をそもそも知らないか、テレビ越しや遠くからしか見た事がない人しかいないだろう。つまり黙っていれば俺が誰だか分からない。

 

 有名人と同名な一般人のシオン。ブルーベリー学園ではその様に生きていこう。

 

 そんな事を考えながら、スカイアローブリッジを思い出す長い通路を渡りエントランスロビーについた。すると突然潮風が吹く。

 

 若干酔っていたが気分が少し晴れた。

 

「ここがエントランスロビー。バトルコートがあって、………潮風を浴びたい時はここがピッタリ」

「……確かに、風が気持ちいいです」

「でしょ?それとあそこから下に降りると寮だったりテラリウムドームだったり、ま。詳しくは君の目で確かめてみてよ。あとコレをあげちゃう」

 

 俺に寮の鍵を渡すと、それじゃあ僕はここで。と言ってシアノ先生は通路の奥に消えていった。

 

 テラリウムドーム。パンフレットで見たけど確かブルーベリー学園が世界に誇る海中庭園。そんな感じだった。

 

 とりあえずしばらくここで休むことにしよう。耳をすませばキャモメの鳴き声が聞こえる。

 

「ほらスグ!校長先生消えたよ!」

「え……あっと」

「早く行きなさい!なんの為に2時間も待ったのよ!?」

 

 ………

 

「だけども」

「あーもう。じれったい!私が行くからね」

「あ……」

 

 さっきから一際目立っていた男女が俺に近づいてきた。これはあれか、新入生の可愛がりってやつか。

 

「ちょっとアンタ!」

 

 うわ、話しかけてきた。落ち着け、こういうのは相手の機嫌を損ねないようにへりくだった喋り方を意識するんだ。

 

「なんですか?誰ですか?」

「私はゼイユ。こっちのちっこいのは弟のスグリ」

「は、初めまして」

 

 見るからに気の強そうな姉とその後ろでオドオドしている弟。

 

 スグリ君。一目見て分かったよ。キミは"コッチ側"なんだね。

 

「突然だけど、この学校にはルールがあるの。転校生は在校生に勝つまで中に入れない!」

「あ、バトルか。それなら大歓迎だよ」

「ねーちゃんズルい!おれ、戦いたいって言っていたのに……」

「アンタが戦いたいのはチャンピオンのシオンでしょ、どう見たって別人じゃない」

「う、でも本人かもしれないし」

 

 スグリ君が俺のファン?へへへ、なんか照れるな。よし、ファンサってのをしてあげるとしよう。

 

「いいよ。バトルしようかスグリくん」

「え、いいの?」

「スグ?コイツ、どう見てもアンタが大好きなシオンくんじゃないでしょ」

「でも本人かもしれないし、戦ってみれば、違うかどうか分かる。シオン、位置さ着いて」

 

 言われた通りバトルコートの向こう側に歩く。

 

「けっぱれ、オタチ、ヤンヤンマ!」

 

 スグリ君がボールを投げ、ポケモンを2体繰り出した。

 

 そうか。一瞬思考が止まったがブルーベリー学園ではダブルバトルなんだった。

 

 ギガイアスのボールに加えて俺はバッグからもう1個ボールを取り出し、一緒に投げる。選出に困ったら『おいかぜ』を使えるコイツだ。

 

「ギガイアス!ケンホロウ!」

「わやじゃ。そのギガイアスにケンホロウ。やっぱり本物のシオンじゃ」

「俺の初ダブルバトル!付き合ってもらうぜ!」

「初めて!?わやじゃ………おれ、すっごいけっぱる!」

 

 さっきまでの小声と違い、テンションが上がった声でスグリ君が俺の言葉に応える。

 

 そこからは互いに無言で睨み合う。

 

 コレだ。バトルの時のポケモン、そして相手と心を通わせるこの感覚が俺は好きだ。

 





『シオン』
ブルーベリー学園に転校した。
マルチバトルはバトルサブウェイや悪の組織と戦う時、トリプルバトルはホドモエシティのバイク乗り相手に経験済み。
今回スグリ君にダブルバトル童貞を奪われてしまった。

『シアノ』
ブルーベリー学園校長。過去のシオンのバトルを見てライトファンになった。
クラベル経由でシオンの正体を知り、学生達にシオンが転校してくると言いふらした。

『スグリ』
数年前里に訪れた少女からシオンの事を知った。
それから姉のスマホを借りてシオンの公式戦記録を穴が空く位見た。

『ゼイユ』
オススメ動画が公式戦から消えた理由についての考察動画で埋め尽くされた人。

『ギガイアス』
初手ノーマルジュエル大爆発

『ケンホロウ』
初手まもる


次回はすぐに出します。明日か明後日にだします。本当です。

シオン「夢ってなんだと思う?」

  • アオイ「寝たら見るやつ?」
  • アオイ「将来の目標?」
  • アオイ「あはははは」
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