緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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金と忍

護衛についてから早くも一週間…とりあえず魔剣(デュランダル)は姿を見せることはなくアドシアードに向けて時だけが過ぎていく。

そんな中あとアドシアードまで二日を切った頃白雪の生徒会の仕事が終わるまで待っていたキンジと白雪は共に歩いていた。

 

「久し振りだね。こうやって帰るの」

「ん?ああ、そうだな」

 

純粋に時間が合わなかったと言うのが大きいがヒステリアモードの性で女性から距離を置き気味のキンジである。残念きわまりない性格を除けば美少女の白雪と二人きりなどとんでもないことであるのだが今回は護衛対象であるため仕方ない。

 

「だけど良いのか?」

「え?」

「チアだよ」

 

アドシアードの閉会式には女子がチアの格好で踊るのだが白雪も誘われていた。だが白雪は断っていたのだ。先程言ったように性格を除けば美少女の白雪が出れば宣伝になると思うのだが…

 

「駄目だよ。キンちゃんも知ってるでしょ?私は君を星伽の守り巫女…人前に出るのだって控えなきゃいけない。本来なら星伽の社から出るのもダメなの」

「良いのかよ…それで…」

「良いの…それで…」

 

白雪はキンジに笑みを見せる。

 

(良いわけ…ねぇだろ…)

 

キンジは頭を乱暴に掻くと目の前の電柱に花火大会の開催のポスターがあった。

 

「……白雪」

「え?」

 

キンジは指を指す。

 

「アレ行くぞ」

「アレ?……ええ!?」

 

白雪は驚愕の顔をする。

 

「一日くらい良いだろ?俺も護衛するし」

「でも…」

「嫌か?」

「ううん!」

 

白雪は首を横にブンンブン振って否定する。

 

「じゃあ明日行くぞ」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

次の日…

 

「じゃあ行くの?」

「ああ」

「ふぅん。まあ良いわ。但し気を付けるのよ。魔剣(デュランダル)はどんな手で来るかわからないんだし」

「分かってる…」

 

アリアとキンジは放課後屋上で話していた。今夜アリアは母親の裁判の事で出なきゃいけないとのことらしく護衛から外れるし一毅とレキは緊急依頼が入ったらしく今朝から居ない。

 

「だけどほんとにいるのかよ…魔剣(デュランダル)何てよ」

「居るわ…絶対にいる…勘だけど」

「勘ってお前…つうか魔剣(デュランダル)とお前にはどんな因縁があるんだ?」

魔剣(デュランダル)はママに罪を着せた一人よ…そいつを捕まえれば500年ちょっとまでママの罪を減らせるわ」

「じゃあそいつも理子の仲間ってことか?」

「そうよ」

 

こりゃあ間違いなくとんでもない相手のような気がしてきた。

 

「どんなやつなんだ?そいつは」

「分からないの…理子の時もそうだったように顔はわからない…でも剣士だって噂はあるわ。あと超能力者」

「剣士で…超能力者…」

 

何かゲームのキャラクターみたいなステータスである。

 

「情報が少ないな…仕方ないな」

 

キンジは携帯電話を出すと電話を掛ける。

 

「よう、久し振りだな。少し依頼があるんだが…ああ、ああ…じゃあ屋上に居るからな」

 

キンジは電話を切ってポケットにしまう。

 

「だれ?」

「知り合いに少し…いやかなりアホだが情報収集ならお任せアレって奴が…―っ!」

 

キンジがそこまで言った次の瞬間屋上を煙が包む。

 

「ごほ!な、何これ…」

「こんの…お前は…」

 

煙が晴れると屋上の入り口に人影が見える。

見てみれば女…マスク【防毒面らしい…】とマフラー【忍者の必須アイテムらしい…】にポニーテール【本人曰くチョンマゲ】と言う色々突っ込みどころがある出で立ち…だが顔は以外と可愛いらしく今はあどけないが将来絶対美人になる雰囲気だ。

だが彼女こそが今の煙の発生源…と言うかこんなところで煙玉を使うなと言いたい。

 

「お久し振りでござる師匠」

「お前は普通の出方ができないのか!風魔!」

 

 

 

 

彼女は風魔 陽菜…先祖はあの風魔 小太郎…その為現在も忍者の技を脈々と受け継いでるのだが見ての通り全く忍べていない。寧ろその口調と服装…だがその下に隠された素顔から目立つ存在である。

お陰でキンジは一年からまで恨まれている。主に男子だが…

風魔関係で一年の男子から…アリアや白雪関係で二年から…一年の時の上勝ちで三年から…ついにキンジは全学年の男子を敵に回している…全くもって勘弁してほしい。

 

「それで師匠…何用でござろうか?」

「ああ、魔剣(デュランダル) って知ってるか?」

「無論、ここ最近超偵ばかり狙う不届きな犯罪者でござるな?」

「そうだ。そいつについてできる限り調べてほしい。但し無茶はするな。出来るか?」

「ふっふっふ…愚問でござるな師匠…このBランク諜報科(レザド)武偵!風魔 陽菜にかかればこんなものあっという間でござる」

 

と言うがこいつは変な所でドジる。

例えば自分で仕掛けた落とし穴に落ちる。

忍び込んだは良いが忍び込む建物を間違える。

今度はちゃんと忍び込んだかと思えば装備を忘れる。

忍者らしく隠れ蓑の術【壁と同じ布を被り目の錯覚を利用して敵を欺く忍の技】をしたら壁の色と全然違う布を使って一発でバレる。

自分で使った煙玉で咳き込むetc.etc…

とにかく話題には事欠かない残念系美少女の風魔 陽菜である…少し心配だが仕方あるまい。

 

「あんたたち知り合いだったの?」

「ん?おおアリア殿。居らしたんでござるか」

「居て悪いのかしら?」

「おいおい喧嘩は辞めろよ…まあ知り合いと言うか…」

「師弟でござる」

「まあ俺の戦妹(アミカ)だ」

 

昔色々あって更にやらかした挙げ句懐かれて今では師匠…まあお陰で無料で動かせるのだが…

 

「じゃあ頼むな。風魔」

「御意」

「ああ、ちょっと待て」

 

キンジは財布から150円出すと風魔に投げる。

 

「これでお前の好きな焼きそばパンでも買えよ」

「い、良いのでござるか!?」

「まあ依頼料みたいなもんだ。気にするな」

「拙者師匠のそう言う優しいところが好きでござる!」

 

焼きそばパン代一つで優しい人とは…こいつの将来大丈夫だろうか…って!?

 

「抱き付くな馬鹿!!!!」

「師匠~共栄至極感謝感激雨あられでござる」

「わかったからわかったから!」

 

ジンワリとだがヒスり始めてきた。ヤバイ!

と思った次の瞬間キンジの背中に悪寒が走る。

 

「へぇ~そう…」

 

アリアがコメカミをビクン!ビクン!ヒクつかせキンジを睨む…こわ!

 

「キンジ?分かってると思うけど戦妹(アミカ )とかに手を出すと武偵3倍刑の元に罰があるわよ?」

「知ってるし出してねぇよ!」

 

そう、戦徒契約とは云わば上司と部下のような関係…つまり下手に手を出すとパワハラと見なされ日本が法治国家だと信じられなくなるような体罰が武偵高校の教師によって行われ三秒に一回は「殺してくれぇ!」と叫ぶようになるらしい…間違いなく廃人コースだ。まだ死にたくはない。

 

「安心くだされアリア殿。双方同意の基であれば全く問題ありませぬ」

「問題ありだ!」

「あぁ…そぅ…」

 

ホラホラどんどんアリアの機嫌が…

 

「って言うか風魔!そいつは私の奴隷よ!」

「その前に拙者の師匠でござる!」

 

バチバチとキンジを挟んでアリアと風魔の火花が散る。

 

(ん?そういえばこの光景…見たことがあるような…)

 

そこでキンジは思い至る。これは一毅を挟んだレキとライカの風景と同じだ。キャストが違うだけの…そしてこのあと何が来るのは分かっている。

 

「キンジ!」

「師匠!」

『どっちをえら…あれ?』

 

二人はキョロキョロ回りを見渡すがいつのまにかキンジは消えていた。すると足下に置き手紙があり、アリアが拾い上げてそれを読むと、

 

【先に帰る…】

「に、逃げられた!!!!」

「でござる!!!!」

 

二人は頭を抱えた。

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