緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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金と花火

アリアと風魔から逃亡し帰ってきた頃にはすっかり日が暮れ始めていた。しかしなんだいったい…さっきまで喧嘩していた二人は自分を追い始めると凄まじい連携能力を見せ始めアリアの勘は冴え渡り風魔の追尾能力と合間って恐ろしいものとなった。実際本気でヒステリアモードで逃げたいと心から思ったのは始めてだ。それくらい恐ろしかった…

まあとにかく約束に遅れそうだったため急いで部屋に行くと白雪がいた。白雪はしつこいようだが暴走する性格を除けば非常に美少女である。

そのため今着ている浴衣だが純日本美人といった風情の白雪が着ていると似合う…いや、似合いすぎてる。普段は髪で隠れているが今は纏めているため見えてる白くて妙に色っぽいうなじや強調される胸…横から見える可愛いと言うよりは綺麗な顔…全てが星伽 白雪と言う少女を彩っている…

 

(やばい…何か意識するな…)

 

キンジがリビングに入るのを躊躇っていると、

 

「あ、キンちゃんお帰り」

 

向こうの方から気づいた…まあいいさ。

 

「悪いな…遅れた」

「ううん。じゃあいこう」

 

白雪に言われキンジはついていく…

 

 

 

 

カラン…コロン…と白雪の下駄の音が夜闇に響く。

さっき変な風に白雪を見たせいか少し気まずい。

 

「久し振りだね?こうやって歩くの」

「あ、ああ…そういえば昔もこうやって花火大会に行ったな…」

 

まだ小さかった頃…ずっと神社に縛り付けられていた白雪を半ば強引に近所の祭りに連れてって後で大目玉を食らったことがある。

 

「うん…あの頃からキンちゃんは私のヒーローなんだよ?」

「あ、おう…」

 

キンジは照れ臭くなって視線をそらす。

すると花火がうち上がった。

 

「やべ!始まった…」

 

キンジは唖然とした…やはりアリアたちとの追いかけっこがタイムロスだったみたいだ…

 

「悪い…」

「ううん…良いよ…」

 

白雪は笑って許してくれるが…そうだ!

 

「少し待ってろ!」

 

キンジは大急ぎでそこのスーパーに入ると何かを買って戻ってくる。

 

「小さくなったけどな…」

「あ…」

 

キンジが出したのはお徳用花火セットだった…

 

 

 

 

 

 

「綺麗だね…」

「ああ…」

 

二人で河原に来て花火をする。

 

「でもありがとね」

「え?」

「守ってくれて…ほら、明日で終わるし」

「別に…まあ魔剣(デュランダル)が結局出なかったのは残念だったけどな」

「…………キンちゃん…変わったね」

「え?」

 

白雪の言葉にキンジは困惑する。

 

「何かいつも楽しそうだし…明るくなった」

「そんなことはない」

「あるよ…あの事故からずっとキンちゃんはずっと塞ぎ混んでた…カズちゃんやましてやレキさんだってキンちゃんを変えられなかった」

「白雪…?」

「私だって変えたかった…ずっとこの一年頑張り続けた…なのにアリアはたった数日でキンちゃんを変えちゃった…カズちゃんは良いって言っていたけど私は良いと思えない…私は…」

「どうしたんだ白雪!」

 

キンジは白雪の肩を掴む。だが白雪は眼からポロポロ涙を流しながら言葉を続ける。

 

「私はドンドン要らない子になっていく…そしてキンちゃんはアリアと私の知らない遠い世界にいっちゃう…」

「そんなわけないだろう!お前とは幼馴染みでこれからだって要らないなんて言うわけないだろ」

「それじゃ嫌なの!!!!」

 

白雪は声を荒上げた…何が嫌なのかキンジには分からなかったが…何も言えなかった。

 

「それじゃ嫌なの…ずっと幼馴染み?それはいやぁ…」

「白雪…どちらにせよお前が要らなくなることはない。絶対だ」

「……じゃあ…証拠を頂戴…」

「え?」

 

そう言うと白雪は瞳を閉じて唇をつきだしつま先立ちになる。

 

「キス…して?」

「っ!」

 

今の白雪はどこか儚げで…簡単に突き飛ばせる距離だ…なのにそれを体が許さない…それどころかこちらも瞳を閉じてその嘆願に応じてしまう。

ヒステリアモードには成っていない…なのに拒否ができない…アリアにはない何かが白雪にはあった…

そしてそのまま唇がくっつく直前で…

 

【パァン!】

「っ!」

 

キンジはとっさに体でかばう…だが花火だった…まだうち漏らしがあったらしい…

だがお陰でキスが未然に防がれた…それに引き換えとしてその場には何とも言えない微妙な空気が流れる…

 

「かえ…るぞ…」

「うん…」

 

それから二人は一言も会話せずに帰った…

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日…キンジとその親友、武藤は二人でアドシアードの受付をしていた。

白雪は生徒会長の仕事でいない…昨日の一件でうまく会話もできない。こう言うとき一毅が居ると空気を変えて話せるがアドシアードの選手として出ているため宛にできない。レキは論外。

だがこれなら大丈夫だろう…少なくともアリアには悪いが魔剣(デュランダル)は来なかった…教務科(マスターズ)の過保護だったのだろう…

だが次の瞬間携帯が鳴る…武藤にも来たようだ…何だろう。

そう思いながら見てみると…

 

(ケースD7!?)

 

武藤と目を会わせる。これは現在不足の事態が発生…今すぐに対処できるものが対処せよ…つまり危険度の高い緊急事態と言うことだ…

 

「くそ…」

 

すると続けてメールが来た…

 

「え?」

 

白雪からだ…だが内容はいつものようなくそ長いメールじゃない…たった一言…【さようなら】

 

「っ!」

 

キンジは歯を軋ませる。

やられた…魔剣(デュランダル)は居たんだ…自分も知らないところで接触されていたのだ…

 

「武藤!受け付け頼むぞ!」

「え?」

 

キンジはテーブルを飛び越えると駆け出す。

 

(ふざけんなよ…俺の幼馴染みを返してもらうぞ魔剣(デュランダル)!!!!)

 

キンジは宛は無いが居ても立ってもいられず走り出した。




すげぇ…文字数が2222…これは本当にたまたまです。
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