「ウォオオオ!!!!」
キンジはバタフライナイフを逆手に持つと振り上げる。
「っ!」
白雪はそれを躱すとイロカネアヤメをがら空きになった脇腹に向け横に凪ぐ。
「しゅ!」
キンジは後ろへスウェイで躱そうとするが既に水は膝の辺りまで来ている…スウェイが上手くいかない上にこれでは得意の蹴りも上手く出せない。だが白雪は得意なのは刀とはいえ巫女服が水を吸って重くなっているのか動きが鈍く踏み込みも膝まで水に浸かった状態ではおぼつかない。
だが戦況はキンジが押されていた…やはり武器のリーチ差があるのだろう。
「キンちゃん…お願い引いて…」
「……………」
キンジは無言で否定する。
「何で…ねぇなんで…私なんかもう要らないんでしょ?」
ついに水は胸まで届く…
「白雪…」
キンジは水を掻き分けながら進む。
「来ないで…」
「…………」
キンジは無視して進む…
「来ないで!!!!」
イロカネアヤメがキンジの顔に迫る…がそれはギリギリの所で止まる…
「お前が…本気じゃないのはわかってた…」
もし本気だったらとっくに一刀両断されてる…それに最初から白雪は自分を引き返すように言ってた…つまり…白雪には殺す気なんて最初から無かった…唯一攻撃を当ててきたのは防刃ネクタイへの突きだけだ…それ以外はキンジでも受けられる程度の一撃しか放ってない。ヒステリアモードであればまだしもそんな常人離れしたナイフの扱いは出来ない。
「こな…いで…」
「バッカヤロウ!!!!」
キンジが思い切り自分の頭を白雪に叩きつけた…
「はがっ…」
白雪の目の前に星が舞う…
「俺が何時お前が要らないって言った!!!!」
本心からの叫びだった…確かに白雪はよく分からないこと言うし叫ぶしすぐポン刀振り回し暴走する…だがキンジにとって一毅と同じくらい唯一無二の幼馴染みで大切な存在だ…要らなくなるなんて絶対にない…それだけは絶対にだ。
「だってアリアがいるでしょ!」
「あのなぁ!あいつは俺を奴隷扱いだぞ?すぐに銃はぶっぱなすわ蹴るわ投げ飛ばすわ一緒にいていっつもハラハラドキドキもんだわ!」
別にそれが嫌ではない自分がいるがそれは関係ない。
白雪とはそういった意味のドキドキハラハラは無い。無論ヒステリアモードの心配は必要だが一緒にいては気楽なのだ。
「俺は…お前に…いやユキちゃんに居て欲しい…」
「キ…ン…ちゃん」
キンジは昔の呼び方で白雪を呼ぶと白雪は目を見開く…すると次の瞬間顔まで水に沈んだ。
(不味い…白雪が服の重さで沈む)
キンジも突然だったため息を吸いに上に上がり一気に空気を肺一杯に吸い込むとまた潜る。
脚力があるため一気に白雪が溺れている所まで潜ると…
(白雪…お前の言う証拠を…やるよ)
そう思いながらキンジは白雪に自分の唇を押し付け自分の空気を白雪に吹き込んだ…
その頃アリアと一毅は…
「ウォオラァアアアア!!!!」
一毅の豪剣が唸りをあげ
「ちっ…」
「流石だな…だがこの聖剣・デュランダルを切ることは不可能だ」
「だあああああ!!!!お前と剣の名前同じかよ!紛らわしい」
そこに一毅の肩からアリアは跳ぶとガバメントを乱射する。
「ふん!」
すると
「やっと出たわね」
「氷か…かき氷作り放題じゃねぇか」
「あんたそういう方向にしか考えがいかないの?」
アリアにジト目で見られるが一毅も考えてはいた。
氷と言うことは先程のように足元を凍らせたり今みたいに壁をつくって銃弾を弾くなどする…となると先程みたいに迂闊に攻めると危ないか…
「考えてる暇はないぞ…」
ジャンヌが腕を振るうと氷のつぶてが飛んでくる。
「ちっ!」
「くっ!」
一毅とアリアは横に跳んで躱すと一毅は走り出す。
「二天一流・秘剣!疾走斬!!!!」
スライディングと共に
「読めていたぞ!」
「やっべ!」
一毅はもがくがそう簡単には外れそうにない。
「このまま彫像にしてやろう…」
「こんの…」
段々氷が一毅の辺りまで来る。
「一毅!」
アリアが銃を手に来るが氷のつぶてが先にアリアを吹っ飛ばす。
「く!」
「安心するがいい…後でお前も凍らせてやる」
「くそ…」
段々意識が遠退いてきた……不味い…
だがそこにアリアとは別の銃弾が飛んできた。
「何っ!?」
「一毅…随分苦戦してるじゃないか」
「全然余裕だ…て言うかな…」
一毅は凍りながらもキンジと…
「おう白雪…お帰り」
「ただいま、カズちゃん」
憑き物が取れたような白雪を見る。
「星伽…」
「
そう言って降りると白雪は一毅に手をかざす…すると氷が溶けた…
「ここは私に任せて…」
そう言って白雪は
「ふん…まさか私に勝てると思っているのか?」
「思ってる…貴方の力は凡そG8前後…でもね私はG15あるよ」
「ブラフだ極東の島国の…しかもその年でG15はあり得ない」
「本当にそう思う?」
白雪はリボンに手をかける…
「キンちゃん…今から私は本気だす…すごく怖いかもしてないけど…嫌わないで?」
「安心するといい白雪……お前を俺が嫌いになる?100%あり得ない」
白雪は顔を僅かに紅潮させてからリボンを一気に取る…
『なっ…』
それと共に刀身に炎が宿り白雪は構える。
【我が白き雪よ…あらゆる物に流される弱き己よ…今その戒めを解き…あらゆる厄災を焼き払う紅蓮の業火とならん】
白雪はゆっくりと歩を進める。
「白雪という名は隠し名……私の本来の名は……【
すると
「ならば我も名乗ろう…我はジャンヌ!ジャンヌ・ダルク30世だ」
そう言うとピキピキと氷が足元を覆うが白雪の周りだけは凍らない… 白雪の放つ熱が氷を溶かすに留まらず蒸発させているのだ。
白雪の炎と
「行きます…」
「行くぞ…」
次の瞬間二人の刃がぶつかり合った。
「まさかジャンヌ・ダルクの子孫とはね」
「でも死んだんじゃなかったのか?」
「なんだ一毅。それくらいは知っていたんだな」
キンジは一毅をからかう。
「馬鹿にすんじゃねぇや。あれだろ?最後に処刑された人」
『おお~』
キンジとアリアは拍手した。
「まああんだけ贅沢してれば革命も起きるぜ」
『………ん?』
「まあ最後はギロチンか…呆気ないもんだぜ」
「ま、待って一毅…あんた何か勘違いしてない?」
「え?【有名な言葉でパンがなければお菓子を食べれば良いじゃない】って言った人じゃ…」
「一毅…それはマリー・アントワネットだ…」
キンジとアリアは溜め息をついた。
「でもどうだ?」
見てみれば凄まじく高いレベルでの激戦が行われている。
「多分…長くはないわ」
「と言うと?」
「高いレベルでの超能力は直ぐにガス欠を起こすの…そこが狙い目よ」
「分かった」
一毅は刀を鞘に戻す。
「勝機は一瞬…そこを狙うわ」
「ああ…」
「やぁ!」
「ふ!」
炎と氷が入り乱れたその小さな空間は周りの器物を破壊し、打ち上げ吹っ飛ばす。
「星伽候天流!
炎を纏った剣撃はジャンヌの氷を溶かしながら切り裂く。
「これが貴様の…本気か」
「そうだよ…本来はこの力を使うのは禁止されてる…多分後で星伽に怒られる…でも関係ない!」
キンジが言ってくれたから…自分が必要だと…なら幾らでもこの力を使う。キンジのための刃となるために、
「愛があれば大体の事は許されるんだよ!」
自分の
「星伽天候流!
松明のように刀に炎を纏わせ撃ち下ろす。
「くっ!」
ジャンヌは後ろに後ずさるが耐える。すると白雪は後ろに跳び距離を取ると刀を納め居合いの構えとなる。
(でかいのが…来る!?)
ジャンヌも咄嗟に力を込める。
「今!」
そこにアリアが駆け出す。
「く!ただの武偵が!!!!」
「知らないの!日本にはこういう言葉があるわ!!!!三人集まれば文殊の知恵ってね!!」
アリアは横に凪いできたジャンヌの一撃を下に伏せながらギリギリで躱し、剣の腹の部分に小太刀の渾身の一撃を叩き込む。
「しま…」
そのまま込めた力を上に放出したため天井が凍るが…
「ハァアアアアア!!!!」
キンジはハイキックを放つがジャンヌは空に高く跳んで躱すと空中で一回転し剣を降り下ろす…だがキンジの目が獲物をとらえた大鷲のように光る…
「勝機!!!!」
キンジは銃を構えたまま片手を出す…
「なっ…」
ジャンヌは驚愕する。
「
人差し指と中指による真剣白羽取り…アリアとの特訓がこんな風に役立つとは…
「ジャンヌ…」
キンジはジャンヌを見据える。
「君は聡明な女性だ…だけどね…」
キンジの目が怒りに染まり…体から深紅のオーラが現れる。
「俺の幼馴染みに手を出したのは許せない!!!!」
キンジがバック転してジャンヌを空中に打ち上げる。
「ウォオオオオオオ!!!!エアストライク!!!!!!!!!!!」
空中でのキンジの蹴りの嵐…
「が、ぐ、あ、が、ぎ!!!!」
「シャアアアアアアア!!!!」
キンジの渾身の一撃でジャンヌは壁まで吹っ飛ばす。
「こ、のぉおおおおお!!!!」
ジャンヌは立ち上がると剣を振り上げる…だがそこに…
「キンちゃんに手を出すなぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
赤鬼の形相で駆け出す白雪と、
「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオラァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
全身から白いオーラを出しながら一毅が駆け出す。
「星伽天候流!」
「二天一流!秘剣!!!!」
「奥義!!!!」
「秘技!!!!」
二人は刀に手をかける。
「くっ!」
ジャンヌは氷で壁を出す…だが、
「
「
氷の壁ごとジャンヌの剣を二人の刃が切り裂いた。