緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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金の告白

「はぁ……」

 

キンジはため息を吐きつつモップとホウキを手に教室に入る。

 

前回の戦いから既に二週間……あの後無事?入院までしたキンジと一毅だが一つ不運が起きた。それはカジノ警備……本来1.5単位貰える美味しい仕事だったのだが襲撃で派手に暴れたせいか減点喰らってしまい何と0.9単位に減らされたのだ。

つまり……1単位とらねば留年確定のキンジは緊急で教室掃除0.1単位の依頼を受領し、それを行いに来た。

だが普通は単位は半分になるのが当たり前で0.9単位とは随分かさ増しされており教室掃除の依頼もまるで予め用意されてたような手際の良さで言われた。

まあ入院中に武装検事や官僚秘書を名乗る奴等がやって来て幾分かの報酬金を貰い(非常に怪我とか苦労とかに比べて割りに合わない額だったがそれでもかなり纏まった額だった)同時にイ・ウーの件は他言無用との事。元から他の人間に話す気はなかったが(言っても誰も信じないだろう)一応誓約書にサインしておいた。

多分それこそ上の奴等がいくら探しても見つからず相手を差し向けても返り討ちに会わせられていたのに一介の高校生二人がイ・ウーを壊滅させたことに相当驚愕させたらしい。

その件は多分と言うか絶対教務科(マスターズ)にも行っており(0.9単位に水増しされていたのは多分このお陰だと思うがどうせなら切り良くあ1単位にすればいいと思った)蘭豹にはまた強襲科(アサルト)に復帰しないかとここに来る前に聞かれた。まあその件は少し保留させていただいている。

別に武偵を続けるつもりの自分は復帰も吝かじゃないしシャーロックと戦いで思い知らされたがまだまだ自分の力は低い。だが同時に探偵科(インテスケ)にも何だかんだで愛着も湧いてしまったし頭使って考えられるやつが一人位居ないとアリアたちが絶対苦労する羽目になる。

 

「さてと……」

 

キンジはホウキを動かしてゴミを一ヶ所に持ってくる。

明日から夏休みだ。なんとしても終わらせて夏休みはのんびりと過ごさせて頂く。まあアリアが居たらのんびりとは遥か彼方にサヨナラしなければいけない気がするのは気のせいではないだろう。

しかし結構広い教室の掃除を一人はキツい。

なので人を呼んだが武藤も単位が足りずにどっか依頼を受けにいったし不知火は何か重要な用があるとかで無理。白雪は星伽に行ったし理子はコミケに行くとかで来ないし一毅は未だ入院中で(全身の筋肉が切れていたらしく未だに筋肉痛状態でレキとライカにご飯を食べさせて貰うと言う状態だ)間宮は論外だし佐々木も論外……パシリ属性持ちの辰正にも頼もうとしたら既に間宮の妹の買い物に付き合わなければならないとの事でダメ。風魔にも声をかけたが修行(バイト)でダメでレキとライカはさっき言ったように一毅の見舞いで来れないしアリアからは……返事も来ない。入院中も見舞いにすら来てくれなかったし少し寂しい気持ちも……

 

「そんなチンタラやってると終わんないわよ」

「え?」

 

クチナシの香りと共に恒例のアニメ声で現れたのは……

 

「アリア……?」

「全く、なにポカーンってしてんのよ」

 

アリアは両手を腰に添えて立っている。

 

「ほら、後はモップ掛けでしょ?」

 

モップ片手にアリアがこっちに来る。

 

「そうだな……」

 

キンジもモップを取ると、

 

「ねぇ、端と端から同時に始めて一番多く拭けた方が勝ちにしない?賭けるのはリポビタにしましょう?掛け声はヨゥイドンね」

「ヨイドン!!!!」

 

キンジはものすごい早さで拭き始めた。

 

「ああ!ズルいわよキンジ!!!!」

 

アリアもそれに続いて拭き始めた。

 

 

 

『オオオオオオオ!!!!!!!!』

 

リポビタ何ぞどうでもいいのだがやるからには負けたくない負けず嫌いが二人も集まると異常な速さで拭かれていく。そして、

 

『あがっ!』

 

ゴチン!っと碌に前を見ずに拭き進んだ結果頭をぶつけ合ってしまった。遂二週間ほど前この少女の曾祖父に頭突きかましたがまさかこんな短い間に曾孫にまで頭突きすることになるとは……だが悲劇はここで終わらず、

 

「おわ!」

「きゃ!」

 

バランス崩してキンジとアリアは倒れる。

 

『え?』

 

二人の時が止まった。何故ならキンジはアリアの腕を抑えながら上に覆い被さるように……そして勿論アリアはその下に……様はキンジがアリアを押し倒した状態になった。

アリアがアワワワワと顔が赤くなっていく。

キンジはアワワワワと顔が青くなっていく。

更にヒステリアモードの血流が……

 

(ってマズイ!!!!)

 

キンジは慌てる。昔はやはり子供だったためヒステリアモードに成っても大丈夫だったが最近は割りと危ない気がするのだ。特にこういう戦いの場ではない場所でのヒステリアモードへの変化……

元々この力は子孫を残すための力。いい加減ガキでもないのでこのまま行くと大変マズイ状況になるのは本能的に察していた。それこそ責任を取らねばならないくらいに……と言うか誰もいない教室でアリアと二人っきりで更にヒステリアモード……絶対ヤバイ!

 

「す、すまん!」

 

キンジはガバッと立ち上がって安全距離まで離れる。

ギリギリセーフだ……まだ成ってない。

 

「う、うん……」

「?」

 

アリアはなだらかな胸(と言う程すら無いのだが)を抑えた。

 

「どうした?」

「う、ううん。大丈夫よ……うん……ちょっと胸が……ね」

 

それは一大事だ。アリアの胸になにかあればパッド屋が閑古鳥を鳴かすことになる……等と冗談はここまでにしてキンジはアリアに駆け寄る。

 

「特に顔色は悪くないし大丈夫だとは思うが……」

「うん」

 

それからモップを見るとタイル一枚分だけキンジが買っていた。

 

「俺の勝ちだな」

「あんたがズッコイ手を使うからでしょ」

「知ってるか?日本には勝てば官軍負ければ賊軍って言葉がある」

そういうとアリアがプッと吹く。

 

「でも日本の侍は正々堂々がモットーなんじゃないの?」

「俺は侍じゃねえ」

「一毅に聞いたけど先祖が侍だったんでしょ?」

「あいつも余計なことを教えやがって……」

 

互いに机を椅子代わりに話す。

 

「そう言えばカナ?だっけ?」

「ん?ああ」

「あれって……アンタのお兄さんなのよね?」

「……まあな……」

 

微妙な空気が流れた。

 

「あんな美人なのにお兄さんなのよね?」

「あ、ああ……」

「胸とか……どうしてるの?」

 

確かに胸がでかいんだよな……カナって……等と思った所で思考を切った。実の兄?の胸を考えるとかただの変態である。

 

「俺も知らん」

 

そこでふと思った……アリアはヒステリアモードを知らない。つまり金一がカナになる必要がわからない……と言うことは……

 

(このままだと兄さんってただの女装好きの変態って事にならないか?)

(キンジのお兄さんってやっぱ変だわ……)

 

既にキンジの危惧は遅かった。

 

「ってキンジ!アンタの兄とパトラ何処行ったか知らない!?隠すと風穴よ!」

「知るかよ。俺だって聞きたいくらいだ」

 

そう、あの二人は事件の直後に姿を眩ました。多分何か企んで動いてるのだとは思うし、元々連絡が着かない兄貴のためかあまり心配してはいないがアリアにしてみれば重要な証人二人も逃がしたと言うことだ。まあシャーロックの一件もあるし多分かなえさんの無実は勝ち取れると思うが……

 

「ふぅん……まあ良いわ」

 

嘘を吐いてないと信じたアリアは背を向ける。

 

「屋上行きましょ。少し話したいことがあるの」

「ああ……」

 

なぜか……嫌な予感がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~いい天気ね」

 

アリアは背伸びする。

 

「で?何だよ話って」

 

キンジが聞くとアリアは少しバツが悪そうな顔をする。珍しい表情だ。

 

「キンジ……今回の一件で多分ママは無実よ……」

「そうだろうな。じゃなきゃ俺と一毅の苦労が報われん」

 

ホントだぞ?まだ頭痛とか続いてるんだからな?

 

「うん。まずわね。一毅にも言うけどアンタが最初よ、ありがとう。キンジ」

 

アリアは夕日を背に言う。

 

「別に気にすんな……俺はお前の……」

「パートナーだから?」

 

照れ臭くなってキンジがぶっきらぼうに言おうとするとアリアに言われた。

 

「ああ」

「でも言っておきたかったの。ママの一件が終わったら私はロンドンに帰るから……」

「……………」

 

やはり……そうだったのか……とキンジは視線を伏せる。覚悟はしていた。アリアはロンドン武偵局に所属する武偵で日本には母親の一件が遭ったから来ていただけだ。終われば帰るのは変じゃない。

 

「そうか……」

「うん……それでねキンジ。アンタも来ない?」

「え?」

「留学するのよ。向こうの武偵高校を卒業してそのままロンドン武偵局に来なさいよ。そしてアタシと武偵活動するの……」

 

ダメ?という眼で見てくる。わざとじゃないんだろうが……そんな眼で見られて勝てるわけもなく。

 

「良いな。それ……俺は別に構わないぞ」

 

自然と口からそんな言葉が出た。

 

「武偵は世界に雄飛せよって言葉もあるしな……あ、でも俺は英語話せねえぞ」

「アタシが付きっきりで教えてあげるわ。当分はアタシと一緒に行動ね」

「お手柔らかに頼む」

 

互いに笑みがこぼれた。

 

「嫌がられたらどうしようかと思ったわ」

「お前がいれば何があっても怖くねえよ」

 

キンジがそういうとアリアは頬を染めた。

 

「そう?」

「ああ」

 

するとアリアは距離を詰めてきた。

 

「たくさん色んな事があったわ……でもアンタが一緒に居てくれ……何度も助けてくれた。ありがとう。キンジ」

「あ、ああ」

 

アリアが潮らしいことにキンジは違和感を覚えた。すると……

 

「っ!」

アリアは瞳を閉じてつま先立ちになる。

夕日を背に……どうとか言えないが何となく良い雰囲気の屋上に二人きり……ここまで来たらさすがにキンジでもアリアが望んでいるこちは分かると言うか分からなかったらただの阿呆である。

でも……恐くなった……

 

『…………』

 

行こう……とアリアはドアの方に向かう。

 

(俺は……)

 

その時……入院時に一毅に言われた言葉をキンジは思い出した。

 

 

 

 

 

 

「なあキンジ」

「ん~?」

 

全身に包帯を巻き更にキンジは頭痛のため氷囊を頭に乗せていた。

 

「アリアにさ~ヒステリアモードの事話さないのか?」

「…………」

 

キンジは視線をそらす。

 

「言えるかよ。今まで性的興奮で強くなってましたなんて……しかも興奮した相手にだぞ!?」

「でもさ……ちゃんと言っといた方が良いんじゃね?ちゃんと言っておかねえと……いつかお前はアリアを傷つける」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリア!」

 

キンジの声にアリアは振り替える。

 

「……おれ……お前に言わなきゃならないことがある」

「え?」

 

キンジは唾を飲み込む。喉が乾いた

 

「俺の……力についてだ……」

「へぇ?あれだけ問い詰めても口を割らなかったのに」

「言いづらかったんだ……」

 

少し弱気のキンジにアリアは首をかしげた。

 

「俺の力の名前はヒステリア・サヴァン・シンドローム……爺ちゃん何かは日本名の【返對(へんたい)】何て呼び方してるけどな」

 

ちなみに字で書くとこうだとアリアに見せるがまあ名前が名前のため顔をしかめられた。

 

「まあこの名前で呼ぶのは爺ちゃん位で兄さんはHSSって呼ぶしおれはヒステリアモードって呼んでる」

 

一度キンジは息を吸う。

 

「効果は脳内エンドルフィンの分泌による反射神経や記憶能力や論理的思考能力を通常の30倍に高める力だ」

「ふぅん……凄いじゃない。30倍だったらあんな凄い技も出来る筈よね」

 

純粋に感心される……だが一番の難所は……これからなんだ……

 

「一応派生系が幾つかあるがその中でも一番の基本のヒステリア・ノルマーレ……お前が何度も見てる覚醒状態ってやつだよ」

「ええ」

「発動トリガーはな……」

 

声が詰まる。

 

「何なのよ。言いにくいの?」

 

猛烈に言いにくい……

 

「だったら別に無理しなくても」

「駄目だ……ちゃんと言わなきゃならない」

 

キンジは覚悟を決める。

 

「発動トリガーは……性的興奮だ」

 

言い切った……アリアも最初はうんうん頷き……あれ?と首をかしげ……ブワワ!っと顔が赤くなった。

 

「え?え?」

「……………」

 

キンジは黙っている。

 

「そ、そう……」

「その……すまん……」

「ううん。私も気づかなかったのが悪いし……ホントこういうときに推理力が欲しかったと思うわ」

「気持ち悪いだろ?」

「別に、驚いたけど嫌な感情ではないんでしょ?」

 

まだ少し困惑した顔だがアリアはキンジの方に体を向ける。

 

「と言うかアンタ変態ね。こんな幼児体型の私にそんな感情持つなんてね」

 

自覚あったのか……等といったらすべて台無しだろう。

 

「そんなの関係ねえだろ」

「しかも……白雪とか理子とかでも成ったわよね?」

「…………………」

 

白雪の場合は仕方なかったし理子の場合は向こうからだがそういっても仕方ないだろう。

 

「まあ良いわ。じゃあ突然口調が変わったりしたときはそういうこと考えたって証拠なのね」

「おい、撃つとか勘弁してくれよ……悩んでんだからさ」

「分かってるわよ」

 

アリアはそっとキンジの手を握る。

 

「もしかして女嫌いって言ってるのはそれ関係?」

「まあな……中学時代にバレて利用されまくった苦い経験があるから……」

「そう……」

「ああ~……アリア。お前が俺と組むのが嫌になったら……」

「それ以上言ったら本当に風穴開けるわよ」

「っ!」

 

アリアの手に込められた力が強くなる。

 

「アタシはね……二言を言うつもりはないわ。言ったでしょ?アンタはアタシがどんなときでもパートナーで居てくれた。だったらアタシだってアンタにどんな力があろうがアンタのパートナーよ?」

「アリア……」

「何となく此で分かったわ。アンタが妙に鈍い理由がね……あんたヒステリアモード?に成らないようにそう言うの学んでこなかったんでしょ?」

「まあ保体は何時も鉛筆転がしだ」

「なぁんだ……安心したわ」

「安心?」

「ええ……」

 

何が……とは聞けなかった。多分気づかない間にアリアを傷つけたんだろうし多分今だって……

 

「っ!」

 

キンジはアリアに手を強く握る。

 

「一緒に……帰るか?」

 

すまないアリア……と内心呟く……今の自分にはこれが限界だ……これ以上の事を多分望んだことは分かってる……ただそれでもまだ少し怖い。

 

「……そうね。一緒に帰りましょ」

 

アリアも今はこれで良いと言うようにキンジの手を握る。

 

(いつか……ちゃんとこの気持ちは伝えなければならないのだろうな……)

 

棺で寝るアリアに誓ったことを早速破る事になりキンジは苦笑いした。

 

「まあ、良いか」

 

キンジは呟くとアリアの手を引きながら歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………」

 

レキはそれを遠くで見ていた。

 

「その命令は……聞けません」

 

レキは何か見ているのだが何を見ているのかわからない視線で言う。

 

「アリアさんは友達で……キンジさんは一毅さんの親友です。私は一毅さんを愛しています。故にキンジさんに靡きませんし何より二人の仲を裂くような真似はできません」

 

風が強くなる。

 

「私はあなたから離別しました。私は私の意思で生きる!」

 

レキは強い口調で言葉を放った。

 

「何故?決まってるでしょう……信じているからですよ。仲間を……愛する人を……それだけですよ」

 

レキはその場を立ち去った。

そこには……レキの意思を認めないと言うような強い風が吹き抜けた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああああ!ライカ!怖いから無理するな!」

「大丈夫です!イメージはできてます!」

 

ライカはリンゴとナイフ手に剥く……レキが剥いて一毅にあーんしてるのを見てライカも剥く所から挑戦しているのだが機械みたいに均一に薄く剥けるレキだがさっきからナイフとリンゴを目の前にもって心臓に悪い剥き方をするライカ……技術的な差が大きいと言うかライカは器用だがどうも料理方面は苦手らしい。

 

「と、取り合えず4つに割って皮を剥け!その方が簡単だから!」

 

簡単……そう言われライカはムキになる。

 

「だから大丈……あ!」

 

案の定刃が滑って指を切った。

 

「ったく……」

 

一毅はライカの手をにとると、

 

「あ……」

 

指を口に入れる。

ライカは顔を真っ赤にする。

 

「ホント、オチを外さない奴だな」

 

一毅はあきれたような顔をしながら血が出た指を吸うと、

 

「止まったな」

 

一毅は指を出す。

 

「絆創膏とか貰ってこい」

「はい……」

 

ライカは真っ赤な顔で立ち上がろうとすると、

 

「持ってきましたよ」

『っ!』

 

レキが入ってきた。

 

「ビックリした~」

 

完全に気配を消した状態での入室だった。

 

「と言うわけでライカさん。手を見せてください」

「あ、ありがとうござギャー!」

 

レキはライカの傷に情け容赦なく消毒液をぶっかけた。

 

「ちょ!染みる!」

「フフフ……自分の力量を見定められなかった武偵は痛い目に会うものです」

「ギャー!」

「二人とも~ここ病院だからな~?」

 

すると一毅は何かに気づく。

 

「レキ……お前何かあったのか?」

「え?」

「いや、何かそう思っただけだよ」

 

一毅が言うとレキはフッと少し笑う。

 

「何でもないですよ」

「そうか?なら良いんだけどさ」

 

一毅は言う。だがレキは内心ザワ着いた。相変わらずこう言うときには鋭い。普段は鈍感大魔王の癖してこう言うときには聡くて……

 

「一毅さん」

「ん?」

「大好きですよ」

 

一毅は頬が熱くなった。

 

「俺もだよ」

 

するとライカがこっちを見てくる。

 

「ライカも大好きだよ」

 

元から赤かったライカの顔がもっと赤くなった。

 

「取り合えずさっさと治してくださいね?飛行機の予約してきたんですから」

「あ~……一毅先輩のお父さんか……どんな人なんですか?」

「ヤクザも幼稚園の先生に見えるくらいおっかない顔……」

「またはアサシン……ですかねぇ」

「何もんですかその人……」

「まあ性格は穏やかな人だから怖がんなくて大丈夫だよ」

「どちらにせよ沖縄は夏ですから暑いですし何か服でも見に行きませんか?」

「あ、良いですね」

「ええ!俺動けないんですけど!」

「そこは後々のお楽しみにと言う事で」

「ちくしょー!」

 

一毅が項垂れるとレキとライカは笑った。

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