緋弾のアリア その武偵……龍が如く   作:ユウジン

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ifの話
失いし物に縋り付き…… 前編


ポタリ……と刃から血が落ちた……

 

「……が……が……」

 

刃を持つ男の足元には滅多切りにされた男は一人……もうすぐ息絶え死体一つに変わるだろう。

 

「ああ……」

 

刃の血を払うと男は刀をしまう。

顔立ちは……整っている部類だろう。だが人相は悪くその眼はひどく濁っていた。

 

(あだ)ぁ討ったけど……生き返っちゃくれないよな?レキぃ……」

 

勝手に押し掛けて……勝手に恋人宣言してきた女の名を呼ぶ……返事はな

い……もう死んだから……

 

 

 

その日……武偵・桐生 一毅は姿を消した。

 

これはIFの物語……あり得たかもしれない後悔の話だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

「おぃっすカズッチ」

 

一毅は適当に座っていたがそこにクラスメイトになったかもしれない少女に声をかけられた。名は峰 リュパン 理子……

無論話す必要を感じないため一瞥だけする。

 

「相変わらず暗いねぇ。あ、これから仕事にいくから」

「ホームズ四世か?」

「そ、ついでに言うとパートナーにキー君選んだんだよ?」

「ふぅん」

 

キー君……本当の名は遠山 キンジ……遠山金四郎という男の子孫で一毅の幼馴染みだった……もう一年近く会ってないしこれからも会う予定はない。どうでもいいことだ。

 

「殺すからね」

「勝手にしろよ」

 

一毅には……キンジがどうなろうと知ったことではなかった。

 

「そう言えばジャンヌも雪ちゃん引き込もうとしてるし夾ちゃんも何か企んでるしねぇ~ここの人間もまた増えそうだよ」

「……………」

 

一毅は既に寝ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一毅は新聞をとる。

そこに小さく【暴力団構成員惨殺事件いまだ犯人捕まらず……】とある。

 

顔がバレてないわけない。未成年ゆえに名前も顔も出せないのだろう。

(下らねえ……)

 

一毅は新聞を投げるとまた寝出した……

 

ふと……眠る前に思った。今の自分をキンジが見たらどう思うだろう……軽蔑するか……怒るか……イ・ウーのNo.4の自分を……

 

 

……………どうでも良かった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局その後理子は捕まった。その直後にジャンヌも捕まった。どちらもキンジがどうにかしたらいい。少し驚きだ。少なくとも自分が知るキンジではない。序でに夾竹桃も捕まった。司法取引でもなんでもしてどうせすぐ自由になるのだろうからどうでもいいことだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度はブラドが捕まった。さすがにその時は耳を疑った。またもやキンジのお手柄らしいが随分実力をあげたらしい。まあ他にもいたらしいがそれでどうにかなるような相手では無いだろう。興味なかったから話すこともなかったし眼を合わすことは殆ど無かった上にあまりイ・ウーの潜水艦に顔を出さなかったので感じる事はなにもない……どうでもいいことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

退学になったパトラとキンジの兄の金一が何かやっている。どうでもいいので無視していたら金一の方から来た。ホームズ四世と戦うらしい。

キンジとも戦うかもな……等と思っていたらキンジにも協力してもらうらしい。あの男はブラコンなので多分力を貸すだろう……

 

 

 

そう思って三日ほどいたら断られたらしい。随分パートナーやっているようである。

どうでもいいことだが……まさかあのブラコン野郎が断ったのには少し驚愕が強かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然潜水艦が上昇し始めた。それと共に教授(プロフェシオン)が来た。

 

「これからアリア君を迎えにいくよ」

「へぇ?自分のひ孫をか?」

 

大方次のリーダーに据えるのだろう。それをめぐって派閥なんか出来てはいたが興味なかったため一毅は無所属だ。誰がリーダーだろうとどうでもいいことだ……

 

 

 

 

 

 

三十分をほど外で銃声が聞こえると教授(プロフェシオン)がピンクブロンドの髪の小さな少女を連れてきた。写真で一度見たことがあるため知っている。

彼女がホームズ四世改め神崎 H アリアだ……

 

「彼は桐生 一毅君だ」

 

一毅は一瞥だけする。だがアリアは眼を見開いていた。

 

「あんたが一毅?」

「初対面の男を名前で呼び捨てかよ」

 

一毅は奥に引っ込んだ……

 

「あいつが……キンジが探していた男?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一毅は自室で寝転がる。あの後教授(プロフェシオン)がやって来てキンジが来たら出迎えてやれと言われた。こんなところに来るわけがない。アイツは馬鹿だがこんなところに乗り込んでくるほどではないだろう。

だがそれでも言われた場所に一毅は座る。どうせ来るはずのない相手を……

 

「一毅?」

「おいおい来るのかよ」

 

一毅は冗談だろ?と言う目でキンジとその後ろにいるアリアを見た。

 

「お前はそっちか?」

 

アリアに聞くと頷いた。別にいいんだがね。

 

「久し振りだな。キンジ」

「ああ、一年ちょっと振りだ」

 

幼馴染みに挨拶すると普通に返された。

 

「お前今イ・ウーの構成員なんだって?随分な鞍替えだな」

「どうでもいいだろ」

「しかもなんだその髪。半分白ってお前はブラックジャックか?」

「どうでもいいだろ」

 

一毅には興味もない。

 

「…………まだ……レキの事を想ってるのか?」

「っ!」

 

一毅は自分でも血が熱くなるのを感じた……

 

 

 

 

 

 

レキ……苗字は知らない。分かってることは狙撃の天才でウルスと言う民の一人……だった。入学から一ヶ月後に告白されて恋人(仮)として付き合いはじめて……ある事件で死んだ。

銃で撃たれて死んだ……自分が殺した……

彼女を拒否したから死んだ……正確には殺されただが……雨降るなかであっても自分がいたら変わったかもしれない。全て……自分のせいだ。

 

 

 

犯人は殺した……そして死に場所求めてここ、イ・ウーに来た。

出来るだけ苦しく死にたかった。だが中々そう言うことはなく日だけ過ぎていく。自殺などと言う生易しい物では死ねない。これ以上なく残虐に死にたかった。

何故か……そんなの決まってる。好きだったから。何時からなのかは分からないが彼女に惹かれていた……本当は……なのに拒否して彼女を遠ざけて……死なせた。幾夜も悔やみつづけ髪が半分白髪になるほど後悔し続けた。

 

 

 

 

 

 

「お前はまだもしかしたらって考えてるのか?バカじゃねえの?IFってのはどんなに想ったって、もしかしたら……としかならねえんだ」

「黙れよ……」

「どうでもいいとか言っといて……世捨て人みたいな顔して?そうやって自分に都合が悪くなると黙れ?何もどうでも良くできてねえだろうが!」

「黙れぇええええええ!!!!!」

 

一毅はぶん殴ろうとキンジに跳躍……だが、

 

「オォ!!!!!」

 

その前にキンジのハイキックが一毅を横に吹っ飛ばした。

 

「がっ……」

「テメェはあのときで時が止まっちまってる……お前の中の時計は壊れちまったんだ……」

「んだと……」

「だからそういうのは叩いて直すんだ」

 

そう言ってキンジはバッと上に着ていた服を脱ぎ捨てた。服の下には細かい傷に一年前とは比べ物にならないほど鍛え抜かれた肉体。元々キンジは筋肉量が多い体質をしていないためここまでにするのにいったいどれだけの修練を積んだのか分からない。

 

「最初に言っておいてやる。毎日血反吐吐いても鍛えまくって……血尿出しても戦いまくって……俺は一年前とは比べ物にならねえぞ?」

「……」

 

ブッと血を吐き出す。

 

「良いのかよ……俺だって実力はあげたんだぜ?」

「上等だ」

 

一毅も上に着ていた服を脱ぎ捨てた。

生まれつき筋肉質の肉体がさらけ出される。

 

「教えてやるよ……武偵三倍刑がどれだけ苦しいかをな」

「やってみろよ……」

 

二人は息を吸う。

 

「東京武偵高校 Sランク武偵!強襲科(アサルト)所属・遠山 キンジ!!!!!」

「イ・ウー構成員!桐生 一毅!!!!!」

『勝負!!!!!』

 

二人は一年振りの再開を果たし……戦いを始めた……




さて取り合えず前編……次回は後編となります。
今回は私なりにシリアス前回でした。うん、難しいです……

このifの話ですが第一章でもしレキが助からなかったら……と言う話です。
一毅は撃った犯人を殺して死に場所求めて今やイ・ウー構成員……そんな一毅を光ある場所に戻せるのはやっぱり親友のキンジでしょう。
なので次回はキンジ頑張っていただきます。

では次回の後編で~
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