既に新しい別のネタも考えてあるのである程度熟してきたらぶち込もうかなーと。
今の状況を簡潔に説明する。
①病気で死んだ。
②異世界に魔族という種族で転生した。
③転生した直後にいきなり襲われた。
④四肢全部斬り落とされて達磨NOW。
斬新な始まり方ですね(白目)
◇◆◇◆◇◆
(挿入歌:Lynyrd Skynyrdより『Free bird』)
「アイエエエエエエエエエエエッッ!!!!」
「逃げたぞ」
「あの先には集落があった筈だ。追いかけよう!」
転生するなり森の中で出会った青髪の優男感溢れる男に挨拶をしようとしたら無言で襲われ、四肢を斬り飛ばされた俺は達磨の状態で飛行魔法を使い逃走を試みていた。
どうやら転生と言っても赤子からのスタートではなく事前に我がボデーが用意されていたようだ。
この世界に於ける『魔法』とやらの知識もボデーの方の脳内に粗方保管されており、初見で魔法の使い方も把握出来ていた。
ただ転生していきなりどう見てもラスボス級にしか見えない強さの敵集団と出くわすのに関しては少し酷すぎる気がする。
―フロムゲーでもここまで酷くないぞ!!
―ツリーガード先輩の方が100倍マシだ!!
しかも恐ろしいのはイケメン剣士や髭面低身長斧使いだけじゃない。
後方で控えながら防御不可能即死攻撃という名のクソビームを放ってくるエルフっぽい人と神職っぽい人。
防御魔法もあるので防ぐ事は理論上可能なのかも知れないが、先程クソビーム一発で防御魔法が理不尽にも吹き飛んだのを見て防ぐという考え方は捨てる事にした。
幸い達磨で体重が大幅に軽くなった分、飛行魔法での速度も上がって彼らは引き離しつつある。
クソビームも射程から外れたのか飛んで来なかったので安堵の溜息を吐きながら前に向き直る。
「あれ、これどうやって減速するんだ?」
それから、達磨の魔族が空を高速で飛び回っていたという噂が一部の集落で広がって行ったのだった。
◇◆◇◆◇
《5日後》
あの魔族が逃げた先にあった村落を訪れた魔王討伐の為に旅に出ている勇者ヒンメル達であったが、彼らの心中にあったのは安堵と焦燥。
「まさかこの村を無視して行くとは…」
「回復の為に襲いに来るかと思っていましたが、それなりの判断力はあるようですね」
情報収集を終えたヒンメル達勇者パーティーは酒場で簡単な昼食を取っていた。
「フリーレン、奴の動きはどうだ」
「魔力探知で見る感じ、まだ南西40km先から場所は変わってないね」
ドワーフの戦士アイゼンの問いにエルフの魔法使いフリーレンは食器をテーブルに置きながら答える。
「なら、この後予定通り追跡を再開しよう」
「ああ」
勇者パーティーは、遂に成し遂げた魔王討伐の旅から戻るついでに厄介事を処理するべく酒場を出た。
◇◆◇◆◇◆
一方その頃、達磨野郎の方はと言うと。
「これはヤバい…両手が無いんじゃ這いずるどころか珍宝を弄る事すら出来ねえ!!」
森の中をゴロゴロと転がりながら移動する達磨。
実を言うと彼は自分(転生したこの肉体)の名前を肉体の記憶から知っていた。
『ヴィエフーシグ』
それが彼の名である。
ヴィエフーシグは達磨状態をどうにかするべく記憶の中から使えそうな魔法を探す。
「『お湯が直ぐに沸く魔法』…いらん」
「『靴紐が解けなくなる魔法』…これでもない」
「『しめやかに爆発四散する魔法』…なんだこれ…」
「『金属を自在に変形させる魔法』…おっ、これは…!」
記憶の中から見つけた一つの魔法。
それに有用性を見出してからの動きは早かった。
「やるだけ、やってみるか…!」
彼が最初に欲したのは腕。
『金属を自在に変形させる魔法』を活用して義手の製作を試みたのだ。
部品のベースは勿論金属。
素材に関しては心配はいらない。
地中にある砂鉄なども金属にカウントされる事が分かったからだ。
兎に角金属と名の付く物質なら何でも固めて、変形させる事ができるこの魔法を使って自作の設計図を元に試作品を作ってみることにした。
◇◆◇◆◇◆
《試製一式義鋼腕テスト》
計画が始まってから4日経った。
取り敢えず付けた中二臭い名前のこの義手。
見てくれは取り敢えず動かせれば良いと言わんばかりに骨組みだけのスカスカ。
右手と左手両方用意したそれを、予め両腕の切断面に接着した固定具に押し当てる。
何度も試行錯誤を繰り返しながら整形した接合部の部品は彼の想定通り、しっかりと噛み合っていた。
『金属を自在に変形させる魔法』は、彼の想像以上に精密な形状を再現させる事が可能だったのだ。
恐らく1ミクロンの誤差とて許さぬ程に。
「よし……」
しっかりと固定された事を確認し、次のテストを始める。
この義手は魔法によって脳からの指令を伝達し、動くようになっている。
要は民間魔法によくある物を動かす系の魔法の応用なのだが。
次に行ったのはこのテストだった。
「関節部分も大丈夫。これで魔力を流せば…」
彼が魔力を流した瞬間、義手は彼がイメージした方向とは真逆に動いた。
「うごッ!?」
自らの義手に裏拳を食らわされ、のたうち回る達磨改めてテケテケ。
「ッ〜!やっぱり最初は上手くいかねえか…」
彼の義手が完璧な動作性を獲得するのは、『試製三式義鋼腕』まで名前が改められてからのことだった。
そして……。
「やっと見つけた…」
「何か面白そうなことしてるね」
「あっ……」
ついでに勇者御一行にも追い付かれた。
ドーモ、サイバーパンク2077の義手に憧れを持つトーコーシャ=サンです。
マンティスブレードが格好良すぎる。