近くて遠く、そして時々居なくなる。   作:あるとりあ

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プロローグ

どの物語にも主人公は必ず存在する。ヒーローのように颯爽と誰かを助けたり、難解な事件をいとも容易く解決したり、強大な敵を数秒で倒したりするそんな主人公に誰しもが一度は憧れた事があるだろう。

そして俺も主人公に憧れていた1人だった。

 

 

だが。俺は想像していなかったのだ。彼らが背負っている責任や重圧を。

 

 

主人公になった。

自分の身の回りで次々と殺人事件が起きていく事が我慢出来なかった。

 

主人公になった。

最強の弟に生まれ、世界で唯一の男性搭乗者という肩書きに耐えられなくなった。

 

主人公になった。

かの騎士王のマスターになったが戦闘に怖気付き、なすすべもなく殺された。

 

主人公になった。

仲間に裏切られ奈落の底に落ちた時、抗う勇気を出せずに絶望したまま自害した。

 

主人公になった。主人公になった。主人公になった。主人公になった。主人公になった。主人公になった。主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に主人公に

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてまた主人公になった。

何もせずに蹲っていたままだった。

 

 

 

 

 

『ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい』

薄暗い部屋の一角で今日も俺はひたすら蹲り続けている。

『もう、、、、限界だ。。』

そしてまた俺は舌を噛みちぎって死んだ。

 

 

 

 

目が覚めると遠い昔に見たことがある景色が広がる。

『ここは、、、確かカルデア?』

目の前には無機質で近未来的な廊下が広がっている。

瞬間嘗てのトラウマが蘇り、吐きそうになるが寸前のところで堪えた。

ただ蹲ってしまう。息が荒く、呼吸するのもやっとだ。度重なる自己嫌悪と懺悔。その2つに頭が真っ白になってしまった。

 

「大丈夫ですか!?」

 

女の人の声だ。

 

「立てますか?」

 

聞き覚えがある声だ。

 

「先輩!先輩!」

 

二度と聞きたくなかった声だ。

 

「しっかりしてください!!」

 

寸前の所で喉に留めていた嘔吐物が一気に逆流する。びちゃびちゃと音を立てて無機質な廊下に飛び散った。

先程の女性が急いで傍に駆け寄り俺の事を心配している。

そして俺はその事実にまた絶望に突き落とされながら視界が暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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