雷電   作:不透明な水滴

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第九話 凪と妖怪

数十分後

 

「はぁ…やっと終わった」

 

そこまで強い奴も居なかったし、助かった

 

「…だが、ちょっと怖いな」

 

まあ、それは後でにするか

 

俺はベンチに座らせておいた凪さんの隣に座る

 

「さて、少しお話をしましょう」

 

「は…はい」

 

「まず、なんであんな状況に?」

 

俺がそう聞くと、凪さんは下を向き言った

 

「…私…と言うか、私含めあの組織の皆さんは各家系の当主になっているんです」

 

「それで、私の能力が…あの人達に都合がいいらしく…」

 

「…なるほど、でも断ればよかったんじゃ?」

 

「それが…もし協力しなければ、あの組織含めこの街を魔物を使って襲うと…」

 

あ、あの化け物達って魔物だったんだ

 

「私は今大体三百歳なんですけど」

 

「……へ?」

 

サンビャクサイ?

 

「すいません…失礼かもしれませんが…人間ですか?」

 

「あ…伝えられてなかったんだ」

 

伝えられてなかったってなに?!

 

「暁歌ちゃん以外の皆は…妖怪なんです」

 

「よ…妖怪…」

 

こりゃまた話が膨大化したな

 

「…と言うか、復讐の為と言ってましたけど…そんなに生きていて何をそんなに恨んでるんですか?」

 

その瞬間、凪さんが少し複雑な顔をする

 

「…知っているかもしれませんが、私達は、家系となる家族…仲間達を失っているんです」

 

「それも…とても無惨なやり方で…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が二百歳頃、突如として私の家が狙われました

 

まだ私が産まれる前…千年以上前から起こっていた突然の家系奇襲の標的になってしまったんです

 

私はその時、既に当主だった為、私だけ逃げる様に言われました

 

「私は…逃げました…だけど…どうしても忘れられなくて…」

 

「……どうなったんですか?」

 

「……もちろん、皆死んでいました」

 

「………」

 

その時、凪さんは悲しそうな顔をして言った

 

「だけど…正直もうどうでもいいんです…私じゃ勝てる相手じゃない…私は戦いに向いていないんです」

 

「向いていない…」

 

だったら…当主になるのはおかしくないか?

 

当主になるなら相当な実力が必要なはず…なら

 

「私達妖怪の族は、今の人間には忌み嫌われ…暁歌ちゃんだけは唯一認めてくれましたが…」

 

……意外と良い奴だな、あいつ

 

その時、突然後ろから爆発音がした

 

「っなんだ!?」

 

後ろを向くと、一人の男がこっちへ向かって歩いてきた

 

「……あ、妖怪?」

 

その男は、こっちを見るなり凪さんを一発で妖怪と見抜いた

 

「珍しぃ、ここら辺妖怪居なかったからつまんなかったんだよ」

 

「誰だよ。お前」

 

「俺?そんなの名前なんて無い…と言うか、妖怪なら殺らせてよ」

 

「そんな事、させるわけないだろ」

 

俺は男の前に立つ

 

「凪さん。援護とか出来ますか…って」

 

凪さんの方を見ると、凄く震えていた

 

「私は……戦えません…もう限界なんです」

 

その瞬間、凪さんは走り出しどこかへ行ってしまった

 

「な、凪さん!」

 

「あ〜あ、見捨てられた」

 

「見捨てられたってどういう事だ」

 

「え?知らなかったの?妖怪って妖力が一般人とは比にならないほどあるんだよ」

 

「妖力?」

 

「あ〜…めんどくさいし、もう殺してそっちの妖怪の方とやりたい」

 

「殺せる気があるんなら、やってみろ」

 

俺は雷電で刀を作る

 

「へぇ〜俺、無の家系だけど?」

 

「無の家系…?」

 

あの人達以外にも家系は存在するだろうとは思ったが、そんなにあるのか

 

「能力がなんだろうと、関係ないだろ」

 

刀を構え、男に斬り掛かる

 

「……っふ」

 

男が刀に触れた瞬間…刀が消えた

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