人々は逃げ、女性の後ろを歩きながら声をかける
「あの…少し位反応してくれても…」
さっきから話しかけてるんだけど…全然聞かないな
「あの…」
もう少し話しかけようとした時、女性がこっちを向いた
「お前、名前は?」
「名前…檪裕仁です」
「…火炎暁歌」
「え?」
突然女性がそう言った
「私の名前だ。とりあえずこっちに来い」
「は、はい」
突然ベンチへと誘われた
「お前は、あそこの組織について聞いたんだな」
「ああ…それで、まずは貴方からかなと思って」
「…そうか」
暁歌はそう言うと、下を向いて…少し、寂しそうな顔をした
「…お前は、本当に私達から信頼を勝ち取ろうとしているのか?」
「ああ、じゃないとヤバいっぽいんで」
「…辞めておいた方がいい。アイツらからは詳しく聞かなかったと思うが…私達の過去は…そう言えるものじゃない」
「…なら、聞かせてくれよ」
「…分かっているのか?この重大さが」
「俺は諦めが悪いんでね。力を合わせないと、復讐?だかなんだか知らないが、やりたいことも出来ないだろ?」
「…なら、聞くか?火炎家について」
「火炎家?」
「私含めるアイツらは、全員各家系の当主なんだ。私は三代目だ」
「…聞かせてくれ」
「…何故私達が復讐を求めているのか…それは」
私達は、全員家系を失っているからだ
数百年前、私の家系『火炎家』は、特に強いとされている家系の一つだった
だが、そんなある日…一家の大量殺害が始まった
その時、私はまだ生まれてすらいない。私が生まれた頃、親の二人しか生き残っておらず、二人も私が五歳頃に死んだ
私は、ずっと調べていた。あの時、何故殺されたのか。理由はなんだったのか
私はただただ復讐したかった
その時、一冊の本を見つけた
そこのページには、全てが書いてあった
子も女も関係なく殺され、家は燃やされ、名だたる強者にも『数』には勝てず、無様に殺された
その瞬間、私は知りたくもない情報を知ってしまい、余りの情報のリアルさに簡単に想像出来てしまい、私は深く、絶望し、復讐心が燃え続けた
「私の目的は、私の家を壊した首謀者、そして壊した本人…そいつらを殺せれば、私は何も求めないし、この世にもいる意味もなくなる」
「…なら、よりお互い協力し合わないといけないんじゃないか?」
「…無理に決まっている。あの時壊されたのは、信頼していた家系からだ。心の底から信頼出来ようと、何時でも殺せる準備はしてある」
「…それが、正しいとは限らねぇとは思うけどな」
「…なに?」
「正直、俺は数百年前の話とか、火炎家の話とか、家系の話とか、何一つ知らないし、知りたくもない」
「…だけど」
俺は、気付けば強く拳を作っていた
「こんににも知らねぇ俺でも、こんなにも腹立つ…大変だってことは今知ったし、まだ俺は甘いかもしれないけど…俺は、そんな事をするやつが大嫌いだ」
「…はは、なら、今試してみるか?」
「…というと?」
「数百年越しの宣戦布告、それがこの場だ」
「…まさか…!」
俺は横を見ると、でかい男が立っていた
「久しいな…火炎家の生き残り」
「…裕仁、お前は…命をかけ戦うことが出来るか?」
「…ああ、そりゃ勿論」
そう言い、二人で男の前へと構えを取った
『火炎暁歌』(かえんきょうか)