FE風花雪月 暗き魂の章   作:オーバン

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ダークソウル×風花雪月が無いので思いついた分だけ書きました。
地味に相性いいと思うので増えて欲しい…


竪琴の節 不死の来訪

5体の黒騎士を屠り、白い霧の前に立つ。

 

一度深呼吸をしてから、愛用のつるはしに炭松脂を塗りたくる。

 

左手には炎耐性の高い黒騎士の盾を持ち、指に『スズメバチの指輪』があることを改めて確認する。

 

最後に緑花草を一房口に放り込み、霧を潜る。

 

相対するは薪の王、グウィン。

 

グウィンの飛び込み斬りをパリィし、浮かんでくるビジョンに従って燃え盛るつるはしを腹に突き刺す。

 

掴みはローリングで回避。素早い片手振りは二撃目をパリィ。スズメバチの指輪の効果で最も効率的な刺し方が浮かんでくる。

 

一方的にグウィンを追い詰め、最後の一撃を腹にお見舞いする。

 

グウィンはソウルを残して消え、部屋の中央に篝火が現れる。

 

もう何度もみた光景。このまま俺は篝火に触れて火を継ぐか、あるいは火の炉を去ってカアスやフラムト達を従えて闇の王となり、気づいた時には不死院からやり直しとなる。……普段であれば。

 

端的に言えば、この旅に飽きてしまった。

 

ロードランを隅々まで巡り、全てのまともな人たちと話し、武器はおおよそ全て手に入れて、自分では使えそうにない魔法も含めてあらゆる魔法を知った。

 

時には鍛冶師たちに師事し、自分で変質強化も出来るようにした。

全ての篝火の剣を抜いたこともある。自分で篝火を設置できるようになったがそれだけだった。

協力や侵入、対人もやりこんだし、面白そうな戦法も全て試し、使いこなせるようにした。

その中で、呼べば来るし呼ばれれば手を貸すくらいには仲良くなった者も何人かいる。

 

しかしそれでも、刺激が少ないと退屈になってしまう。

 

だから、このループから抜け出すことにした。

 

もはや敵はこれ以上強くなることはない。

 

もっと強いソウルを持つ者……例えばそう、神みたいなのがたくさんいる世界に行きたい。

 

そう願って、俺は火の炉の篝火の剣を引き抜き、使い慣れた装備に戻してから、白いサインを書いた。

 

==========================

 

怒号と剣戟の音で目が覚める。

 

気づけば俺は、見知らぬ岩場に生身で座り込んでいた。

 

少し遠くからは戦闘の音と血の匂い。ここは戦場らしい。

 

辺りを見回していると、割と近い所から少女の悲鳴が聞こえた。

 

遠眼鏡で声の方を見やると、白髪の少女が盗賊のような身なりの三人の男たちに追い詰められている。

 

 

「へへっ、わざわざ非力な魔法使いが一人で突っ込んできてくれるとはなぁ!」

 

「しかも結構な上玉だ…なぁ、こいつらの本隊は向こうみてぇだし、こいつさらって逃げねぇか?」

 

「いいねぇ!じゃあとっとと縛って連れてくか!」

 

「そう簡単に捕まるものですか!『ドーラΔ』!」

 

「おっと!あぶねぇだろうが!」

 

「きゃぁ!」

 

 

少女が闇の球を飛ばして抵抗するが、蹴り飛ばされる。

 

あの年で闇魔術使いとは…と、ややずれた感想を浮かべつつ、竜狩りの大弓を取り出して少女を蹴り飛ばした盗賊を射抜く。

 

「…は!?」

 

「なんだあれ!?槍!?」

 

盗賊たちが困惑している間にダッシュで近づき、片方の盗賊に両手でしっかりと握りしめたつるはしでバックスタブをお見舞いする。

 

こちらに気づいた最後の盗賊が剣を振るうが、それを素早く取り出した木板の盾でパリィし、腹につるはしを叩き込む。

 

一瞬で三人を片づけ、周囲を見渡して安全を確保してから、うずくまっている少女に声を掛ける。

 

「大丈夫か、お嬢ちゃん。こんなところにいると危ないぞ?」

 

「あ…ありがとうございま……ぅえ!?」

 

「質の良い髪に服…デザインからして軍服…いや、制服か?それに魔術も使えるとなると…貴族出身で士官学校あたりに通う軍人の卵か?そんな奴が一人ってことは、大方自分の力を過信して突っ込んで来たんだろう。そりゃあこうなるさ。」

 

「あ、えっと…す、すみません…」

 

「気を付けろよ、魔法使いってのは大抵近接戦が苦手なもんだ。詠唱より剣のほうが速いからな。」

 

「はい…」

 

「まぁいい。本隊はどこだ?これも何かの縁だ。護衛してやるよ。」

 

「あ、ありがとうございます…えっと、本隊は……」

 

「リシテア!どこだ!?」

 

少女が指を指そうとした時、女の声と数人の足音が聞こえてくる。

 

とっさに盾を構え、声の方に向き直る。

 

 

「この声…!先生!こっちです!」

 

少女が先生と呼んだ紺色の髪の女がこちらに気付き、少女の姿を確認して安堵の表情を浮かべ、俺を見てすぐに警戒した顔になる。

 

「…貴方は誰?盗賊たちとは違うようだけど。」

 

紺色の髪の女が、剣を構えながら問いかけてくる。

 

そして俺も、つるはしを握り直して警戒する。

 

俺の目には、彼女のソウルが見えていた……小さなか弱いソウルと、その裏に隠れるように存在する、王のソウルにも匹敵する強大な、しかしどこか弱っているようなソウルが。

 

一触即発の空気の中、白髪の少女が声を上げる。

 

「待ってください先生!この人は私を助けてくれた人です!あなたも警戒を解いてください、あの人は私の先生なんです!」

 

それを聞いて、お互いに武器を降ろす。

 

やがて、「先生」について来ていた者たちも追いつき、その中のピンク色の髪の少女が頬を染めながら叫んだ。

 

「へ、変態だーー!」

 

変態。まぁそりゃそうだ。今の俺は、全裸でずた袋だけ被った回避特化の軽装なのだから。

 

==========================

 

少し「先生」ことベレスと話をして俺は、生徒達の仕事を奪わないよう、魔法使いの生徒の護衛として盗賊の掃討戦に協力することとなった。

 

ローレンツという青髪の槍使いが首領にトドメをさし、俺の出番はほぼないままあっさりと戦闘は終わった。

 

ちなみに、流石に全裸はまずいらしく、今は使い慣れた装備の一つであるハードレザーシリーズをアイアンヘルムを除いて着込み、手にはパイクとウッドシールドを持っている。

 

……この装備は、俺が敬意を払っているとある白霊と同じ組み合わせだ。

 

かつてアノール・ロンドで出会った、ロートレクと共に居た白霊。

扱いの難しいパイクを完璧に使いこなし、強烈な一撃を叩き込んでくる。

 

たまたま顔が似ていたから使ってみたが、パイクはなかなかに奥が深い。

こんなものを使いこなせるあいつの技量は、きっと相当なものだろう。

 

……話がそれてしまった。

 

戦闘が終わり、俺はベレスたちと共に、士官学校のあるガルグ=マク大修道院へ向かっている。

 

どうやら、ここはフォドラという大陸の中心のあたりで、大修道院を拠点とするセイロス教は3つある国のいずれにも与せず中立を保っているらしい。

 

そして彼らは、フォドラの国の一つであるレスター諸侯同盟出身の者が多く集まる、金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)のメンバーだという。

 

全く知らない土地、全く知らない国。

聞いたこともない魔法や宗教。

そして、ベレスに宿る王のソウルにも匹敵する強大なソウル。

 

ロードランを抜け出した甲斐があったようだ。

 

俺はこれからの旅路を想い、久々に胸を躍らせながら歩みを進めた。




続きは思いついた時に書きます。

たぶん続かない。
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