『日記その6』
×月〆日
怪我が治るまで便利屋の世話になった。この4人組との日常は随分と騒がしくて楽しかった。見栄っ張りなアルちゃんに、それを囃し立てるムツキちゃん。仕方ないとばかりにカバーするカヨコちゃん。トラブルメーカーだけど憎めない良い子のハルカちゃん。
別れる時は随分と引き止められたけど、私には約束があるからね。カスミさんと早く合流しなくては……
+月¥日
今日は私が初めて怒った日かもしれない。便利屋と一緒に過ごした時に受けた依頼で金を貰っていたので、久しぶりにちゃんとしたご飯を食べたいと思って、店に入ったんだ。
そしたらまあ、なんというか……クレーマーがいたんだ。肉がパサついてるだの、食材の詐欺じゃないか、だとか。それ自体は悪いことだと思う。美味しい食事を期待して入る人を裏切る行為だと私も思う。しかし、しかしだ。だからって店ごと爆破はどうかと思うよ?
どんなに不味かろうと、あの死ぬほどの空腹を知る私としては食材、料理を粗末にする行為は許せない。なのでこの世界の流儀らしく、物理で語らせてもらった。後悔はない。
☆月〒日
怒りに任せてやり過ぎたかもしれない。どうやら私は指名手配、的なものを受けたようだ。私の顔写真付きのチラシを見てビックリしたよ。ていうか、爆破は私じゃなくてあの人たちなんですけど!
%月♪日
たまに追われながら逃げる生活をしていたら、再びあの砂の自治区に来ていた。実際ここって一部の不良を除けば全然人がいないから、逃げるにはうってつけだと思うんだ。
ここで暫く暮らしてみようか。うぅ、カスミさんと早く会いたい。
÷月$日
なんだかホワホワしてる人に会った。随分と胸が大きい。なんかこっちを見て驚いていたけど……どうしてかを聞いたら、後ろ姿が友人によく似てたらしい。前にも間違えられた事があったけど、よくある事なのかな?
うちの学校に来てみないか、と誘われたけど断った。約束があるからね。
♪月$日
そろそろ便利屋でのお金も尽きそうだ。また何か探す必要がありそう。そんな事を考えながら、砂に埋まった廃墟の上から砂漠を見ている。この景色がなんだか好きだ。誰かに呼ばれている気がする。
○月☆日
夜の砂漠はとても寒い。昼間は暑いのに、夜になった途端寒くなる。ブルブルと震えながらも私は砂漠に眠る廃墟を探索していた。というのも、金がついに尽きたので、最終手段として機械を集めていたのだ。味はほんっ……とー、に嫌なんだけど、飢えるよりマシなので。
そんな中、前にも会ったピンク髪の子に会った。なにやら私に怒っていた様子だった。そんな時私の口が勝手に動いたんだ、初めての事だった……『ポスター、まだある?』って、何それ?
ヒマリ達との氷海行きの冒険が終わり、私はシャーレに戻ってきた。デカグラマトンと、その預言者達。まだ全てが解決した訳ではないが、今は一段楽と言って良いだろう。
あのブルリと肌が震える寒さとお別れできた事に安渡しながら、いつも通りリクライニングチェアに座り、携帯を起動する。
1日の始まりに、こうして何か連絡が来ていないかを確認する。いつもと同じ作業。しかし、今日は少し違うらしい。色んな生徒からのモモトークの中に、目を引く文言を見つけた。
──先生、ホシノ先輩の様子が少しおかしいんです。聞いても何も言ってくれなくて……もし時間があれば、一度会ってくれませんか。
──先生!ヒナ委員長の様子が!普段のお疲れ気味な様子とも違うのですが、何があったのか一向に口を閉ざしたままで……とにかく!早くきてください!
アヤネとアコ、別々の学園から、似たような話が出てきた。何かあったのだろうか……こうなると、いつもの事務作業はストップだ。
「アロナ、少し出掛けよう」
「了解です!いつも通りサポートしますよ!」
手元のタブレットに話しかければ、元気な声が返ってくる。さぁ、今日も頑張ろう。