『別れ』
ずるずると足を引きずるようにして歩いた。耳を通して定期的に流れるブザー音が煩い。目の前には私の出生を教えてくれた子供の一人。あとの二人は……必死だったから覚えてないけど、どこかで
「想定と少し違うけど、まあいいかな……これでQED。新たな神が産まれる」
私にその発言を疑問に思うだけの余白はなかった。大きく開かれた顎で一口にぱくり。味なんてわかりはしなかった。これは私の意志、喰っていく毎に私は私の機能を理解しつつある。これなら目的通りやれる。
私の中の人も傷つき表に出てこれなくなってる。今回は都合がいいけどね。そのまま歩いて歩いて、そろそろ眠くて倒れそうになった頃、私の目の前にやっと目当てのものがあった。オレンジ色の液体で満たされたカプセル、これは培養槽かな?その中に漂い眠る背の高い少女。間違いない、私の中の人の肉体だ。
「これで……」
培養槽に触れる。今の私ならこれで──
『何をしてるの?』
その時、目が覚めた中の人が何かをやろうとしている私に尋ねた。その声色は困惑を含んだ咎める声だ。それもそのはず。中の人はきっとこのまま肉体と一緒に消えるつもりだったのだろう。でも私の目的は少し違う。
『──ッ!?ダメ!やめて!』
それに気が付いて声を荒げるがもう遅い。私は触れる手を通して中の人を肉体に移す。
「死んだ人だって言ったけど、それは違うよ」
口の回らない私が初めてすんなりと言えた。こんな時にやっとか。タイミングの悪さに苦笑したくなる。
肉体があって意識もあるならそれは生者だ。消えるのは私一人でいい。なんか空っぽの肉体には余計なものが入っていたけどそれは私が持っていこう。
都合がいいことに培養槽の周りは底の見えない大穴だ。抱えて落ちればそのまま……
『それじゃ貴女だけが──』
不幸かな?私はそう思ってないよ。けして裕福とは言えなかったけど、明日には何があるのかを楽しみにする毎日はとても楽しかった。友達と食べるラーメンはおいしかったし、温泉開発部のみんなで食べる弁当はとてもおいしかった。だからいいんだ。
『リ──』
中の人を肉体に戻した。
小型潜水艦で深海に潜り、現れた深海基地に潜入した。中は痛いほどに静かで、何かの罠を警戒したが特にそんな様子もなく拍子抜けした。
「待て、戦闘した跡が残ってる」
周囲を警戒しながら先を急ぐ中、メンバーの一人、サオリが地面に散らばる機械の残骸を見つけた。弾丸に貫かれ砕けた装甲の破片、重い衝撃にひしゃげたパーツもあった。中でも目を引いたのは乱雑に千切られたものだった。まるで喰われたような跡を残すそれは普段にない異常を示すサインだ。
「……急ごう」
それを一瞥するホシノの顔は固い。一瞬よぎった悪い想像を振り切るように視線は基地の奥、自分の知る先輩がいるであろう奥へ。
どんなエンドがいいですか?
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ハッピーエンド
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ビターエンド
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バットエンド