飢えた犬と優しい鳥   作:上条@そぉい!

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第4話

『不審な依頼』

 

「はぁ?依頼ぃ?そりゃ構わねぇけど、また藪から棒っていうか」

 

 携帯越しに聞こえる声に怪訝な顔で応えるのはC&Cが誇るエース、ダブルオーこと美甘ネルだ。

 C&Cに依頼が来る事は珍しくない。前にも依頼で豪華客船に潜入した記憶がある。しかし、今回はネルの勘が普段と違うと告げていた。それゆえに怪訝な表情だ。内容は至ってシンプル。捜索依頼だ。それもミレニアムの郊外、立ち入りを禁じられた廃墟群でだ。

 

「またゲーム開発部が何かしたのか?」

 

 前にもゲーム開発部がそこでチビ──アリスを見つけたという話があったが、まだ何かあるのだろうか。

 しかし、電話相手はそれを否定する。と、なると全く見当がつかない。

 

「……詳しく聞かせろ」

 

 大股で椅子に座っていた姿勢を戻す。すぐに詳細を聞き終わり、電話を切ってネルは考える。

 

(どういう事だ?ヴェリタスから、いや実際はヒマリ辺りからの依頼なんだろうが)

 

 元々彼処には用途不明のロボットが徘徊し続けている危険な場所だ。こちらを見ると襲ってくる。その動きが最近少し変って話からの依頼だ。しかし。

 

「捜索ってのが引っかかるな……なんの特徴もねぇのに誰を捜索しろって?」

 

 もしや行方不明になったセミナーの会長か?それならそうとはっきり言うだろう。

 

「まさか似たようなヤツがいるんじゃねぇだろうな」

 

 冗談めかして言ってみるが、案外的外れでもない気がしてきた。

 

「……考えても仕方ねぇ、さっさと行くか」

 

 結局答えの出ない事を考えるのが面倒になって、思考を放棄。足を振り子のようにして反動をつけ勢いよく椅子から立ち上がり、依頼を遂行するため、C&Cメンバーに連絡、召集を掛けた。

 

 

 

「話は以上だ。なんか質問あるか?」

 

 現地集合でメンバーが集まり、ネルを前にそれぞれ立つ。

 

「リーダー、話が少し妙じゃない?」

 

 はーい、と挙手して質問するのは一ノ瀬アスナ。

 

「……まあな、私も思ってる。特徴すら伝えず捜索依頼たぁおかしな話だ。それも、見つけられなかったならそれでも構わないときた」

 

「何かの罠では?」

 

 室笠アカネがクイッとメガネの縁をあげ、キラリとレンズが光に反射させる。

 

「ヴェリタスがそんな真似するとは思えねぇが……ま、そん時はそん時だ」

 

 その時はその報いを受けてもらうだけである。そう結論つけてネルは仕事を前に、見る者を怯えさせるような笑みを浮かべ廃墟群へと足を運んだ。

 

「二手に分かれるぞ、カリン、アカネ。私とアスナだ。なんかあったら連絡」

 

「りょーかい!」

 

「了解」

 

「分かりました」

 

 

 

 廃墟群に足を踏み入れて数分、既にズタズタの残骸へと変わり果てたロボットを足蹴にしながらネルは眉を顰めた。

 

「確かに動きが妙だな、こいつら」

 

 撃ち合いながらも、ロボットは殲滅ではなく、防衛を意識した動き方をしていた。それはこの先に何かあるという事、つまり──

 

「その何かを探せって事かぁ?面倒だな」

 

 せめてヒントくらい寄越せ、と愚痴りつつも、奥から追加のロボットが出てくると再び戦闘が始まる。

 飛んでくる銃弾を避け、障害物に身を隠しながら相方のアスナに銃声に負けないよう声を張り上げ尋ねる。

 

「お前の勘はなんか反応あるか!?」

 

 そう尋ねれば、障害物の向こうから声が返ってくる。

 

「何かある気がしてるよー!ただ、常に移動してるような気もする!」

 

「オッケー!だったらそれ探すぞ!コイツら片付けてさっさと移動だ!」

 

 障害物から飛び出しながら両手の銃を複数のロボットに向けて乱射、そのまま突撃して目の前のロボットに飛び膝蹴りで弾き飛ばした。

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