飢えた犬と優しい鳥   作:上条@そぉい!

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第9話

『日記その5』

 

 ×月%日

 めぼしい依頼がない。今まではどうにかこうにかめちゃくちゃ安い報酬だろうと受けていたけど、ついにそれも無くなったらしい。こうなるとただでさえ極貧だというのに、何も出来なくなってしまう。どうにかならないのかと聞いてみたら、それなら直接依頼を探してこい、と言われた。まあ、それしか方法はない、か。

 

 

 ¥月○日

 うぅ、あれから結構経ったけど依頼は見つからない。乾パンすら買えなくなりつつある。これはよろしくない。またあの機械を食べるのは嫌だ。

 

 

 %月☆日

 とうとうお金が尽きた。床にへばりつくように日記を書いてるけどこれからどうしよう……うぅ、腹の音が鳴り止まない。

 

 

 *月+日

 ふらふらしながら仕事を探していたら、優しい人たちに出会った。なんでも温泉を探す冒険をしているらしい。こちらの事情を話したら、手伝ってくれるなら三食部屋付きで雇うと言ってくれた。あなたが神か。えーっと、名前が確か……鬼怒川?なんかそんな風な感じ

 

 

 $月%日

 この人たちとの仕事はとても楽しい。みんな明るいし、あまりコミュニケーションを取れない私相手でも気にしない大らかさがある。しかし、あちらこちらに向かっては穴を掘るけど、何か確信があるのかな?掘っても温泉が出ないことが多いのだけど……それを聞いてみたら、出ないなら出るまで掘るんだ!とのこと。うーん、哲学。

 

 

 ¥月☆日

 この人たちとも仲良くなれた。今では視線だけでなんとなく何が言いたいのかを察してくれるから、凄く楽だ。一仕事を終えた後に、地べたに座って食べる弁当が美味しい。あと私に名前がないと知って、鬼怒川さんが名前をつけてくれた。なんでも食べてしまうから『大神リル』だそうだ。なんでそうなるのかは知らない。

 

 

 $月〒日

 あの人たちと別れてしまった。逃げ切れただろうか、それだけが心配だ。何があったかというと、噂の風紀委員というのが来て、こちらを捕まえようとして来たのだ。私を助けてくれたこの人たちを捕まえさせる訳にはいかなかったから、私が1人で食い止めた。

 噂の風紀委員長とも出会ったけど、こちらの顔を驚いた顔で見ていたのが気になる。私もほどほどに足止めをして逃げたけど、これからどうしようか……あぁ、ダメだ。お腹の血が止まらない、眠い(判別不可能な文字が続く)

 

 

 ♪月〆日

 目が覚めたら、そこは何処かの事務所だった。起き上がると、自分はソファの上で寝ていたようで、気絶する前まであった倦怠感は無くなっていた。

 そこで出会ったのは便利屋を経営しているという4人組だった。みんな個性的で明るそうだ。助けられた礼をする、と言ったら「ふっ、見返りを求めて助けたつもりはないわ!」と返された。

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