さあ、セシリアお嬢をひどい目に会わせて彼女が見せる輝きを愛でるぞ
といいつつ今回ほぼ説明回で次回なのはすまない。
読者諸氏に私こと作者はもう一つお詫び申し上げなければならない。
第一話では世界観の説明をするのが鉄則であるのに原作ラスボスの改心と主人公にいきなり子供ができる一部始終に終始したのは私のミスだ。
差しあたって今作はIS原作未読を前提に執筆しているのは作品情報にある通りである。
謹んでお詫び申し上げます。
今後は初見さんに見てもらう事を意識した作品作りを徹底します。
それはそれとして今回も地の文は説明ばっかです。申し訳ありません。
それでは本編どうぞ
見た方が楽しめるリンク タイトルの元ネタ
https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88
俺、織斑一夏。
何の因果かISを起動できる身の上に産まれちまって24時間監視生活。
そして学校から帰れば護身術からISの操縦迄みっちり仕込まれて遊ぶ暇がない。
なぜかと言えばISに対する絶対命令権コード
最もコード
そもそもコードとは篠ノ之束、山田神鉄、織斑千冬の開発者のみが持っている絶対権限である。織斑千冬のコード
俺と同じパーフェクトクローンを作って、コード
ISに乗りたいなら、普通に女性操縦者の操縦するISか後述のISFの客室に乗ればよい、という方が自明であった。
それはそれとして強化人間製造時に織斑千冬の遺伝子を完全に再現した男性操縦者の製造の禁止は密約として主要国家に締結されたのだが。
だがそんなことは良い。高校生になったことで男性操縦者特例法が適用されてついにシミュレーションではなく実機に乗れるんだ。
強者が操縦すれば連係次第では国家代表の駆るISでも落せる男子の憧れのアーマードストラトスファイター(軍事用IS技術転用戦闘機、以下ISF)を駆れるんだ。
しかも通常では遠隔でタイムクリスタル同士の量子通信を行い、あくまで通常の範囲での脳波操作と操縦操縦のISFとは異なるんだ。ISと同じくコアとダイレクト・モーション・システムを用いて手足のように動かせる特注の有人仕様。俺専用の特注機。男子のロマン。
ISコアからの脳への負荷に男性は耐えられないからこういう手をとる通常のISFとは違う、殆どIS。違いは脳波通信より操縦桿の操縦が優先されるだけ。
俺の灰色の青春、いや結構なんだかんだ友達とは遊べたし訓練の合間合間に自衛隊の人たちはめっちゃ良くしてくれたが、報われるってもんだぜ!
「陣内義兄さん、いえ、陣内特務一佐、自分の愛機はどこでありましょうか」
中学校から帰ると学ランを脱ぎ捨ててISスーツ、簡易的な耐Gスーツとパイロットの生命維持から表皮へ貼るセンサー代わり、おまけにISが撃破された際にそのまま生命維持服及び戦闘服のインナーになる優れモノ、を急いで着る。
右手首に光る銀の腕輪はフィッティングリングだ。IS乗りの証であり、ISとの融合率を高める。ISに乗れるならだれでも使えて、スマホ代わりにも使える。量子通信を使用するから通信にタイムラグが無い上に充電の必要がないからだ。
そしてキャットウォークへ飛び出ると美形だが顔に斜めに傷が入っている、それでも確かに歴戦の兵士しか出しえぬ落ち着いた雰囲気の、男の人に声をかける。
「一夏君、舞い上がるのもほどほどにしたまえ。実機搭乗が許可されて天にも昇る気持ちなのは分かるが、ケガをされたら千冬に申し訳が立たない」
「いや千冬姉を貰って貰えるだけで感謝しかない、っていうのは今は良いんですよ、俺の実機はどこですか」
「そこの第一倉庫だ。驚け、ISだそうだ。納期が繰り上がったんだそうだ」
「ほんとですか、やったあ」
ISとISFとの違いは様々あるがさしあたっては出力が段違いだ。陣内さんのような特例を除いて遠隔通信や完全な無人私用ではISコアは完全な力を発揮できない。同量のタイムクリスタルを使っても、ISの方がざっと三倍ほどになる。
それと人型であるからパイロットの武術を最大限発揮できる。
何よりシミュレーター上だが飛んでる感覚が最高だ。空を切って飛ぶ感覚はISFでは味わえない。
「つまり君は最強の翼を手に入れたって事だ。さあ俺と飛ぼう。初飛行の際のエスコートの役は悪いが譲る気はないぜ」
陣内さんががっと肩を組んでくる。こういうフランクなところに千冬姉は惚れたんだろうな、と思う。
なお山田神鉄は育児で忙しい時に織斑千冬から神鉄の種を自分が産むか、と言ったら陣内さんが暫く離してくれなかった、とダシにされて廃人と化した。
「そんな、人内の人外とまで言われた貴方にエスコートして貰えるなんて、弾が知ったら羨ましさのあまり憤死しそうですね」
日本国の最強戦力の一角を担う彼に教導して貰ったのは本当に誇っていいだろう。
「さあ行きましょう。俺の愛機を見に」
「ああ、ほれ」
倉庫の前まで移動して陣内さんと整備兵の人がガラガラとシャッターを開けてくれる。
「どれだろうなあ、要所死守型の打鉄か、それともマルチロールのラファールか、格闘機のテンペスタか旋回性能のファング・クェイクか」
シャッターが開き、スパイ防止用の遮光幕が開けられた。
馴染みのあるコクピット
卵の形をした丸い黄色い流線型のボディ。
ミサイル発射孔だらけの翼。鳥の羽毛の一枚一枚がかさなっているような。
先端にはビームドリル発信機、ビームスクレイパー。
そして地面に頭が付きそうなくらい頭を下げてる神鉄さん。
そう、俺のイケイケの愛機は…、
「パーフェクトグルドリンじゃねえかあ!、いや子供のころから見ていたから嬉しいけどさぁ…」
膝から崩れ落ちる俺と駆けよる神鉄さんと、大爆笑で笑い転げる陣内さん、それが俺と愛機との出会いだった。
そしてそこに現れたぴっちりISスーツの上にツナギとタイトスカートを履いた清楚なお嬢様が
「神鉄おじさま、セシリアが参りましたわ~、どうしましたの」
イギリス国家代表候補生、セシリアさんだった。
場面転換
「一夏君、本当に済まない、某の監督ミスだ」
「いいですよ神鉄さん、束さんが物理的に10ヵ月も雲隠れしていてその間に専用機作ってたなんて誰も想定しないでしょうし」
「まあ技術職の某から説明させてもらうと束も君の専用機の白式は完成させていたんだ。
ただ、万物を消滅させる零落白夜、それを第三世代兵装として実装したのはすごい。
その無理がたたって燃費は10分も稼働できず、それ以外の追加武装の一切が不可能。操縦系も遊びが一切ない玄人オンリー仕様であることだから、とてもじゃないが素人の一夏君の護身用じゃない」
「それはその、心から同情いたしますわ。いやティアーズタイプもとがった仕様が多いですが、ここまでではございませんわ。
あ、おせんべいいただけますでしょうか。自衛隊の来賓室の煎餅はとても美味しいですわね。オルコット家の特製スコーンも如何ですか」
「そうだな、頂こう。実にスコーンは番茶に合うな。
だがあのパーフェクトグルドリンならば大丈夫だ。俺がシミュレーションでぶん回した感覚では狭いアリーナ内でも十分以上に戦える傑作機だ。
まったく、とんでもないバケモンを作ったよ神鉄は。俺の明梅も最新鋭の技術はじゃぶじゃぶ使われてるがここまでの精密旋回性はないぞ」
本当か、と一夏は思った。同時にパーフェクトグルドリンならばそれくらいはやってもらわねば困るとも感じた。多くの玩具メーカーがISに自作品のロボットを登場させる事を推奨していることが多いのは商品の販促のためだが、一ファンとしては素直に嬉しい。
ガンダムAGEに登場する偉大なる撃墜王、ファントム3のゴドム・タイナムが惚れ込んだグルドリンの完成系の名を冠するならば、初心者を生かして返す傑作機であることは最低限の絶対条件であるのだ。
「元々は一夏君の専用機、開発コード白式のアーマードオークトチュールだったんだ。経験の浅い一夏君が襲われた際確実に逃走できるようにな。故に白式がダウンした場合に備えてこれ単体でもISとして運用できるように独自のコアを備えたものとなっている。コア出力に至っては白式より上だ」
「それを俺が徹底的に操縦系を洗練させた。一夏君が使っていた、わが軍の練習機バージョンの野菊に操縦系統は完全に合わせてある。12個ある翼の羽に似たユニット一枚一枚が打鉄のメインの姿勢制御ユニットと同等の性能だ。アリーナ内でも十分曲がれる。
生存系と武装に関してはこれからの模擬戦相手であるセシリア嬢にはまだ秘密だから更衣室で話そう」
「そこはイケズですわ神鉄おじさま、陣内特務一佐」
「はいはい、取り敢えず一旦話題は転換だ。ではセシリア君問題だ。ISの大まかな世代別の違いと、アーマードオークトチュールの必要性を説明できるかな」
「はい、できますわ」
セシリアさんが伊達メガネをかけてホワイトボードを押して戻ってきた。脹脛が健康的でエッチだなと一夏は思った。
「まず神鉄おじ様の愛機の蛭子の様な、白騎士、黒鍵、暮桜、月兎、これらの篠ノ之束博士が作った第零世代は除きますわ。篠ノ之博士の技術の粋を集めて作った最強のISたちですから。時代に合わせて最高の技術が乗り手に合わせて惜しみなく投入されております。
ISは乗り手になじめば馴染むほど進化しワンオフアビリティという概念武装を発現させていきますわ。これを発現したISこそ国家代表のIS、乗り手の技量を相まって地球を叩き壊せる一騎当千の騎士ですわ。
対抗するにはそれこそ核融合クラスター爆弾の飽和攻撃を陣内さんクラスのISFが行うしかありませんわ
故に優秀な乗り手に合わせた専用機こそがISの前提条件なのです。
ですが哨戒任務や医療ポッドや発電や演算システムとして使う際、そもそも訓練機などは専用機処置を行わずフィッティングリングで乗り手に合わせますわ」
コホン、セシリアさんが咳ばらいをする。俺の視線が気になったのか、なんて柄にもなく自意識過剰な事を考えてしまう。
照明を吸い込むような白い肌が綺麗だ。使っているのはいい化粧水だろうか、千冬姉もまねてほしいものだ。あの姉は漸く朝に化粧水を使い始めたから、とぼやきそうになる。
「話を戻しますわ。
まずは第一世代IS、量産されたISのプロトタイプですわ。あくまでISを篠ノ之博士の力を借りずにライセンス生産する為の機体ですわ。殆ど生産されず、そのまま第二世代ISの素体となりましたわ。
第二世代、パッケージという追加兵装を換装することであらゆる状況に対応するISですわ。打鉄やラファール、テンペスタなどこの世界の数的主力はこれが担ってますわ。
最も、第二世代までは神鉄おじさまが基礎理論は完成させており、各国はそれを習熟する為の機体、でもあるのですけど」
そしてセシリアさんがお茶でのどを潤す。番茶を茶碗で飲んでいるだけなのに実に絵になる。
「次に我々が鋭意開発中なのが第三世代ISですわ。コアと乗り手の融合係数と絆が極限まで高まると発生するワンオフアビリティを兵装として実装することが目的ですわ。
最も現状は搭乗者のイメージ、脳も演算装置に使用する都合、結局第三世代兵装もかなり乗り手を選びますわ」
さて、と優雅にセシリアさんが白魚の様な指を合わせる。
「オークトチュールとは専用機に与えられる専用のパッケージの事ですわ。概ね本気を出す時の装備であってますわ。国家代表かそれに準ずる凄腕にしか与えられませんわ。
アーマードオークトチュールとはISは人型であるから人の力を拡張出来るのですが、極限環境下や高機動戦闘時などでは人型でない方が好ましい方がありますわ。。そういう時の為にISを覆う人型でないオークトチュールの事ですわ。
そもそもオークトチュールはコアを持たないのですが織斑さんのにはコアがありますわ。
ですのでもう一機ISを受領したようなものですわね。羨ましいですわ」
「いや、分かりやすい話を有難うオルコットさん。一夏でいいぜ。流石国家代表候補生だ。ティアーズタイプは前から気になっていたんだ。あとで一戦交えられるのかな」
「その心意気ですわ。胸を貸しましょう」
セシリアさんが胸を張る。ツナギに包まれたISスーツを押し上げる胸がたゆんと揺れた。
俺の視線はセシリアさんの中くらいで形のいいバストに釘付けになった。
ふむ、なかなかいいものをおもちで、って俺は何を考えてるんだ。
目線を上に上げるとセシリアさんの顔が真っ赤になっていた。
助けを求めて周りを見渡しても大人二人はいつの間にか姿を消していた。
同じように周囲を見渡していたセシリアさんがメモ書きを見つけた。
「ヒトロクサンマルに第一倉庫に集合?もう時間がないじゃないでありませんか」
「そうだなセシリアさん、とにかく急ごう」
「私もセシリアで構いません事よ」
片付けもそこそこに俺たちは足早に倉庫に向かった。
そのころの神鉄
「楔、これがISだ、かっこいいだろう。打鉄をベースに一夏君が乗りやすいように殆ど全部新造だ。なになにおむつか、いいだろうよ」
一夏君の専用機の製造とグルドリンの最終調整で修羅場は修羅場だが赤ん坊を寝かしつけていた。
篠ノ之束の両親が駆けつける迄神鉄はISを作りながら子守をしていた。一夏君がパーフェクトグルドリンに乗り込んだときは事務のおばさんに任せた。後日コーヒーの詰め合わせを持っていった。
「いやー睡眠時間ゼロでもいけるナノマシンの体で助かりましたわ。寝る暇なかったですもん」
後書き 書いても書いても説明パートが終わらない。地の文が長い。
次回、今度こそセシリア大奮闘、貫けインターセプター
ティアーズタイプの格闘能力の低さにキレた神鉄が開発責任者と殴り合い宇宙を演じたのも昔の話だ。