遊園地内で楽しんでいる薫と初春は、休憩のためベンチに座っている。初春は鞄から弁当を取り出した。
「弁当…作ってきたんですけど…」
「奇遇だね。実は…」
黄金蝶が発生すると、弁当が出現する。初春はクスリと笑っている。
「その演出いりますか?」
「……笑うこと無いだろ。お兄ちゃんに頼んで、教えてもらって…作ったんだけど…」
「ありがとうございます。薫さん!」
弁当を交換して食べ始めるが初春が噎せた。フライはちゃんと作れているが、他の揚げ物は焦げていた。
「フライ以外は少し焦げてますね。」
「……料理難しい。」
珍しく薫が落ち込んでいるのを見て、初春は何かフォローをしようとするが、何も思い付かない。
「今度、一緒に料理しませんか?」
「………予定がなかったら。」
弁当を食べ終えた初春と薫は、遊園地内を歩き回りながらどれに乗るか考える。
「観覧車に乗りませんか?」
「観覧車……」(言わないとダメだよね。)
「どうですか?」
「最後だし…乗ろっか。」
観覧車のゴンドラ内では、初春が緊張していた。
(何話せば良いんだろう!?)
薫は外の景色を眺めながら、これから言うことを決心して、初春に声をかけようとしたら…
「薫さん…実は私…貴方のことが…」
初春が言い終わる寸前に、上空から無数の黄金蝶が突如、発生すると学園都市全体を包み込むように飛んでいった。薫はありえない現象に目を見開いている。
「あれは…何で!?」
「薫さん…あの現象は…」
「黄金蝶が…学園都市全体に…」
ゴンドラが下りてくると、薫は出ていって突如発生した黄金蝶を目の辺りにする。
「初春さん…今日は楽しかった。ごめんだけど…寮までは送れなくなった。」
薫は電話を掛けて、アレイスターに発生した黄金蝶の現象について説明を求めた。
「どうなってるの?」
『すまない。今回の件は、私の思惑ではない。』
「僕の能力サンプルデータは、木原先生にしか渡していない。プランに必要なものだからと聞いたから、提供したんだ。説明をしてくれるんだよね?」
『手配した車に初春飾利を乗せて、君は私のところまで来なさい。』
「わかった。」
電話を終えると、初春が何かを言いたそうにしているが、それを言う前に薫が言った。
「ごめんだけど…当分は、初春さんと会えないかもしれない。少し、用事ができた。」
「え…」
アレイスターが手配した車が来ると、初春を乗せようと男性の1人が言ったが、乗ろうとしなかった。
「薫さんは…」
「ごめん。」
薫は初春を抱き締めると、首筋に麻酔針を刺して眠らせると、車に乗せた。
「この子を寮まで、送ってください。」
「畏まりました。」
初春を乗せた車が走り去っていくと、薫は急いで窓の無いビルに向かうのだった。その頃、上条は無数の黄金蝶の現象を目の当たりにして、右手に力をいれる。
「あの黄金蝶の発生は…薫が原因じゃない。急いで、やらないと…」
上条は無数の黄金蝶を追って、走っていったのだった。