翌朝。荷物を準備した薫は朝食を食べ終えると、上条から常盤台学生寮まで、着いてきてもらった。
「薫、学生寮に行っても頑張れよ。」
「お兄ちゃん…」
学生寮に到着すると、寮監の女性が出てきた。
「上条薫だな。統括理事長から連絡は受けている。」
「上条薫です。今日からよろしくお願いします。」
「薫の兄です。薫のことよろしくお願いします。」
寮監は上条を見て、「わかりました」と言うと、薫を部屋まで案内した。
「今日からこの部屋を使いなさい。ルームメイトも、後で紹介する。」
「ありがとうございます。」
「よろしい。寮内での規則だが…能力の使用は原則禁止、夜8時が門限だ。守らなければ、ルームメイトも連帯責任になるから気を付けろ。」
「わかりました。」
寮監から常盤台の制服を渡されて、それを受け取った薫。
「休日に関しては、理事会から聞いている。私にバレないようにすることだな。外泊する場合は、1週間前に伝えるように…以上だ。」
寮監が部屋から立ち去ると、薫はベットに寝転んで、考えことをする。
(アレイスターは何で、私を学校に行かせたの?何か考えがあるはず…黄金蝶の件もあるのに…)
暫く考えていると、寮監が部屋に入ってくる。ルームメイトを紹介するようだ。入ってきたのは、なんと絹旗だった。常盤台の制服を着ている、
「ルームメイトになる絹旗最愛だ。仲良くするようにな。」
寮監は薫の頷きを見て、納得したのか部屋から立ち去る。
「超薫は中学生なんですね。」
「え…絹旗さんも、常盤台だったの?」
「書類上はそうです。ルームメイトで、超嬉しいですよ。」
「僕もだよ。今日からよろしく…」
絹旗と薫は部屋で親睦を深めている頃。同じ寮内にいる御坂と白井は、寮監と会話をしていた。
「今日から2人新しい寮生が入ったから、面倒を見てやってほしい。」
「わかりました。名前を聞いても…」
「上条薫と絹旗最愛だ。1週間の間でいい…」
「大丈夫ですの。」
御坂と白井は寮監室から出ると、最近元気がない初春のことを話す白井。
「そうなの…そうだ、心配だから何か差し入れ買ってくるわ。」
「初春のあの落ち込みようには、心配になりますの。」
「でも、上条…まさかね?」
部屋で過ごしている薫と絹旗は、常盤台で出されている課題を終わらせて、欠伸をしている。
「超暇そうですね。」
「元々は暗部の仕事で、学校に行ってなかっただけだから、好きな男装も出来たけど…制服は苦手だよ…絹旗さんはアイテムはどうなったの?」
「今は暗部の仕事もないので、統括理事の方から超学校に行くようにと…勿論、黄金蝶の殲滅任務が入れられました。」
「それは助かるね。」(アレイスターも一応、考えてはいるのか。なら、アイテムメンバーの絹旗が、学校に通う理由は?)
アレイスターの行動が怪しいため、頭を悩ませている薫。絹旗は腕時計を見る。まだ、10時になったばかりだ。
「超薫…折角、同じルームメイトになったので、出掛けませんか?」
「そうだね…出掛けようか。でも、男装できない…」
「第10学区に行きませんか?遠いですけど、超映画館もありますから…」
「…わかった。学生寮から出たら、能力使えるし…今から行く?」
薫に聞かれて、笑みを浮かべる絹旗は頷いている。準備をすると、学生寮を出て向かっていった。
とある高校の休憩時間に、上条は学校内を歩き回り、黄金蝶を右手で打ち消していた。
(黄金蝶の発生が少なくなってきたな。偶然か?それとも…意図的に誰かがしているのか?)
窓の無いビルでは、アレイスターが学園都市内のモニターで、黄金蝶を観測していた。
(AIM拡散力場と黄金蝶が組み込まれたか。この瞬間から、この黄金蝶は何らかの意思をもって行動する。魔術で言うなら…術者から離れた獣は…もう、誰にも止めることはできない。幻想装飾とは、別物となった。)
アレイスターは観測を続けるのだった。