第18学区の路地裏にいる薫は、アレイスターより依頼を受けて、無能力者武装集団の壊滅任務をしている最中だが、能力者が紛れ込んでいたようで、戦闘中である。
(あの集団は壊滅させたけど、能力者がいるなんて、聞いてないよ。)
「よく俺から、逃げれたな。」
「逃げ足には、自信があるからね。」
右腕に刺青をしている少年は、笑みをしながら、地面に触れると、金属の剣を錬成した。
「君の能力は金属操作系統能力者かな?」
「正解だぜ。俺は金属錬成、レベル4だから、操れても、触れないと操れねえがな。」
(金属操作系だから、地面に含まれている金属も操れる。僕と相性が悪すぎる。)
薫の基本戦法は、幻で相手を油断させてから攻撃するが、相手が金属操作系のため、金属さえあれば、武器の補充が可能となる。
「攻めに来ないのか?幻覚、幻系統能力者。」
「情報が流れるのはすぐだね。」
薫は無数の黄金蝶を発生させると、刺青の少年に銃で発砲するが、咄嗟の判断で銃弾を避けてから金属の剣で斬りかかってきた。
「危ないな。」
銃で発砲し続けながら、刺青の少年と距離を離すが、相手はそのまま追い掛けてくる。
「しつこい…」
「逃げ足が早い…なら、これは避けられるか?」
金属の剣を横に振ると、剣の金属の刃が飛んできて、薫に襲い掛かった。
「危な!?金属の剣から刃が飛ばせるとか…ずる!」
「金属なら触れてさえいれば、刃を飛ばせるんでな。」
「なら…取り囲むか。」
黄金蝶が薫の姿になり、刺青の少年を取り囲んだ。流石に目を見開いている。
「分身とか…」
「降参するなら…生かしてあげるけど…命令されているのは、過激派の無能力者の殲滅だから。どうする?」
「………降参するよ。分身されたら、流石に無理だわ。」
薫は取り囲んでいる分身を消すと、後ろに向いて歩いていく。その隙に刺青の少年は、金属の剣で薫を刺そうとするが、銃声がして、刺青の少年は肩を撃ち抜かれた。
「な…!?」
「そう来ると思ったよ。実は君の目の前にいる僕は、偽物でね。」
刺青の少年の前にいる薫が、黄金蝶となり姿を消すと、後ろから銃を向けている薫が話し掛けてきた。
「どうやって!?」
「黄金蝶の発生時にちょっとね。君の敗因は…黄金蝶の動きに気づかなかったことだよ。悪いけど、君には死んでもらう。」
薫は銃を頭に突き付けると、引き金を引く寸前で、土御門の声が…
「上条薫…そいつを渡してもらおうか。」
「土御門元春…話は聞くよ。その前に…一方通行も、出てきてくれないかな?隠れてるんだろ…」
建物の屋上から落下してきたと思ったら、クレーターを発生させて、登場してきたレベル5第1位一方通行が薫を見ている。
「やっぱり、バレてたか?黄金蝶の動きが、邪魔だと思ったらヨ…」
「残りの2人はいないみたいだね。」
「別任務でな。その金属錬成は俺達の獲物なんだ。渡してくれ…」
土御門の言葉に薫は銃の引き金を引かずに、理由を聞いた。
「簡単に言えば、アレイスターから始末を頼まれた。もし、渡さなければ…お前を殺す。上条当麻の妹を殺すのだけは、嫌なんだよ。俺は上条当麻の友達なんでな。」
「俺はどうでもいいが、コイツと同じ意見ダ。三下の妹なら尚更な…」
「降参だよ。一方通行と戦うのだけは避けたい…」
薫は土御門に引き渡すと、銃を懐にしまった。
「それにしても、学園都市の闇は深いよ…僕は帰るね。」
帰ろうとしたら、土御門に止められた。何か聞きたいことがあるようだ。
「どうして…お前が闇に来てるんだ?」
「土御門元春には関係無い。これは、僕だけの問題だ…」
薫は無数の黄金蝶を発生させて、姿を消した。
「………帰るぞ。一方通行…始末は頼んだ。」
「わかりましたヨ…」
刺青の少年を始末すると、撤退した。