とある科学の幻想装飾   作:ノック

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男子学生寮に住んでいる上条当麻は、朝食の準備をしていた。今回の朝食は、ハムエッグとトーストである。

 

「さて、朝食の準備は出来たとして…起こしてきますか。」

 

ベットに布団を被って、眠っている薫を起こす上条。だが、眠いようで中々起きようとしない。

 

「朝食が覚めてしまうぞ。」

 

「ん……お兄ちゃん…起こして…」

 

薫が両手を出すと、上条は手を掴んで起き上がらせようとするが、逆に抱きつかれてしまい、なんとか踏ん張って、座らせた。

 

「お兄ちゃん…おはよー」

 

「上条さんが作った朝食を食べような。」

 

「私も、上条だよ。お兄ちゃん…」

 

テーブルに料理を並べる。薫はハムエッグを見た瞬間、目を輝かせている。ハムエッグが大好物なのである。

 

「ハムエッグだ!」

 

「最近のお金に余裕ができたから。助かってますよ。それに比べて、上条さんは…」

 

「お兄ちゃんは悪くないよ!私の能力なんで…幻想を見せるだけ…何の役に…」

 

泣きそうな薫を上条は、優しく抱き締める。

 

「お兄ちゃん?」

 

「薫は役に立ってるよ。俺に…優しい幻想を見せてくれてるじゃないか?その幻想は、俺は壊したくないよ。」

 

薫の頭を撫でると、やっぱり泣き出してしまった。

 

「折角の朝食が冷めちゃうぞ。」

 

「……それは嫌だ。いただきます。」

 

「今日は垣根さんの仕事の手伝いか?」

 

「うん…荷物運びと…幻想を見せる仕事…」

 

薫が朝食を食べ終えると、出掛ける準備をしていると、上条から弁当箱を出された。

 

「職場の皆の分もあるから、食べてもらえよ。」

 

「……ありがとう。」

 

「薫の能力は、皆に優しさを与えられる。それを忘れるな。」

 

「……行ってきます。夜に帰るね…」

 

薫は学生寮を出ると、近所の公園に到着する。携帯を取り出して、垣根に電話を掛ける。

 

「……僕だよ。今日の仕事は?」

 

『幻想装飾。今日も早いな…いつもの場所で、9時だ。』

 

「わかった。それと、お兄ちゃんが皆に、弁当用意したけど…食べる?」

 

『………持ってこい。忘れたら殺す。』

 

「良いよ。また、あとでね。天使君…」

 

『天使君はやめろ!』

 

電話を切ると、集合場所に向かう薫の姿を何者かが、目撃したがすぐに姿を消した。上条は朝食を食べ終えると、出掛ける準備をしながら、薫の服装に疑問に思った。

 

 

(薫の服装…男装だよな。そういえば…毎回、女の子にモテてたよな?薫は…まさかな。)

 

 

 

 

 

 

集合場所に到着した薫は、垣根を発見すると近づいた。

 

「遅刻はしなかったようだな?」

 

「……毎日、してないよ。残りの2人は?」

 

「当分は別任務だ。」

 

薫は弁当箱を垣根に渡すと、黙って受け取る。今回の任務を説明した。

 

「学園都市の能力数値データを盗んだ研究員の処刑だ。外部に持ち出そうと、企んでいる。」

 

「敵の人数は?」

 

「15人。もっと、増えていると思うがな。お前の仕事は…」

 

「……敵の数人に、幻想を見せて、自爆させること…」

 

垣根は笑みを浮かべるが、薫は無表情を貫いている。感情を出していない。

 

「お前が働いている限りは、幻想殺しに手は出さねえよ。お前の幻想装飾と俺の未元物質(ダークマター)を組み合わせれば、最強だからな。」

 

「僕は…幻想を視させるだけだ。天使君みたいに強くない…なんで…僕は、レベル5なの?」

 

「全く…毎回、泣き虫だな。言っておくが、俺は仲間には手を出さない。そいつが裏切らない限りは、殺しもしない。お前がレベル5なのは、学園都市に利益があるからだ。それを忘れるな…」

 

垣根と薫は車に乗り込むと、運転手が車を走らせて、指定された場所に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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