窓の無いビルから出ていった薫は、重い足取りのまま学生寮に戻ってきた。そのまま部屋に入るとベットに寝転がった。
(私はどうすれば…能力生命体…リオの能力は危険すぎる…でも、お兄ちゃんはその存在を必ず認める。)
暫く考えているうちに眠ってしまった。絹旗が部屋に入ると薫が眠っているのがわかると、起こさないように椅子に座る。
(超薫は最近…無茶してますね。例の件で学園都市内を調べてますから…どうしたら、大人しくなりますかね?)
絹旗は溜め息をすると、組織用の携帯にメールが来ている。麦野からだ。
(……超久し振りに暗部の仕事ですか。内容は…能力生命体…リオの抹殺任務…ん?能力生命体…超何ですか?)
絹旗は疑問に思っているが、麦野との待ち合わせ場所である喫茶店に向かうことにした。
「絹旗、遅いわよ。」
「超久し振りですね。滝壺さんは?」
「能力の関係上、留守番よ。垣根からターゲットに関する能力を教えてくれたわ。」
麦野からリオに関する情報を教えられた絹旗は困惑している。
「絹旗のその表情はわかるわ。能力の特性を組み合わせる能力に、勝てるとは思わないしね。でも、今回は失敗しても報酬は出るそうよ。」
「超意味がわかりませんね。報酬が出るならやりますけど…」
「ターゲットは研究所にいるらしいわ。」
麦野と絹旗はリオがいる研究所に向かったのだった。その研究所は人通りが少ないため、襲撃しやすい。すると、リオが研究所から出てくる。
「………何か用?」
リオは金の翼を出して、飛ぼうとしている。
「悪いんだけどさ…殺されてくれる?」
麦野は黄緑の光線をリオに発射すると、黄金蝶を発生させると、光線が黄金蝶に命中して消滅した。
「私の能力で、黄金蝶倒せるのね。」
「貴女も…私の邪魔するんだ…」
リオは麦野に黄金蝶を飛ばすと、黄緑の光線を発射させるが、黄金蝶に命中する寸前で爆発。爆風が麦野に襲い掛かる。
「な!?」
爆風で麦野が吹き飛ばされる寸前に、爆風が散った。目の前には、一方通行が立っていたのである。
「一方通行…なんで!?」
「アイテムだけで、アレを倒すのは…無理がある。オレも協力してやるよ。」
「……私の邪魔をしないで!」
金の羽を一方通行に発射するが、命中する寸前で反射された。リオは金の羽を避けた。だが、反射されたことに驚いている。
「オレの能力はベクトル変換。いくら能力の特性を組み合わせても、存在する力の向きならオレには、通用しねえ!」
「く…なら…」
再び金の羽を一方通行に向けて、発射させるが反射されてしまった。
「…未元物質に光系統能力を組み合わせたか…既に、この手の能力は、解析済みなんダヨ…」
「そんな……」
リオは焦りながら、一方通行を見ている。ゆっくりと歩いて近づいてきた。
「まさか…もう終わりなのか?期待して、損シタゼ…なら…終わらせてやるよ…」
一方通行が右手で、リオに触れる瞬間…
「貴方がね…」
リオが零距離で黄金蝶発生させて、一方通行に軽傷を負わせた。
「な…テメエ…何しやがった!?」
「ベクトル変換と光系統…で、黄金蝶を発生させただけだよ?効くか、わからなかったけど…」
リオは中に浮くと、言い放った。
「時間の無駄だった…邪魔は許さない…」
黄金の輝きと共に、姿を消した。
リオは第7学区のビルの屋上に姿を現すと、疲労が出てきたようで、立ち上がれる状態ではなかった。
(なんとか…逃げ切れた…まさか、私の能力が一方通行に殆んど効かないなんて…)
疲労で能力を余り使えないので、仕方なくこの場で休憩することにした。
(黄金蝶を飛ばしたら、奴等にバレなかねない。私の目的は……人を探しているだけなのに…)
悔しい表情をしつつも、ビルの屋上から外の様子を確認して、問題ないとわかると休憩を続ける。
(これなら…能力が使える。)
リオは黄金の光と共に姿を消した。