学園都市の大文化祭まで残り1カ月。上条のクラスでは、家庭科室で模擬店に出す料理の試作品を作っていた。料理をするのは基本、上条だが…
「土御門、簡単にタマゴサンド作ってみたぞ。」
「これは美味そうだぜよ。」
「皆に配れよ……何で、俺が料理担当なんだよ?」
不服そうにしつつも、料理を続けている上条に土御門が苦笑している。クラス投票で、上条に決まったのが原因である。だが、それだと上条に悪いので、1日目前半、2日目後半、3日目前半の3つだけとなった。
上条が作った料理をクラス生徒が試食しながら、感想を言い合ったりしている。
「上条料理が完璧なんだよ!?」
「かみやん、何処に嫁いでも、文句言われへんな。」
「……上条君、料理美味しすぎるんだけど…」
男子だけでなく、女子からも言われている。上条は「タマゴサンドで、大袈裟すぎないか?」と小さな声で呟いているが。
「どうして、上条ちゃんは料理が上手なんですか?」
「毎日やってたら、出来ましたよ。学園都市に住む前から、料理してたし。」(その時の俺は、親を心配させたくなくて、料理してたんだよな。)
上条が学園都市外にいた頃を思い出しながら、皿洗いをしている。すると、姫神が近づいてきて「皿洗い手伝っていい?」と聞いてきた。
「なら、洗った皿を拭いてくれ。」
「わかった。」
(姫神はアプローチが上手だにゃ。他の女子は動けてなかったぜよ。)
土御門は姫神に感心していると、青髪ピアスが他の男子に何かの協力を求めている。そのやり取りを吹寄は、青髪ピアスに拳骨した。
「何するんや!?」
「青髪…何を企んでいるのか言え。」
「それよりも、吹寄。模擬店のメニュー決めなくてもいいのか?」
「それもそうね。手軽に作れる料理が良いんだけど…」
「定食だと、いろいろと大変だにゃ。」
その後。クラスメートと話し合いをして、サンド系(パンに挟む)料理に決定した。定番として、焼きそばパン、タマゴサンド、スイーツサンドは決定している。
「小萌先生。模擬店は何処でやるんですか?」
「学園都市の専用会場で、屋台を出すことになってるのです。既に建設中のようで、数日したら完成のようですよ。」
「学園都市はなんでもありだにゃ。」
皿洗いを終えた上条と姫神は、小萌から学園都市大文化祭規則に関する書類を受け取ると、説明を受ける。
「余り、関係無いかもしれませんが、学園都市大文化祭期間中は学園都市外から一般客も来ますから、能力の使用は風紀委員以外は禁止されています。3日目以降は全生徒能力の使用が禁止になります。そのため、統括理事会から特殊腕輪が配られるのです。」
「……ちなみに…学園都市外から能力者が暴れる危険性は?」
「その特殊腕輪がない学生は、大文化祭の専用会場に入れません。」
「小萌…建物内で、文化祭をするの?」
姫神の質問に「正解なのです。大文化祭に参加したければ、特殊腕輪を外さないように」と忠告を受けた。
「何か質問はありますか?」
「特殊腕輪があれば、出入りは自由ですか?」
「そうなのです。ですが、無くしたとしても再発行は出来ないので、注意してくださいね!」
「わかりました。」(魔術師が襲撃してきたら、太刀打ちできないよな。後で、土御門に相談するか。)
小萌が説明を終えると、上条と姫神は教室に戻ったのだった。