とある科学の幻想装飾   作:ノック

8 / 42


薫と初春はセブンミストの屋上に姿を現した。

 

「私達のこと…見られませんでしたね?」

 

「それが、僕の能力の一部。お客には悪いけど、店内を黄金蝶だらけにしたから、屋上には誰も入らないと思うよ?」

 

「え!?」

 

今現在、セブンミストの店内周辺は黄金蝶が飛び回っていて、大騒ぎとなっている。

 

「何をしてるんですか!?営業妨害で、拘束しますよ!」

 

「今は非番じゃないの?」

 

「………今回だけですからね。私の話は…聞いてくれますか?」

 

「良いよ。その前に、黄金蝶は消しといたから。」

 

安心した初春は、薫にデートしてほしいとお願いした。

 

「デート?」

 

「ダメですか?」

 

初春からのデートの誘いに、薫はどうしようか考えている。性別が女である薫は、同姓にしか興味はないが、デートに誘われたのは初春が初めてだ。だが…

 

(初春さんが私のことを男だと、勘違いしていたら、騙すことになりかねない。)

 

薫は男顔で、普段の服装が男装なので、間違われやすい。なので、悩んでいるのだ。

 

「どうですか?」

 

「……わかった。来週なら予定空いてるけど…」

 

「ありがとう…ございます!」

 

初春は嬉しそうにしているが、薫は心を痛めた。何故ならば、騙していることにならないかと、悩んでいるからだ。だが、誘いを受けてしまった。

 

「また…」

 

「はい。」

 

薫は初春を学生寮まで送ると、1匹の黄金蝶を初春を対象に出現させた。

 

「黄金蝶…」

 

「この黄金蝶は君にしか、見えないようにした。ちょっとしたお守りだよ。」

 

「私にしか見えない?」

 

「そう。君が望めば、1度だけ姿を隠すことができる。これで、僕の能力の本質がわかったかな?」

 

薫の能力の一部である黄金蝶の力は、姿を消したように見せる幻覚、幻を発生できる。それを他者に授ける際、信じることで、現実の現象として発生する。但し、今回の対象者の初春が信じなければ、黄金蝶の力は消えて、姿を隠せない。

 

「もし、君がその力を信じれば、姿を隠して、再び、願えば…姿を現したように見せることができる。これはセットで1度だけだ。」

 

「わかりました。その黄金蝶の力を信じます!」

 

「ありがとう。君に黄金蝶の力を授けるよ…」

 

この瞬間、初春の傍で飛び回っている黄金蝶は、初春にしか見えなくなった。

 

「自分自身が危険の時に使うんだ。それか、君が守りたい人に使うんだよ。」

 

「黄金蝶の効力の時間制限は?」

 

「無いよ。けど、君以外に使った場合は10分しか持たない。」

 

「わかりました。」

 

「僕は帰るね。」

 

薫は能力で姿を消さずに、帰ることにした。初春の姿が完全に見えない位置まで歩くと、アレイスターに電話を掛ける。

 

「………これで、満足かな…アレイスター?」

 

『問題ない。これで、黄金蝶の力を観察できる。』

 

「……約束は守ってもらうよ。初春さんとその友達とお兄ちゃんには、手を出さないと…」

 

『約束は守る。幻想殺しはメインプランの要だ。失うわけにはいかない。初春飾利、御坂美琴、白井黒子、佐天涙子に関しても、手を出さないと約束しよう。だが…』

 

「僕の能力が望みなら、幾らでも研究、実験しても構わない。でも、休みの日は欲しいかな。暗部の仕事もあるから…」

 

『無論だ。私のプランの進行を邪魔さえしなければ、君の学園都市内での自由を約束しよう』

 

「わかった…それで構わない。」(学園都市内での自由…僕は、学園都市という名の牢獄に閉じ込められたわけか。)

 

電話を終えると、帰ったのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。