とある科学の幻想装飾   作:ノック

9 / 42


薫は木原の研究所に立ち寄ると、黄金蝶に関するデータを木原に提出する。

 

「今回も御苦労だな…上条薫。」 

 

「アレイスターとの取引だからね。」

 

疲れたような笑みを浮かべる薫は、出していた黄金蝶を消すと、椅子に座り込んだ。木原は気紛れにお茶を薫に出した。

 

「ありがとう。」

 

「それにしても、幻想装飾は面倒な力だな。幻覚や幻は簡単に出せるが、相手に攻撃する際は、自分自身の手でやらなければ、異能で装飾出来ないのは…その分、黄金蝶で自分自身の姿を消すことができるなんてな。」

 

「弱点もある。姿は隠せても、黄金蝶は消えないから見つかる危険性はあるよ。」

 

黄金蝶の弱点を教えると、木原は目を見開いている。

 

「そんな情報を教えてもいいのかよ。イカれてるぜ。」

 

「能力は研究、実験されるから、時間が経てば弱点も調べられるから、今教えたんだよ。アレイスターにも、どうせバレるし。」

 

平然な表情でお茶を飲んでいる薫に、木原は笑いながら言った。

 

「もし、今の立場が嫌になったら俺の所に来な。雇ってやるぜ。」

 

「考えとくよ。一応、友達いるし暗部の仕事もあるからね。」

 

断るのではなく、考えとくと言った薫。木原は内心、あり得なくねえか…と思ったのだった。

 

 

 

 

翌日の早朝、研究所からアレイスターの手配された車で帰ってきた薫は、部屋にはいるとベットで横になり、眠ってしまった。

 

「薫はお疲れか。」

 

上条は寝ている薫の頭を撫でると、朝食の準備を終えると、ラップをしてメモ紙を置いて、補修に出掛けた。

 

「寝てた…?」

 

薫が目を覚ますと、メモ紙を読んで、用意されている朝食を食べながら予定を確認する。

 

「予定なしか。」

 

朝食を食べ終えると、常盤台中学から出された課題をやっている最中に、垣根からのメールが届いた。

 

「……天使君は何を考えて…行くしかないか。」

 

男装の服装に着替えると、帽子とサングラスをして、リュックを背負って集合場所に向かった。

 

 

集合場所である第七学区にあるビル前には、アイテムメンバー、麦野、滝壺、レベル4窒素装甲、絹旗最愛と垣根が集まっている。

 

「まだ、来ないのか?」

 

「麦野、超待ちましょうよ。」

 

「まだかな…」

 

「来たみたいだぜ。」

 

垣根が上を指差すと、無数の黄金蝶が飛んで来たため、麦野、滝壺、絹旗が吃驚している。

 

「あの黄金蝶は!?」

 

「超なんなんですか!?」

 

「まさか…」

 

黄金蝶と共に、薫が地面に着地したように姿を現すと、垣根から拳骨が。

 

「痛い…なにするのさ、天使君!?」

 

「その登場の仕方をやめろ!?なんのつもりだ?」

 

「天使君には言われたくないよ!毎回、翼で来てるよね!」

 

垣根と薫が言い争いを始めると、我慢していた麦野が爆発した。

 

「私ら忘れて、何喧嘩してんだ!風穴開けられたくなかったら、黙れ!」

 

「麦野、悪かった。」

 

「げ…麦野さん、ごめんなさい。」

 

薫は能力名が出る前に、名前を言って謝った。

 

「さて…何で、アイテムのメンバーがいるのか、説明してくれるよね…天使君?」

 

「その前に、あんたの名前は?」

 

麦野に聞かれたため、サングラスを外してから名前とレベルを言った。

 

「僕の名前は上条薫…レベル5第8位だよ。」

 

「第8位だと!?」

 

「超イケメンなんですけど…」

 

「私は滝壺理后。名前で読んでくれたら、嬉しい…」

 

「わかりました。理后さんと呼ばせてもらいますね。」

 

滝壺は小さく頷いて、嬉しそうにしている。

 

「滝壺…何、やってんのかな?」

 

「超抜け駆けは、ダメですよ!」

 

「…天使君。抜け駆け?」

 

「薫は黙ってろよ。面白くないから…」

 

怪しげな笑みを浮かべている垣根に、首を傾げている薫は、絹旗から話し掛けられた。

 

「超私は絹旗最愛と言います!後、モアイと言ったら殺しますよ。」

 

「よろしくね…絹旗さん。」

 

「久し振りね…私は麦野沈利よ。」

 

「よろしく。さて、天使君。アイテムがいる理由は?」

 

薫は本題に戻すと、垣根が説明する。

 

「本当ならレベル5同士の会合が、あったんだけどよ。第1位、第3位、第5位が予定があるみたいでよ。」

 

「あの人達ね。御坂さんは知らないけど、食蜂さんは、謎過ぎるよね。常盤台で話したことあるけど…僕でも無理。」

 

薫の発言に、絹旗が目を見開いていた。どうやらまた、薫は何かをやらかしたようだ。

 

「超薫が何で、女子中学に入れるんですか!?」

 

「…まだ言ってなかったけど…僕は女の子だよ。」

 

滝壺と麦野は余り驚いていないが、絹旗は勘違いしていたようで、薫に敵意を向けている。

 

「超死んでください!」

 

「え、なんで!?」

 

絹旗の窒素パンチを避けながら、焦っている。

 

「超薫がイケメンだから悪いんです!女の子なら最初に言ってください!」

 

「あれに殴られたら死が、確定しちゃうよ。」

 

薫は黄金蝶を無数に出現させると、目眩ましをする。絹旗は視界が遮られて、攻撃が当たらない。

 

「超うざったいですね。」

 

薫は垣根の隣に移動すると、驚かれなかった。絹旗は途中から、薫の幻覚に惑わされているのを知っているからである。

 

「絹旗さんが疲れるまで待つかな。」

 

薫、垣根、麦野、滝壺は、お茶を飲みながら待つのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。