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二十二世紀のとある国の話。
この国では人口の減少が顕著になっていた。人口減少を補うために採った策は他所から入れるという単純なものだった。
誰が悪かったかは分からない。移民を受け入れたこの国は、初期のアメリカの様に移民系マフィアが跋扈することになる。だからといって移民に何らかの制限をかける訳にはいかない。人権活動家の格好の標的にされるからだ。
最後の抵抗なのか、この国の政府は、警察になれるのは現地民だけという方針を取る。当然、現地民だけでは人手が足りない。彼らが取った方法は足りない人手をアンドロイドで補うことであった。
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警察官の制服を着た二人の男の前で、泥や土で汚れた一人の男が尻もちをついている。この男こそ、反移民団体の過激派の首魁であった。
この男は鬼畜であった。これまでに三十人もの命を奪い、その中には幼い子供もいた。裁かれるべき人間である。
警察官の一人が男に話しかけた。声には怒気を孕んでいる。
「クック、お前を殺人と……その他クソみてえな行いに対する容疑で逮捕する!」
「殺人?俺は人は殺してないがね。他所からやって来た寄生虫を殺しただけだ!」
「クソ野郎、ここで殺してやろうか?!お前が殺した人たちのようにな!」
警察官はホルスターから銃を抜き取り、クックと呼ばれた男の額に銃口を当てる。しかし、すぐにそれを遮るように横から手が伸びた。
『アビー刑事止めてください。どんな者であれ裁判で裁かれるべきです』
「おい!バディだからって止めるんじゃねえ!こいつは今すぐここで殺しておくべきだ!どうせ牢屋に入れたところで碌な結果にはならねえ!」
『駄目です、アビー刑事。それでは、あなたが捕まってしまう。私はあなたを捕まえたくありません』
「ハッ!アンドロイドの方がよっぽど話が分かるなあ!アビー刑事さんよお!」
「貴様!」
アビーの拳がクックの頬を強く叩いた。これが今の彼に出来る限界だった。あとは裁判所で法の裁きに任せるのみだ。
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『本日未明、〇〇港で男性の死体が発見されました。身に着けていた服および所持品から男性の身元は1週間前から行方不明になっている○○警察署のアビー刑事と判明。警察は……』
何故だ。何故彼は殺されねばならなかった。あそこであいつを殺しておけばよかった。
「助けてくれ!」「な、なんでアンドロイドが?!」
反移民主義者に死を。差別主義者に死を。あの人を殺した者たちに死を。
遠くでパトカーのサイレンの音が聞こえた。
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「なんでお前が処分されるか分かるか、P55A?」
『その名前は好きではありません。レオンとお呼びください』
「レオン……あいつの死んだ息子の名前だな。ふぅ、改めて聞こう。レオン、なんで君が処分されるか分かるか?」
『はい、殺人罪および傷害によるものでしょう。クックという男が殺した数と同じ数の人間を殺しました』
「違うぞ、レオン。処分するのは、お前が感情を持ったからだよ」
*終*