きっかけは些細なものだった。
たまたま見た漫画の登場人物に惹かれた。
主人公ではなかったが、惹かれる存在だった。
主人公のピンチに颯爽と現れ、圧倒的な力を見せ敵を倒し、時には主人公の前に
超えるべき壁として立ちふさがり意味深な言葉を残して立ち去る。
正体不明の存在、謎の実力者、『陰の実力者』に憧れた。
僕の場合はたまたまそれだった。
誰しもが憧れを持つ、例外はないだろう。
正義の味方に成りたい。
魔法少女に成りたい。
それは誰もが子供の頃に抱く夢だ。
しかし、人は成長し様々なものを学ぶことで現実を知る。
稚拙な夢なのだと。
やがて子供の頃の夢を忘れ、現実的な夢を見るようになる。
ただ僕は違った。
周りが大人になればなるほど、僕の夢に対する執着はより強くなり僕を突き動かす原動力になった。
ただひたすらに努力し続けた、限界まで肉体を鍛え、空手、ボクシング、剣道....etc
必要なものには一切妥協せず全力で打ち込み、実力は隠し続けた。
陰の実力者は力を見せびらかしたりしないからだ。
学校では平凡を貫いた、勉強には真面目に取り組んだ。知識はあればあるほど良いと思ったからだ。
ただし、成績は中の下を維持し続け、決して目立たない一般人、人畜無害なモブAを演じ続けた。
何故か、クラスの主人公キャラにしょっちゅう絡まれたが。
しかし、日常の裏ではひたすら修行に打ち込んだ。
だが、無惨な現実が突き付けられることになった。
ある時、クラスメートの誘拐現場に居合わせた。
僕はホームセンターで用意していたバールと目出し帽をカバンに詰め、ジャージに着替え監禁場所に向かった。
誘拐犯はただのチンピラで大したことはなかった、協力していた軍人くずれの傭兵には手こずらされた。
向こうが僕をなめて銃を使わなかったこと、相手の動きを潰すことが出来たから勝てたようなものだった。
クラスメートを救出することはできた、しかし現実を知ってしまった。
どれだけ努力しても無駄なのだと。
生まれ持った肉体の差、殺し合いの経験、そして才能。
世界中にある格闘技をいくら習得したところでそれらを埋めることは出来ないのだと、
陰の実力者のような圧倒的な力は手に入らない。
今の僕は完全武装の軍人に囲まれたらひとたまりもない。
この先修行を続けて、例え世界最強の格闘家になったとしても、軍人に囲まれて銃を向けられればおしまいだ。
ひょっとすると、反撃することが出来るかもしれない。
でもそれでは駄目なんだ。
世界最強の攻撃手段 『核』
どれだけ肉体を鍛えたとしても、核の前には無力だ。蒸発するしかない。
僕の憧れた陰の実力者は最強の存在、核で蒸発するような存在ではないのだ。
核で蒸発しないためにはなにが必要か。
長い間悩み続け得た答えは一つ、もっと別の異なる力が必要なのだ。
魔力。
現実と向き合った結果たどり着いた答えだった。狂っていると自分でも思う。
この世界にはまだ魔力の存在を証明した人はいない、しかし魔力が存在しないことを証明した人もいないのだ。
正気の沙汰ではない、しか正気では魔力は手に入らない。
修行は困難を極めた。
なにせ、誰も魔力の習得方法を知らないからだ。
思い付く限りの全ての方法を試した。滝行、瞑想、断食、ヨガ、改宗し、精霊を探し、神に祈り、自身を十字架にはりつけた。しかし、一向に魔力を得ることが出来なかった。
高校最後の夏。修行を続けているが未だ魔力は見つからない。
修行を終えて服を着ていく、最近の修行には手応えを感じる。その証拠に目がチカチカし足元がおぼつかない。
未知の力の影響を感じる。実に充実した修行だった。
森で全裸になり、森羅万象を全身に感じながら、大木に頭を打ち続けることで雑念を捨て脳に刺激を与えることで未知なる力の覚醒を促す。
思い付く中で最も効率的で極めて理論的な修行方法なのだ。
ふわふわとまるで宙を舞うような足取りで森を下りていく。
その時、光が僕の前を横切った。
「魔力?」
そして、光が次々に現れては消えていく。
ついに見つけた!
気がつくとふらつく足で走り出していた。少しずつ光に近いづいている。
そして、光の前に飛び出し光を掴んだ。
瞬間、全身を強い衝撃が襲い地面を転がる。
立ち上がろうとしても力が全く入らない。
それにとても怠い、誰かの声が聞こえるが何を言っているのかもわからない。
次第に意識も薄らいでく。
(ついに手にいれた)
そして、魔力を手にした喜びを感じながら僕は目を閉じた
影野 実 18歳 死亡
初めての二次創作なので、かなり下手な文章構成になっております
聖剣(意味深)の新しい名前
-
ロンギヌス
-
ロンゴミニアド
-
ゲイボルグ
-
グングニル