次回からヤンデレにします。
誰にでも必ずある黒歴史、掘り起こされると精神的に終わりますよね
突然だが途轍もなく困っている。
色々考えた結果自業自得かもしれないし、悪友2人のせいかもしれないと思った。
一つ言えることは僕の学習力は途轍もなく低いということだ。
今年はブシン祭が開催される。
簡単に説明すると、世界中から腕に覚えのある猛者が
ミドガル王国に集まり武力を競い合う大会だ。
問題はこのブシン祭には学園参加のシード枠が用意されていることだ。
選ばれれば予選は免除され、本戦から参加できる。
そして、今日開催される選抜大会に僕は参加する。
僕の意思は当然無視されている。
星になってしまったと思っていた2人は生きていた。
ただし2人はボロボロだった。
ヒョロはあのレスラー先輩にボコボコにされたらしく至る所に包帯が巻かれていた、ジャガはストーカーを許さない紳士達に捕まり説教されてボコられたらしくこちらも包帯を巻いている。
2人は無傷でいる僕にムカついたらしく勝手に選抜大会に僕をエントリーしていた。
しかもアレクシアと付き合うには箔付けが必要と言われ怒るに怒れなかったが、笑いながらお前のためだと言われたのは頭にきたので仕返ししておいた。
2人にオカン直伝の右ストレートを打ち込んだ、狙いは腸周辺。
殴る時に腸の動きを活性化させるために振動を打ち込むのを忘れない。
殴られると2人はのたうち回った後、動かなくなり尻の辺りが膨らんでいた。
2人は再びウ○コ野郎と呼ばれることになった。
仕返ししたからといって現状が変わるわけではなかったが。
一回戦の相手はローズ生徒会長だ。
芸術の国オリアナ王国の王女様で魔剣士学園の現最強だ。
よくよく考えれば最強にあっさり負けるモブ、凄いイイ。
「ローズ・オリアナ対シド・カゲノー!」
審判が僕らの名を読み上げる。
こういう時の為に編み出したモブ式奥義が遂に日の目を見る時が来たのだ!
「始め!」
ローズ先輩の剣は結構良かった、ちょっと僕の剣に似てるかな。
その剣は僕の胸に向かってきている、だが反応してはいけない。
これはモブには反応できない一撃なのだから。
そして.....来た!
剣が胸に当たる瞬間に、足の指の力だけで後ろに飛び錐揉み回転しながら用意していた
血糊をまき散らしながら吹っ飛ばされる。
「ぷげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
モブ式奥義 錐揉み回転受け身ブラッディトルネード
無様に地面に落ち、バウンドし転がる。
会場には歓声が響く。
誰も僕がモブであることを疑わないだろう。
だがこれで終わりではない、これから瀕死の体で立ち上がり
身の程知らずに最強に挑むモブを演じるのだ!
「まだだ!」
顔を上げふらつきながら立ち上がろうとする。
僕のモブムーブはこれから.....
何かローズ先輩が剣を捨ててこちらに走ってくる。
待って欲しい、これからモブムーブが始まるんだ。
だから場外に連れていくのは.....
「スタイリッシュ盗賊スレイヤーさん!」
「がはぁ!」
血を吐いた、血糊じゃなくて本物の血だ。
予想外の口撃が飛んできて胃に穴が開いた。
スタイリッシュ盗賊スレイヤー、それは消し去りたい僕の黒歴史だ。
あの頃の僕は力を試すことばかり考えて陰の実力者としては半人前以下だった。
ただの粋がったガキそれが当時の僕だ。
そして、その象徴がスタイリッシュ盗賊スレイヤー。
それを知っているのは1人だけで.....ローズ先輩は金髪でいかにもお嬢様だ。
あの時助けた女の子か、この学園にきたのはやっぱり失敗だった。
「スタイリッシュ盗賊スレイヤーさん!」
「ぐへぇ!」
また血を吐いた、血を吐きすぎたせいで意識が薄れていく。
ローズ先輩の強さは剣ではなく、言葉による口撃だった。
精神攻撃には対策していなかった、勝てるわけが無かった。
意識を失う前、最後に感じたのは押し付けられる何かと柔らかさだった。
今回学んだことは黒歴史は人を殺すことができるということだ。
目を覚まして体を起こすと医務室のベッドに寝ていたようだ。
ベッドの近くには椅子に座ったローズ先輩がいる。
「スタ....」
「紙袋を被ってる人なんてよく覚えてますね」
言葉を被せるのはよくないが仕方なかった、そう言うと彼女は泣き始めた。
危なかった、折角塞がった胃の穴が開くところだった。
というか本当によく覚えているな、紙袋を被った人を見分けるなんて凄い才能だ。
手を握って離してくれない、結構力強いな。
「助けてくれてありがとうございます。」
「感謝されるようなことじゃないですよ」
何度もお礼を言われるが本当に感謝されるようなことじゃない。
偶々盗賊狩りをしていた所に捕まっていたから助けただけだ。
「どうしてあのような姿を?」
「何の話ですか?」
「あなたが私に負けるはずありません!だって.....」
「ストップ!その話はやめて下さい」
危なかった。モブとしての立場がなくなるところだった。
なんか悲しそうにしてうつむいている、もしかして勘違いしてない?
「私が...」
「ん?」
「私があなたを守ります!」
「は?」
何を言い出すんだこの人は?
というかこんな人じゃ無かったはずだろう。
「あの....」
「大丈夫です!私が支えてみせます!」
本当に離して欲しい、この人結構ヤバい。
腕の力を抜き極限までの脱力を行った手を引き抜くことが出来ないのだ、何なんだこの人。
先輩の為を思って言っているから離してくれないかな。
手を握る力が強くなったり、顔が近づいたりすると窓から覗いている3人の視線がどんどん強くなっていく。
本当になんでいるんだよ、サポートじゃなくて監視じゃないか。
「必ずあなたをお守りします!」
「....はい」
感極まったのか抱き着いてくる。
とんでもない殺意が飛んできたがローズ先輩に向かわないように受け流した。
「明日からお願いします!」
「....はい」
満面の笑みで彼女は部屋を出ていった。
殺意は消えた、君らもそうなのか?違うよね?
少しするとまた人が来たが無視した。
「いい天気だ」
「ねぇ」
「負けたからかなとても清々しい」
「ちょっと」
「こんな時はゆっくりと寝よう」
「シ・ド♡」
「ぐぁ」
いたのはアレクシアだ、躊躇なく首を掴んできた。
近くにあった椅子に座る。かなり機嫌が悪い。
「なんで負けたわけ?」
「前にも言っただろ」
「それでいいわけ?」
「どうもこうもない、僕はモブだ」
気に入らないのかむくれている。
「まあいいわ、それよりも...
どうしてシェリー先輩にチョコレートを渡したのかしら?」
笑っているが、目は真っ黒だ。
「えっと....」
「....」
「その....」
「ん?」
「すいませんでした」
こういう時は素直に謝るのが一番だと思う。
「別にいいわよそこまで怒ってるわけじゃないし」
そう言って箱を渡してくる。
ミツゴシのチョコレートが入った箱だ。
「えーっと、ありがとう」
「....違うわよ」
くれるんじゃないのか、なら何の為に渡すんだ?
顔を赤くしてうつむいている。
「....させて」
「何?」
「食べさせて....欲しいの」
何言ってるんだ?
急にアレクシアが未知の生物に見えてきた、今までと違いすぎるだろう。
窓の外から覗く視線が強まった。
前門の虎、後門の狼....3人いるからケルベロスかな。
仕方ないので食べさせることにした。
「ほら」
口を開けさせてチョコレートを食べさせる。
1つ1つ味わって食べている、こうやって見ると所作に美しさが出ている。
食べさせて行くと視線に乗る圧がどんどん強くなっていく。
「食べないの?」
最後の1個になってから食べようとせずモジモジしだす。
少しチョコが溶け出してるから食べて欲しい。
「事故....事故なら...問題ない」
「ごめん、聞こえなかった。もう1回...」
「い、いいの!」
そうして僕の指ごとチョコにかぶりついた。
殺気が背中に叩き付けられた、そうか君たちもか。
「な、何....」
「ちょこ....ちゅいてるから」
何も言えずそのまま数分間指を舐められた。
口から指を引き抜くと拭いてくれた、顔はリンゴみたいになっている。
「え、えっと...」
「....」
「....美味しかった?」
顔は上げず頷くと立ち上がって扉まで早足で歩く。
「あ、ありがとう」
そう言って走り去っていった。
殺気は消えた、捕食者は増えたようだ。最悪だ。
また人が来たが今度は寝たふりでやり過ごす。
「起きなさい」
「すーすー」
「起きなさい」
「すーすー」
「お・き・ろ♪」
「ぐへぇ」
前から思っていたが普通は弟の首を絞めたりしないだろう。
「文句があるの?」
「ありません」
長年の癖で逆らえない、条件反射で従ってしまう。
「何で負けたわけ?」
あんたもか。
「面倒くさいから」
「あんたねぇ.....」
不満そうだがモブムーブを楽しむためには仕方ないのだ。
「もういいわ、話すだけ無駄ね。仕方ないから命令を出すわ」
「え?い.....」
「嫌とは言わないわよね?」
「はい」
条件反射で従ってしまった、なんて面倒な体だ。
「卒業するまでに本気を出してあんたを認めさせなさい、
さもないと.....」
「さもないと?」
「あんたを騎士団に入れて、魔物の巣窟に放り込む。」
なんでこんなに極端なんだろう。
獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすと言うがそれを弟にやる人はそういないだろう。
というか騎士団にだけは絶対に入りたくない。
半分の奴らが教団で僕を拷問していた2人のような奴しかいない、
まともな奴なんて数えられるほどしかいない。
だから騎士団だけは絶対に嫌だ。
本気を出すとモブとしての立場が崩れてしまう。
ここは形だけでも従っておこう。
「わか.....」
「本当に?」
顔を近づけてきて目を覗き込んでくる。
背中に殺気が叩きつけられる、君らは姉さんにすら嫉妬するのか。
「本当に?」
「分かりました」
「.....噓はついてないわね」
優しく頭を撫でられる、ちょっと嬉しい。
外から歯ぎしりのような音が聞こえてくる。
「お姉ちゃんのことどう思う?」
「美しく聡明な女性です」
できるだけ機嫌を取っておかないと爆発した時が怖い。
「分かってるのならいいのよ」
嬉しそうに部屋から出ていった。
何でこんなに疲れてるんだろう、これが後3人もいる。
どこで間違えたんだろう。
因みにシェリー先輩も来てくれた。
彼女と喋っている間、殺気が向けられることはなかった。
何の違いがあるんだよ?
あのまま医務室にいたら何か起こると思ったので抜け出して今は中庭にいる。
周りにはカップルが結構いる。
ちょっと羨ましいかな、嫌というわけではないが捕食されてばかりで新鮮な経験はできていない。
「そこの君」
のんびりしていると話しかけられた。
初めて会う人だが魔力の方は知っている。
「少し話さないか」
「はい」
そのまま人気のない所まで行き、ベンチに座る。
「ニューだよね」
「はい、流石ですね」
変装しているようだがニューだった。
ほぼ別人だったから変装の腕には驚いた、今度教えて貰おう。
「報告致します。」
色々報告しているが、聞いてるだけで虚しくなる。
シャドウガーデンにおける僕の存在理由はあるのだろうか?
どう考えても彼女達の方が有能だ。
僕は所詮戦うことしかできない戦闘マシーンか、改めて気づくとキツイな。
叛逆遊戯と言われたときは胸が痛んだ。
こんなこと今までなかったから後で検査しよう。
「ところでシド様」
「なに?」
急にトーンが変わった。
「私達はあらゆることを報告する義務があります。
ですので今日あったこともアルファ様に......」
「すいません、勘弁してください」
報告されたら確実に1週間は監禁される、あの独占欲の塊の彼女達が僕を逃がす訳がない。
交渉してなんとかしなくては!
彼女は捕食者の目をしている、君もか。
失敗した。
このまま黙っていれば少しは僕に有利にできたのに弱みを見せたことで不利になってしまった。
できるだけ穏便に済ませるようにして貰う。
「私としてはこのまま宿を取りそこで一晩中....」
「勘弁してください」
この間会ったばかりだよね、何でいきなりそうなるわけ?
不満そうにしているが、宿に女と一緒に入ったなんて
アレクシアと姉さんに知られたら最悪だ。
「学園デートでなんとかならない?」
「....分かりました。」
そのまま腕に抱きつかれ、胸をわざとらしく押し付けてくる
離してくれないかな。
ローズ先輩とかアレクシアのこととかでちょっとマズイんだ。
何とか耐えるしかないのか。
その後1時間程学園デートをする事になった。
その最中煽るようなことを言ったり、事故を装って股間に触ってくるが何とか耐えきった。別れる時かなり不満そうだった。
何でそんなに積極的なんだよ。
学園デートをする2人を見つめる2つの人影があった。
カイとオメガだ
「なぁ」
「何だ?」
「あいつズルくないか」
「.....そうだな」
何とか無表情を保とうとしているが、隠し切れない嫉妬が漏れ出ている。
視線の先ではシドに脅迫....交渉したニューがシドに腕を絡め積極的に迫っている。
会ったばかりだが既に2人も落ちており七陰並の重めの愛を抱いていた。
自分よりも年下のあどけなさの残る少年は2人の感情をドロドロにし、
限定的な年下好きに変貌させた。
「お互いに黙っているということで協力しないか?」
「分かった、いいよ」
2人は気づいていた。
シドがかなり我慢しているということに。
ニューの攻めには耐えきるだろうが自分達が同じ様に迫れば
手を出す可能性が出てくるので2人は積極的だ。
年下好きに変貌したエルフのお姉さん....捕食者達は動き出す。
その後2人は別々にシドに脅迫....交渉し学園デートを楽しむことになった。
デートの際に2人はニューと比べものにならないほど積極的に迫った。
そしてシドは耐えきった、2人は悔し涙を流した
このことを知り嫉妬したニューが2人の事を報告し、そしてカイとオメガもニューの事を報告した。
これが後に上司達に嫉妬の目で見られることになるがそれは別の話。
ちょっと盛りすぎた
ローズをヤンデレにするにはスタイリッシュ盗賊スレイヤーをばらす必要があった。
カイとオメガは妄想率99%ですので不快に感じたらごめんなさい。