最近は陰の実力者プレイができていない。
ネルソンにしたのだってゼノンでしたことの使い回しだ。
他にも色々考えているのにできていない。
それどころじゃないのも理由の一つかな。
前までは美女を侍らせる陰の実力者も悪くないと思っていたが実際はそう上手くいかない。
僕は彼女達が大事だし、抱きたいと思う位に愛している。
この間抱いている時に気づいたが彼女達は僕に依存している。
もし僕が死ねば後を追う位に依存している、更にそれは伝染している。
この前にベータを抱いた後アルファ達を抱く時に、ニュー、カイ、オメガも抱いたのだが3人にも同じ感じがあったので出来るだけ激しくして満足させた。
ちなみにベータはあの後1日、僕が与えた快感でまともに歩けなかったらしい。
だからあの日抱いた皆も1日はまともに歩けなかったと思う。
アレクシアも依存しているような感じが出ているが気のせいだと思いたい。
これからは女性関係には気を付けて行きたい。
話が逸れた。
最近は陰の実力者プレイが出来ていなかったが今回は楽しめそうなイベントが開催される。
それはブシン祭。
人種も国籍も関係なく、ただ最強を決める祭。
もう会うこともない人々の中に奇妙な一体感が生まれ、そこに最高の舞台が用意される。
僕のやりたいことリストの上位にランクインするあれだ!
実力を隠して大会に出場し、最初は観客に
『おいおいおい、死ぬわ、あいつ』
と思わせて、試合が進むにつれて力を出していって
『いや、あいつ強いぞ』
ってなり、最後には本気を出して
『あいつは一体何者なんだ!』
ってなるあれだ!
ブシン祭という舞台でしか絶対に出来ないあれだ!
陰の実力者としてこの機会は絶対に逃がせない!
乗るしかないこのビッグウェーブに!
言って見たものの当然シド・カゲノーとして出場する事は出来ない。
出場して結果をだしたりすれば先輩の結婚計画が加速しアレクシアが側室ルートに突入してしまう。
2人共嫌いではないが外堀を埋めるようなやり方には引いている。
モブとして終わる。
なので偽の身分、行方不明者か死んだ人間の身分を使うのが一番いい。
だが僕にそんなものは用意出来ない、ならどうするか。
情報戦が得意なガンマに頼めばいいんだ!
というわけでミツゴシ商会に来た、ブシン祭が開催されるとあって人が多い。
ガンマの店だしVIPでも問題ないと思ってVIP用の入り口に向かった。
「信じられないかも知れないけど、オーナーと友達なんだ」
「存じております」
本当に通れた。
前に行った豪華な椅子のある部屋に通され、椅子に座る。
この椅子はやっぱりいいね最高の気分になれる、まるで支配者になったようだ。
少しするとガンマが入ってくる。
「ご来店ありがとうございます、本日は...ぺぎゃ!」
またこけたが今回は受け止めた。
こけた原因はドジじゃなくて僕だろうし。
僕を見た時に顔が赤くなって体が少し震えていたからこの前抱いた時のことを思い出したんだと思う。
流石に快感はもう抜けきったはずだけど体が思い出した様で足元が安定していなかった。
「も、申し訳...」
「ストップ、一旦落ち着いて」
今離したら体勢を崩して頭をぶつけるだろう。
「深呼吸して」
「すーすーすー」
胸に顔を埋めて深呼吸しているので、くすぐったい。
少しして腕を解くとゆっくりと離れていく。
「....失礼しました」
もう一度椅子に座るとガンマが跪く。
「正体を隠してブシン祭に出場したい」
「何故でしょうか?」
何故?言っても理解はしてもらえないだろうから意味深な感じを出して誤魔化すか。
「すまない...聞かないでくれるか」
大体のことは意味深な感じを出せばなんとか....
「申し訳ありません!」
ガンマが土下座した、何で?
見たことがないくらい泣いている。
近づいて抱き上げるが泣き止まない。
「どうかしたのか?」
「だって...だって」
幼児退行もしている、そんなに酷いこと言ったかな?
僕が全部悪かった。
聖地で僕が皆の立てた計画を無視して動き、ネルソンを消して聖域を吹っ飛ばしたから自分が至らなかったと考えたらしい、しかも今回真意を伝えなかったのでガンマは捨てられたと思ったらしい。
この前抱いたことで安心させられたと思っていたがそれとこれとは別だったようだ。
泣きじゃくるガンマを落ち着かせるのに30分位かかった。
優しく抱きしめて頭を撫でてお落ち着くまで待ち、落ち着いた所でキスをした。
触れ合わせるだけなのから徐々に舌を絡めていった。
ガンマからも舌を絡めてきたのでそこからは周りも気にせずにキスした。
10分位して顔を離すと目を腫らして恥ずかしがっていた。
しおらしくしていると可愛いな。
「主様はズルいです」
「ごめんね」
元に戻ったみたいだ。
椅子に座るとガンマが隣に立ち、僕の服の袖をつまんでもじもじしている。
ガンマが指示を出すと部屋に鎧や武器が並べられていく。
ガンマの手には肌色のスライムが入ったケースが握られている。
「スライム?」
「魔力を通すと本物の肌のような質感に変わります」
スライムが肌に付けられるが、これでは粘土を貼り付けだけだ。
「ここからはニューの仕事です」
ニューの手には彫刻刀のようなナイフが握られている、黒い笑みをしているから刺されるかと思った。
目の前でキスしたのに嫉妬してるのか?
この前君も抱いただろ、歩けなくなる位の快楽じゃ足りないのか?
「どのようなお顔にしましょう?」
「じゃあ...弱そうな感じで」
顔で強さを判断する人もいるから弱そうな方が今回はいい。
「この男なんてどうでしょうか?」
ガンマが資料をみせてくる。
名前はジミナ・セーネン、元貴族だが怠惰で実力も低く、悪魔憑きの護衛で死亡。
運のない男だな。
骨格も似てるし、凄い弱そう。
「このジミナ君でいこう」
「では始めます」
ニューがナイフを使い、スライムを削り出していく。
ものの数分で地味な青年の顔がそこにあった。
「すごい弱そうだね」
無精ひげと不健康そうな隈が頼りない感じを出している。
「魔力を流すと固定できますので、着け外し可能です」
引っ張るとジミナの顔が取り外せた。
ニューの変装術はレベルが高いな、真似してみるか。
「あ、あの、シャドウ様」
ニューの顔を撫でまわしてみる、しっかり手入れのされている肌だな。
隣ではガンマがリスみたいに頬を膨らませている。
ニューだけではなく他の女性も触って確認する。
そして体をスライムで包む、覚えたてだが上手くいくだろう。
スライムを解くと女性になっていた、性転換した訳じゃない。
皆の顔を見て作った顔に、イプシロンから学んだ豊胸技術で胸を盛る。
「どうかな?」
声も変えて女性らしさを出す。
「...」
皆黙って何も言わない、そんなに出来が悪かったか?
すると突然
「がはぁ!」
ニューが血を吐いて倒れた、受け止めると幸せそうな顔をしている。
皆も鼻を押さえているが、床には赤い斑点が出来ている。
ガンマの顔はリンゴみたいになっている。
一歩近づくと一歩離れていく。
「ガンマ?」
「あ、あにょ、いっ、今は」
ガンマに近づいていると扉が開いてベータとイータが入ってきた、珍しい組み合わせだ。
「主様!」
「ベータ、皆が変なん....」
「がはぁ!」
ベータも血を吐いて倒れた、なんで?
イータは目を限界まで開いて顔を赤くしている。
「マ、マスター?」
「そうだよ」
どんどん赤くなり全身がリンゴのようになり
「キューーー」
意識を失って倒れた、倒れる前に受け止めたが凄い熱い。
女装しただけでとんでもないことになった。
ブシン祭の予選への登録は問題なく済んだ。
登録の時にクイ..なんとかさんに絡まれてボコられたけど。
勿論反撃はしていない、僕は最弱じゃないといけないから。
アン...アンネローゼとかいう人が割り込んだので途中で終わった。
彼女も僕が弱いと思っていたようだが無傷なのに気付いて呼び止めてきたので
「...ジミナ」
名乗って人ごみに紛れた。
誰もが雑魚と侮る中、一部の人間はその異常さに気づく、始まりから絶好調だ。
大会前に実力を見せるのは三流だ、全く楽しめない。
大会前は侮られるくらいが丁度いい。
大会が始まって、アイツ強いじゃんね?と思わせて盛り上がり出した所で、あいつは一体何者なんだ!が理想だ。
その時までどう観客を欺くか考えた。
会場の下見をし、『まぐろなるど』でサンドを2つ買って食べながら寮に戻る。
学園に近づくと、工事が進んでいるのが見えた。
学園には灰になってほしかった、そしたら夏休みが延びたのに。
歩いていると後ろからこづかれ、振り向くとローズ先輩がいた。
剣を持っていたから練習帰りみたいだ。
「まぐろなるどですか?」
「最近ハマってるんだ」
ハンバーガー擬きだが結構美味しい。
「私も3人で行ったんです。2人とも仲良くなれましたよ」
あの2人と仲良くなるとは中々やるなこの人。
「それで協力することになったんです」
協力、僕を性的に襲うためか。
「少しでも世界がいい方に向かうように」
「世界平和は大事だよね」
世界平和のためなら問題ない、それ以外ならちょっとお話したいが。
「これからお父様と会います。そこで婚約者が紹介されます」
「そうなんだ」
それ以外言えない。
「私は裏切り続けてきました、また誰かを裏切ってしまうかもしれない。
もし....そうなっても私を信じてくれますか?」
重い、凄く重い。
僕に何を求めてるんだ、取り敢えずサンドでも渡すか。
「もう少し肩の力を抜いたほうがいいよ」
サンドを渡す、僕にできるのはこれくらいだ。
「ありがとう」
彼女は優しく微笑んだ。
次の日の朝、扉を殴りつける音で起こされた。
「起きろ!シド、おい!」
ヒョロか、またウ○コ野郎にされたいようだな。
扉を開けると入って来て新聞を押しつけてくる。
「ローズ生徒会長が婚約者を刺して逃げたってよ!!」
何でこう上手くいかないんだろう。