陰の実力者になりたくて!addition   作:読者0

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次回から無法都市に向かいますが、できれば感想を頂きたいです。
励みになります。


ハイエナの群れに飛び込んだモブ ⑥

 

「ほっ!」

 

朝ご飯にパンケーキが食べたいと言われたので焼いている。

今日が最後だ、それに彼女は活発じゃないからそこまで酷い事にはならない筈だ。

問題があるとすればちゃんと起きてくれるかどうかなんだが。

全て綺麗に焼き上げ、昨日は使えなかったフルーツも切って盛り付ける。

最後に蜂蜜をかけて完成した。

さて、起きてくれるといいんだが。

 

部屋についてノックするが返答がない。

起きてないとは思ったけど、この時間まで寝てるのは健康に良くない。

 

「入るよ」

 

返答がないので部屋に入ると酷い有様でギリギリ歩くことができる状態だ。

何かの設計図や研究書類、変な機械や部品が床に転がっている。

何とかベッドに近づくとミノムシみたいに布団にくるまっているイータがいた。

 

「起きてイータ、もう朝だよ」

「うーん」

 

体を揺らしてもモゾモゾと動くだけ。

 

「ご要望のパンケーキ焼きましたよ」

「うーん......パン、ケーキ」

「おはようイータ」

「マスター?」

 

布団から出てきたイータは目をこすりながら服の中に手を突っ込んで腹筋を触っている。

 

「この筋肉、マスター....おはよう」

「どこで僕を判断してるの?もっと他にあるよね?」

 

ぶかぶかの服を着て突然バンザイした。

 

「着替えさせて」

「僕は君の母親じゃないんだけど」

「何でも、言う事聞く、さて、誰が言ったでしょう?」

「分かりましたよ、お姫様」

 

服を脱がせ.....

 

「何で下着付けてないの」

「うん?....忘れてた」

 

服の下には下着がなかった、真っ裸だった。

.....おかしいな、物臭でも最低限の服装はしているイータが下着をつけ忘れるなんてあるか?

 

「わざとか?」

「スースースースー」

 

口笛下手だな、誤魔化す方法もっと用意しておいた方がいいよ。

下着から着せていくつもりだったんだが部屋にあるのは透け透けの下着しかない。

視線を合わせようとすると顔を逸らして逃げられる、コイツやりやがった。

イータを手早く着替えさせて、持って来た櫛で髪の毛を梳かすとハリセンボンの様に頬を膨らませる。

 

「むー」

「ご機嫌斜めですか?」

「もっと、取り乱して、欲しかった」

「そいういう雰囲気でもないし、そいうのはナシっていったからね。自分で言ったことは守るよ」

「バーカ、スケコマシ」

 

どうもご機嫌斜めのようだ。

ブシン祭の後から関わる事なかったから放置されてると思ったのかな?

でも君に会うといつも尻の安全を確保しないといけないから、尻を狙うのさえ止めてくれれば僕もちゃんと会いに来るんだよ。

 

「抱っこ」

「はいはい....軽すぎじゃない?ちゃんと食べてる?」

 

抱き上げてビックリした軽すぎる。

 

「栄養食、食べてる」

「ちゃんとした食事は?」

「メンドイ」

 

それは瘦せるよ、ちゃんと食べないと。

 

「食べないとダメだよ」

「メンドイ」

「そっか~食べないのか、じゃ僕もイータを抱くのは止めておこうかな?体が壊れたりしたら嫌だし」

「食べる、ちゃんと食べるから、それは勘弁」

 

グイグイと服を引っ張って見上げてくる。

 

「食べる?」

「食べる」

「本当に?」

「本当」

「瘦せすぎだからちゃんと食べるんだよ」

「うん」

 

こんな事で説得できるならもっと早くに説得しとけば良かった。

 

食堂にきたのはいい、でも扉の向こうからは怨念のようなものが聞こえてくるし扉はきしんでいる。

この扉の向こうには魔境が広がっている、その確信がある。

今までにない緊張...

 

「お腹すいた」

 

なんで開けた。

そこら中から怨念が聞こえるし皆の目が怪しく光っている。

 

「あ~ん」

 

今日で終わりなんだからもう何も恐れる事はない。昨日までの行程を一通り終えて、

 

「マスターの指、美味し」

 

何故君はそこまでしゃぶる?

もう既に5分は舐めてるぞ、なんで美味しいんだ。

 

「ん、抱っこ」

 

やっぱり軽い、一番軽いかも。

 

「研究所へ、レッツゴー」

「分かったよ」

 

イータが最終日で良かった。

これがもし他の人なら命に危険が及んでいた。

 

ドガァン!ゴン!バキバキバキバキッ!!

 

ほらね、命が危なかったところだった。

 

イータの研究所は相変わらず汚い。もう少し綺麗にした方がいい。

 

「シドくぅぅぅぅぅぅぅぅん!!」

「うわ」

 

部屋の扉を開けたらピンク髪のマッドサイエンティストが走ってきたから扉を閉めてしまった。

扉になにかがぶつかった様な鈍い音が響く。

 

「ちょっと、待ってて」

 

腕から降りたイータは少しだけ扉を開けてするりと部屋に入っていく。

 

「イータさん!!今シド君いましたよね!」

「うん、いる、でも落ち着け」

「いるんですよね!?」

「落ち着け」

「もう我慢できません!というか抱っこされてましたよね!?ズルいです!」

「落ち着け」

「あひゅ」

 

扉の向こうからシェリーが倒れた音が聞こえるとガチャガチャと何かをいじる音が聞こえてくる。

 

「もう大丈夫」

 

扉から頭だけ出して手招きしてる、大丈夫なのホントに?

 

「こふーこふー」

 

部屋に入って目に付いたのはガスマスクをつけ息を荒くしているシェリーが目に付いた。それもただのガスマスクではなく研究機関とかで使うガチガチのやつだ。

 

「大丈夫なのこれ?」

「大丈夫、大丈夫」

「こふーこふー」

 

とても大丈夫には見えないが、大丈夫だと言うなら信じよう。

 

「今日は何するの?」

「実験」

「でしょうね」

 

それ以外ないとは思ってたけど。

 

「じゃ、あれ入って」

 

そう言ってイータが指差した先には小型のサウナが設置されていた。

 

「サウナ?」

「サウナ」

「何でサウナがあるの?」

「マスターの、汗が欲しい」

 

また随分とマニアックな要求がきたな。

 

「一応聞くね、何で?」

「マスターの遺伝子、欲しい」

 

そして視線を僕の股関に移す。

 

「ホントなら、白いドロドロ使いたいけど、配慮した」

「それはどうも、でもなんで汗なの?血液ならこの前渡したよね?」

「老廃物では試してない、汗も老廃物の一種」

 

イータの趣味な気がするのは気のせい。

 

「んじゃ、入って」

「入るのはいいけどさ、お隣さんをなんとかしてくれない?」

「ふー!ふー!」

「おっと」

 

猛牛の様になっていたシェリーはスライムで拘束され安全が確保された。

サウナに入るため服を脱いでいくんだが

 

「なんで見るの」

「ダメ?」

「何で見たいの?」

「絶景があれば、見たくなるのは、仕方ないこと」

 

ジッと微動だにせず着替えを見られるのは気分が良くない。

 

「ちっ」

 

シェリーもいるからパンツを脱ぐのにタオルを巻いたら舌打ちされた。何故だ。

サウナは割と本格的で高温の石に水をかけて蒸気を発生させるロウリュウ用の石も設置されている。水風呂がないのは残念だが、僕の汗を集めるためにわざわざ突貫工事で作ったんだろうから仕方ない。

 

「あーーーー気持ちーーーー」

 

久し振りの心休まる時間。

 

「こふー!こふー!」

「落ち着け」

 

全然落ち着けねぇ、外で何が起きているのか気になってしまう。

汗も充分かいたので出るとシェリーがぐるぐる巻きにされていた。

 

「これからどうするの?」

「待ってて」

 

スポンジみたいなのを持って来て汗を拭い始める。

 

「そこは自分でするから」

「でも、ここも、汗出てる」

 

巻いたタオルの隙間から手を突っ込もうとしていたので止めた。

 

「お仕置きされたい?」

「むぅ」

 

汗を拭き終わると謎の装置にスポンジが入れられる。

服を着ているとシェリーが痙攣し始めた。

 

「痙攣してるけど」

「ん?.....ヤバい」

 

シェリーの拘束とガスマスクが外される。

 

「ふぅ、ちょっと危なか.....ぐはぁ!!!」

 

突然、血を吐いて倒れた。

 

「マスター、服着て」

 

着替えてる途中で起きてしまったので僕は上裸だった。

気絶したシェリーはペチペチと叩かれているが起きる気配はない。

 

「ふん」

 

イータが殴ったが殴ったイータも痛そうにしている。

 

「はっ!!今神秘的な何かを見た気がします!!」

 

意識を取り戻したシェリーは起きて早々に涎を垂らして先程の事を思い出そうとしている。

 

「何もなかった」

「そうですか、お花畑の向こう側でルスランが手を振ってたんですけど」

 

それあの世に逝きかけてるよ?

義父とはいえ親の仇なら呼び捨ても当然か。

 

「笑ってるのがむかついたんで飛び蹴り食らわせてやりました!」

 

教団への復讐の機会は用意しておこう。

 

「顔の形が変わるまでボコボコにして眼鏡で目玉を抉ってやりました!」

 

そこまで憎んでるのか。

 

「歯も全部抜いて、手足の爪も全部剝がしてやりましたよ!情けなく泣き叫んでたのは爽快でした!」

 

マッドサイエンティスト.....そういうレベルじゃないな。

マッドじゃなくてサイコパスだな。

 

「流石シェリー、それでこそ、科学者」

「もう、褒めないでくださいよ。恥ずかしいじゃないですか」

 

どこが恥ずかしいの?

神秘的な光景は内臓の事じゃないよね?

 

「シド君どうしました?」

「ナ、ナンデモナイ」

 

小動物みたいだと思ってたけど深い闇を抱えてるな。

 

 

「これ脳ミソちゅーちゅー君じゃないよね?」

 

手首と首、胸に病院で使う電極の様なシールが貼り付けられ近くにある機械と線で繋がっている。

 

「違う」

「違います」

 

魔力に乱れもないし、視線が逸れる訳でもないから噓ではないんだろう。

しかし油断はできない、この2人はマッドなのだから。

 

「じゃ、深呼吸して」

「心臓が動いてる所をイメージしてください」

 

シェリーが言うと怖い、心臓抉り出せれたりしないよね?

言われた通りに心臓の動きをイメージしながら深呼吸する。

 

「ゴクリ」

 

何で唾飲み込んだ?

マッドサイエンティストの考えは分からないから怖い。

シェリーが特に怖い、目は開ききってるし震える体を抑え込もうとしているから襲い掛かりそうになるのをギリギリ耐えている感じだ。

君も獣なのか。

 

何の実験か分からないまま10分間計測され電極が外されていく。

 

「う、う~ん。と、取れないな~」

 

シェリーが胸に貼り付いた電極を取ろうとしているのだがあからさますぎる。

取るふりをしながらずっと触っている。

ニヤニヤを抑えているつもりなんだろうが抑えきれていない。

 

「すっごい硬い、鉄みたい」

 

聞こえてるよ。

それと相棒の事も見た方がいい、鬼みたいになってるから。

シェリーが殺されそうだったから電極を剝がしたら目に見えて落ち込んでいる。

 

「次はあれ」

 

そう言われて指さされた所にはマイクが置かれていた。

マイクの前に座ると冊子を渡されてヘッドホンをつけられる。

 

「これを読んでください、できるだけ感情を込めて!!」

 

シェリーの食いつきが凄い。

一体何が書いて......

 

「これ読むの?」

「はい」

 

イータが何かのスイッチを押すと入口と窓にシャッターが降りてきて塞がる。

読むまで帰れないんだね分かったよ、読むよ。

 

シドが帰り静かになった研究室では2人のマッドサイエンティストが床に寝転がっていた。

 

「確認しましょう」

 

2人はヘッドホンを装着すると伸びている線を機械に接続しスイッチを押すと

 

『ドクン、ドクン』

 

と音が流れる。

2人が聞いているのは先程録音したばかりのシドの心音である。

一説によれば心音を聞いて安心するのは母親の体内にいた時に母親の心音を聞いて育ったのが理由と言われている。

そして心音を聞いた2人は膝から崩れ落ち座り込んでしまう。

だがここで試練は終わらない、何故なら録音はまだあるからだ。

 

『---------』

「あひゅ」

「こふっ」

 

余りの衝撃に2人は呼吸すら忘れてしまいそうになるがそこは気合で持ちこたえる。

 

『---------』

「あっあっあ」

「うぅぅぅ」

 

何とか耐えているが2人の限界は近い。そして

 

『---------』

 

2人は意識を手放した。

2人の欲望の結果、一部の人間には災害級とも呼べる兵器を作り出してしまった。

しかもベータ作の少女マンガ擬きを台本にし、そしてシェリーが用意した台本にしてしまったのでその破壊力は折り紙つきだ。

 

耳から人を破壊する兵器『ASMR』である。

 

 

王都から少し外れた深い森に呼び出されたので来てみれば

 

「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!」

 

デルタが地面を転がり回っていた。

アルファが手に負えないから手伝ってと言われてきたら僕に押し付けられる事になった。

 

「アルファ様だけズ~~~ル~~~い~~~!ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル!ズ~~~ル~~~!」

「アルファだけじゃないよ」

「デルタだけ仲間外れ!」

「だっていなかったし」

「ボスイジワル!!」

 

土埃が舞って煙たくなってきた。

 

「ボスがまたイジワルした!!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!デルタだけ交尾してないのイヤ!!」

「交尾なんて言ったら駄目でしょ?」

「アルファ様からボスの匂いした!!絶対交尾した!!」

 

転がり回るのに手足のバタつきが追加されて煙の様になっている。

いないんだから仕方ないでしょ、デルタを探すのも大変だし。せめてどこに行くか教えてくれればこっちもやりようがあるんだけど。

 

「ヤ~~~ダ~~~!ボスイジワルしないで!!」

 

もう滅茶苦茶だ。

 

「ム!」

 

撫でようとしたらサッと腕を躱してお座りするとクンクンと匂いを嗅ぎ始める。

 

「ム~~~!!猫臭い!!雌猫とイチャイチャした!」

「ソンナコトナイヨ」

「噓ついた!!ボス噓ついた!!キライ!!」

 

ぷくーと頬を膨らませたのが面白くて頬を指で押してみると

 

「プスーーー」

 

と気の抜けた音が鳴って面白くてつい笑ってしまった。

 

「ム!!」

 

怒ったのか手に嚙みついてきた。

飼い犬に手を嚙まれるとはこの事だろう。

 

「でるたのこりょいにゅっていっら!!」

「何て?」

 

手に嚙み付いているので何て言っているのかよくわかない。

手から口を離して叫ぶ。

 

「デルタの事犬って言った!!」

「言ってない」

「言った!!」

「言ってない」

「言ったの~~~~~!!」

 

大の字に寝転がり手足をジタバタとさせる。

 

「もう帰るよ」

 

ジタバタするデルタを抑え込み抱き上げると頭に嚙み付かれた。

 

「かぇりゃない!」

「帰るよ」

「かぇりゃない!」

「デルタはいい子だからちゃんと帰ろうね」

「ム~~~!」

 

ガジガジとかじられて地味に痛い。

 

「いい子にしてたら僕もご褒美あげるよ」

「ボス噓つきだもん!」

「いい子にできない?」

「イ~~~ヤ~~~!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!」

 

これはてこずりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シドが5歳児ワンちゃんにてこずらされていた同時刻、とある女子寮の一室。

真っ暗な部屋にあるベッドの上に少女が座り込み呪詛を呟きながら一心不乱に枕を殴り続けている。

 

「明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す、いなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」

 

ボスンボスンと枕からは気の抜けた音が鳴っている。

隣の部屋の生徒は眠れないが殴り込みをかけたりはしない、触れたら最悪殺されないからだ。誰も見えている地雷を踏んだりはしない。

だが彼女の弟はその見え見えの地雷を思い切っり踏み抜いたのだ。

約1時間殴り続け流石に疲れたのかベッドに横になるが

 

「明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す明日いなかったら殺す、いなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺すいなかったら殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」

 

天井を見ながら呪詛を吐き続ける。

目は見開かれ充血し殺意に満ち溢れている。

30分近く呪詛を吐き続けるがこれ以上は無理なようで眠ったと思われたが

 

「あした.....いなか....ろす......かった...こ...す....いな....ころ.....こ...す....ころ...」

 

夢の中でも呪詛を吐き続けており寝言で漏れ出ている。

この日以降同じ寮の生徒達は彼女への態度を改め怒りを買わないように接触を避ける様になった。

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

 

バーの一角。

 

「シャドウ様のバカーーー!ドS!鬼畜!!もう嫌い!!.....嫌いになれない~~~~、大好き~~~~~」

 

ベータが机に顔を伏せて泣いている。

床には何本もの酒瓶が転がっており、誰の目にも泥酔しているのが分かる。

 

「あの鬼畜!なんで私にはつけらいんっだよ!ヒック、わらしにもつけろよ!女はな!独占されらいんだよ!なんで分かんないんだよ!」

 

酒瓶をテ-ブルに叩きつけたニューは飲み過ぎたせいで舌足らずになってしまっている。

 

「そうだそうだ!責任もて~~~~、釣った魚にエサやらないなんて最低だ~~~!もっと愛情よこせ~~~~~」

「そうだ女にしたんだから責任取れ!!もう王子様をやうのは難しくなったんだじょ!しゅてたら呪ってやりゅ~~~~」

 

床に転がった酒瓶に埋もれるように2人のエルフが横たわっており酒瓶を抱きしめながら勢いに任せて不満をこぼす。

地獄である。

 

「酷い有様ね」

 

騒ぎを聞きつけたイプシロンとガンマが呆れた表情で傍から見ている。

 

「ほら、もうやめなさい。明日も仕事あるんでしょう?」

「うるしゃい!見せつけやがって!自慢してるんれしょ!?」

「そ、そそそそんなこと、ないわよ!」

 

自慢していたらしい。

 

「ガンマちょっとてつだ.....何してるの?」

 

ガンマに助けを求めるが、当人は机に置かれていた酒瓶の栓を開け勢いよく飲み机に叩きつける。

 

「シャドウ様のバカ~~~!」

「ええ~~~」

 

テーブルに寝そべり何度も拳を叩きつけるのを見て、普段とは違う仲間の姿に引いている。

 

「ガンマは何でもしますから~~~捨てないで~~~~、調教だってもっとしてくれていいですから~~」

「ちょっとしっか....今なんて言った?調教?調教って言ったわよね?」

 

聞き捨てならない言葉を聞いてしまい固まる。

 

「首輪だって付けますから~~、恥ずかしい格好だって一杯しますし、○○○○だって○○○○だってしますから~~~~」

「ガンマ!?何言ってるのあなた!?というかあなたシャドウ様と一体何してるの!」

 

仲間の夜事情が垣間見える言葉に顔を赤くしながら肩を揺さぶる。

 

「足だって舐めます、尻尾だって付けます!だからしゅてないで~~~~ご主人様~~~~」

「ご主人様!?あなた本当に何してるの!」

 

爆弾発言に驚愕しながらもその先を聞き出そうと必死である。

 

「え~~~~~~~ん」

「ちょっとーーーーー!!」

 

酔っ払い共は酒を飲み続け空き瓶は増えていく一方で素面なのはイプシロンだけ。

 

「もういい加減にしろーーーー!!」

 

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