『
後ユキメを出したいので誰か廓言葉について分かりやすく教えてくれませんか?
調べたけど難しい。
※作者には法律知識が米粒程しかありません、ですので某裁判ゲームの知識で書いています
何が悪かったのか、最近そればかり考えてしまう。
悩んで悩んで悩み続けた結果、あの日攫われた姉さんを助けた事が原因であるという結論に至った。だって姉さんの執着はあの日から強くなり始めたんだから、そうに決まっている。
帰省すると必ず僕を抱き枕にしようとするし、付き纏いは当たり前、僕が泊まりで出かけようとすれば嫌がるオトンをボコボコにしてついてこようとする。
「待ちなさい、今止まるのなら怒らないから」
「もう怒ってるじゃん」
「怒ってないわよ」
「じゃあなんで追いかけるの?」
「シドが逃げるからよ」
僕が逃げているのは姉さんが追いかけて来ているからだよ。
「追いかけられたくなかったら、なんでお姉ちゃんの腕の中にいなかったのか教えなさい」
「誤解を招くような言い方は止めて」
事の原因が何であるかと考えてみると実にあほらしい。
昨晩、帰省していた姉さんは嫌がる僕を無理矢理縄で縛りベッドに運び抱き枕にしてきたのだ。
慣れていい事ではないのだが慣れてしまった僕は姉さんも成長している事を忘れていて、様々な理由で寝付けなかった。
このままだと碌に眠る事も出来ないと思ったので用意していた身代わりと入れ替わり自分の部屋で眠った。
気持ち良く眠って清々しい朝を迎え部屋から出ようと扉を開けたら誰が見ても怒っている姉さんがいたので窓ガラスをぶち破って逃走し、追いかけっこが始まった。
本当にあほらしい。
....あれ?もしかして僕が原因?
「いいシド、あなたにはお姉ちゃんの抱き枕になる他の何物とも代えがたい義務があるの」
「そんな義務聞いたことない」
「世の中にいる全ての『弟』には『姉』を敬い、癒す義務があるのよ」
「そんな事聞いた事ないよ」
「あなたが知らない事だって一杯あるのよ、だから来年からはお姉ちゃんと一緒に王都に行きましょう」
「それとこれとは関係ないよね?世の中全ての弟に義務があるんなら僕じゃなくて別の人の弟でもいいじゃん」
「どういう意味かしらそれ?まさかお姉ちゃんが誰にでも尻尾を振る尻軽だとか思ってるの?」
「そういう事じゃなくて.....」
「躾が必要ね、暫く家から出れないようにしなきゃ」
地雷踏んだなこれ。
僕と姉さんの追いかけっこは、姉さんの体力切れで終わった。
ただ鍛えているだけの姉さんと、常日頃から理由をつけられて搾り取られている僕とでは体力には大きな差がある。胸を張って言える様な事ではないが僕の体力は日々上昇している。
「姉さんもしつこいんだよな」
最初に長期休暇で帰って来てからおかしくなり始めた。
この前だって僕と話してたメイドさんを詰めてたし。
小さい時から面倒見てもらってた人だけど次の日から僕の担当を外されてオカンの担当になってしまった。新しく来た人は前に姉さんの担当をしていた人だ。
監視のつもりなんだろうが僕には通用しない、現に僕はこうしてアレクサンドリアに来てしまっている。
ここに来るのは僕が『
実家だと姉さんがいるから落ち着けないが、ここの僕の部屋なら落ち着いて過ごせ
「あ」
部屋に入るとアルファがいた。
裸でベッドの上に座り込み、枕を抱きしめシーツを体に巻き付けて腕が股に伸びている。
暫く見つめ合っているとアルファの全身が赤く染まり湯気が出始める。
「お邪魔しました」
「え」
扉を閉めて城の外に出る。
気晴らしにランニングでもしよう、さっき見たのは忘れよう。それがお互いの為にもなる。
「ま、待って、シャドウ」
着替えたアルファが追いかけてきた。
「逃げないで、さっきのはその.....違うの!だから逃げないで!」
「逃げてないよ、ただのランニング」
「私そんな...頻繫にしてる訳じゃないの!今日は偶々で....」
語るに落ちるって知ってるかな?言っているような物だよ。
「大丈夫だよ、アルファ。僕はそんな事で嫌いになったりしないから」
「ホ、ホントに?」
「そうそう、性欲なんて皆持ってるんだから当然だよ。自分でするのもおかしくない事だよ」
「そっ、そうよね。当然....待って、今のどういう意味かしら?」
何かピリついてるけどおかしい事言ったかな?
「自分でするのはおかしくない事だよって言ったんだよ」
「....またなの?またしたの?あれじゃ足りなかったって言うの?」
これはもしかして僕が『
あれから一度もしていない、姉さんに誓ってもいい。
「誤解だよ。アルファ、僕が約束破るとでも思うの?」
「5回?5回もしたの?もう許せないわ」
「誤解だって言ってるよね」
「5回したのなら35回する必要があるわね」
もしかして7×5=35だから35回とか言ってるの?干からびるんだけど。
逃げなければ、本気で逃げなければ死ぬ。その確信がある。
「待ちなさい」
「だから誤解だって」
「待ちなさい」
「聞いてるの?誤解だって言ってるよね?」
「待ちなさい」
「だから誤解....」
「待ちなさい」
機械みたいに同じ事しか言わない、これがbotと言うやつか。
1時間くらい走っていると追いかけて来なくなった。諦めてくれたのかな?
ヒュンッ
諦めてくれなかったようだ。
飛んできたのは暗器、ゼータがいるのか。これは手厳しいな。
「ゼータ、話をちゃんとしよう。誤解だから」
「五回もするなんて、主は酷い事するね。でも大丈夫だよ、それ以上の快感を仕込んでもうできないようにするから」
それはそれで怖いな。
「お断りするよ」
再び追いかけっこが始まる。
2対1、二人共いい連携だと思うけど、こんな下らない事で見たくはなかったな。
ゼータが中距離と、遠距離の攻撃を使い分けて攪乱し、アルファが近接戦をしかけてくる、本当に別の機会に見たかった。
目がマジなんだよな、降伏しても一発位は殴られそうだな。
さてとどうやり過ご...
「おっと」
今度は魔力の斬撃が飛んできた。
「主様、一体どういう事でしょうか?またご自分で処理されたと聞きましたがどういうつもりですか?私達ではなく別の女を考えながらしたのですか?でしたらOHANASIする必要がありますね」
早口で捲し立てくるから余計に怖い。さっきから話が全然嚙み合わない。
「落ち着いてイプシロン。誤解してるよ」
「5回もしたんですか?分かりました、OHANASIの必要がありますね」
だから何でそうなる!
君らの耳は都合がいいように解釈するようになっているのか。
スライムの胸を維持しながら、魔力を飛ばせるなんて凄いね。でも別の機会に見たかったな。
「ボス~~~~!」
面倒なのが来た。
「デルタ、今はちょっと....何してるの?」
「ボスと追いかけっこ!」
「そう、追いかけっこ」
「そういうんじゃなくて」
四足歩行で走るデルタの背中にはライフルを構えたイータが乗っている。
イータが着ているのは迷彩柄で周囲に溶け込めるようになっており、ハンターの様な服装だ。
「ハンティング」
「ハンティング!!」
「約束破った、マスターを、ハンティング」
「ハンティング!!」
デルタはよく分かっていないようだが、イータは本気だ。
意味はないと思うが一応話しておこう、一応。意味はないと思うけど。
「イータ、皆を説得して誤解なんだ」
「分かってる、五回したんでしょ、その分、受け止めるから」
「だから違うって」
やっぱり嚙み合わない。
イータの参加で4対1となった。ゼータとイプシロンが攪乱、隙が出来た所にアルファが近接戦を仕掛けてくる。
そしてイータの事を忘れた辺りで弾丸が飛んでくる。
「あぶ.....何これ?」
放たれた弾丸は形状はおかしくないが、先端に針がつき弾の中からちゃぷちゃぷと液体の揺れる音がする。
「睡眠薬と麻痺毒」
「僕、殺されるの?」
「大丈夫、危険は、ない」
イータの危険がない程信用できない言葉はない。
実際に、危険がないと言ってやった実験では爆発が起きたし、薬には何かしらの副作用があった。主に僕の聖剣が言うことを聞かなくなったとかだが。
追いかけっこもそろそろ終わりになりそうだ、日も傾いてきたし皆の体力もいい感じに削れた筈だ。
外泊の許可は取ってあるが今日は帰ってまた落ち着いた時に来て話をしよう。
「じゃ、頭冷やしてね」
地面を蹴って空に飛び上がる。
シャドウガーデンの中なら飛べるのは僕だけだし、夜なので僕の姿は夜空に溶け込み見えなくなる。
更に皆の体力を削っておいたので帰るのが精一杯....
「ん?」
光輝く球体が飛んでくる。近づいてくるとどんどん光が強くなっていく。
まさか.....
「撃墜」
爆発を確認するとイータがぼそりと呟く。
シャドウが飛べるようになってから開発した、試作型のランチャー。
余りにも命中精度が悪く使い物にならなかったが今回は上手く行ったようだ。
「ちょっとあれやりすぎなんじゃないの!?大丈夫なのよね!?」
「大丈夫、大丈夫」
と言っているが、空からは丸焦げになった人型の何かが落下してくる。
「全然大丈夫じゃない!どうするのよ!!」
「落ち着きなさい、ただの偽物よ」
「え....ホントだ」
慌てていたイプシロンだが良く観察してみると、人型ではあるが表面が液状に波打っている。
スライムを使ってシャドウの姿に似せただけの偽物が落下しているが、形と魔力から本物と見間違ってしまった。
「ですが全く魔力を感じません、一体どこに?」
「あっちにいるのです!」
魔力は消せても匂いまでは消す事が出来なかったようで見つかった。
「なら、すぐにでも....」
「止めといた方がいい、私1人でいく」
珍しく積極的なイータに驚くがこの場にいる者は疑いの方が強かった。
「抜け駆けするんじゃないわよね?」
「そこまでバカじゃない」
ハッキリと言い切った事で一先ずは信じることにしたようで先を促す。
「今なら油断してる」
「でしょうね」
「アルファ様なら絶対に見つかる、だから、一番有り得ない、私が行く」
「それは分かったけど、どう捕まえるつもり」
「ん、ワンちゃん」
「デルタ犬じゃないもん!」
「ごめん、穴堀って」
「なんで?」
「必要だから」
「よく分かんないけど分かったのです!」
デルタが穴掘りを始めて僅か1分足らずで深さ2m程の竪穴が出来たが、スピードを重視したため周りにいた者達に土がかかるが穴の中にいるデルタには見えていないので吞気にしている。
「おつかれデルタ」
「どうやってボス捕まえるのです?」
「それは、私が、やる」
「え~~~」
イータは穴の中に降りるとスライムをシールドマシンの様に変化させる。
「合図したら、迎えに来て」
変化させたスライムを回転させ堀進めていく。
わざわざデルタに穴を掘らせたのは自分の労力を少しでも減らす為に掘らせたのだが
「ハンティング!」
掘削機代わりにされた事には気づいていなかった。
30分程して、もしかして抜け駆けした?やっぱり失敗したのか?と考え始めていた頃、魔力が打ち上げられ閃光弾の様に発光し始めた。
合図を確認し、向かうと何とかしてシャドウを運ぼうと引っ張っているイータがいた。
「疲れた、交代」
「どうやって捕まえたの?」
いくら油断していたとしても、シャドウは簡単に捕まるような男ではない。
聞かれたイータは少し離れた地面を指差す、そこにはライフルの銃口程の小さな穴が空いている。
「マスター、有頂天だった、楽勝」
シャドウの何よりの弱点は、周りに人がいない事に確信が持てると直ぐに調子に乗る事だ。
こうなったら、余程の事が無い限り敵意を向けられても反応する事はない。
実際シャドウの脇腹には弾が命中していて中の薬剤も空になっている。
「ブイ」
「拍子抜けね、連れて帰るわよ」
眠っているシャドウはデルタに担がれて連れ去られてしまう。
一応危険は感じているようで眉がひくついているが寝ているのでどうしようもない。
誰かが話している声が聞こえるが、頭がボーっとする。
それに体も動かない、何かで関節を固められているような気もする。
「はっ!」
「あら、やっと起きたのね」
「あ、おは....なにこれ?」
体を見てみると、鎖が関節を固めるように巻き付き椅子に縛り付けられている。
周りは裁判所の様な作りになっており、正面にアルファ、ベータ、イプシロン、ガンマ、イータが座り、左側にはデルタとゼータが座っている。右側には誰も座っておらず空席となっている。
「では被告人...」
「被告人!?ちょっと頭が追いつかないんだけど!」
「静粛に、被告人は許可なく発言しないように」
こ、こいつ。
というか被告人って犯罪者扱いかよ、何をしたってい....
「ではこれより七陰裁判を開廷します原告は七陰、被告人はシド・カゲノーとします」
「だから、なに...」
「静粛に」
謎の迫力に押されて、話せなくなるが負ける訳にはいかない。
「弁護人呼ばせて下さい」
何の罪で裁かれるのかは知らないが自己弁護だけでは到底勝てそうにない。
弁護士が必要なのだ。
「却下します」
「弁護人呼ばせて下さい」
「静粛に」
「弁護人呼ばせて下さい」
「被告人は許可なく話さないように」
「アルファは僕のへ....」
「いいでしょう、弁護人を呼ぶ事を許可します」
人の弱みに付け込むような事はしたくなかったが許してくれ。
でも僕を囲んで追い込む君達だって悪いんだ。
「ダメですよアルファ様!いくらシャドウ様と言えども....」
「ベータは僕のスト.....」
「許可します」
「ちょっとベータ!そんな簡単に.....」
「ガンマはペッ....」
「許可します」
「な、何なのよ。そこまで隠したがる事って....」
「イプシロンは練習に....」
「許可します」
「ゼータは僕の寝こ....」
「許可するよ」
「許可」
「よくわかんないけど許可するのです!」
許可は貰えたから弁護人を呼ぼう。
弱みに付け込んだのは謝るごめんね。
「べ、弁護ですか」
「お願いラムダ、この状況で頼れるのはラムダだけなんだ」
「そ、そうですか....頼れるのは私だけですか....分かりました弁護しましょう」
この状況だと頼れるのはラムダだけなんだ。
よく知らない人には頼めないし、頼めそうな人は何故か全員敵に回ってるから頼めない。
そうなるとラムダ以外いなくて困っていたんだが受けてくれて良かったよ。
「ところで弁護とは何の弁護をすればよろしいのですか?」
「裁判だって」
「え」
「何か分からないけど、僕悪いことしたみたいなんだ」
「よくわかりませんが、分かりました」
弁護人は確保できた、これで戦える。
「確認したいのですが、アルファ様よろしいですか?」
「何かしら?」
「これは裁判という言い訳でシャドウ様を襲うといった事ではないですよね?」
聞いちゃうんだそれ、僕は聞かない様にしてたんだけど聞くんだ。
「違います」
「....そうですか、かしこまりました」
聞いたんならもっと突っ込んで、僕が有罪になったとしても襲われないようにしてくれても良くない?
人選まちがえたか。
「では改めて開廷いたします」
「被告人の容疑は?」
「約束を破り自慰をした疑いがあります」
「....へ?」
その顔をする気持ちはよく分かるよ、僕だってこんな事になってる意味が分からないから。
世界一下らない裁判だと思う。
「したんですか?」
「してない」
ラムダまで疑うとは、僕ってそんなに信用ないかな?
「被告人は否定していますが、何か証拠があるのですか」
あれなんでだろう、ラムダに被告人って言われたら心が痛くなった。
「5回したと自己申告しており、複数名が確認しています」
「シャドウ様」
「なに?」
「お呼び頂ければ幾らでもお付き合いいたしましたのに」
「今そういう話してないから、お願いだから弁護して」
頼むから弁護して、今そういう反応をされると凄く困る。
「被告人は必要以上の私語は慎むように」
ほら、怒った。
連れて来る弁護人間違えた。
「回数の5回じゃなくて、言葉を間違えて捉えてる意味の誤解だから」
「.....あ、ああそういう意味ですか」
ラムダが時々天然なの忘れてた。
「アルファ様が思い込んでいる可能性もあります、他の証拠の提示を」
「いいでしょう、ベータ」
席から立ち上がったベータの手にはファイルが握られている。
直感で分かった、あれを読ませてはいけない。でも体は動かないからどうしようもない。
「先日、クレア・カゲノーが帰省しました。その日からシャドウ様は.....シャドウ様は....毎日...毎日のように抱き、抱き枕にされており、耐えられなくなったシャドウ様が自己処理したというのが私の見解です」
だから、なんで知ってるのかな。
毎日ストーキングして疲れないのかな。
「シャドウ様を抱き枕になんて.....羨ましい」
弁護人やる気ある?
「羨ましい...ごほん!そ、それで他に何か証拠はありますか?」
駄目だこの弁護人、碌に弁護してくれない。
「次は私だね、主の父君のハ.....オトン・カゲノーに怪しい動きがあってちょっと調べたんだ」
ついに七陰にすらハゲ呼ばわりされるようになったか。
「調べたら書店でおかしな注文をしてたから気になって調べたんだ、そしたら....」
なんか嫌な予感がして来たな。
「前と同じくエッチなのを買ってたんだ」
なんでまた買ってるんだよ、あれだけ搾り取られてたのに懲りてなかったのか。
「ですがシャドウ様が使用した形跡は確認できていないのなら証拠としては不十分ではないのですか?」
やっとまともな弁護してくれた。
「他にもあるよ、屋敷で急にメイドと仲良くなったり街でも人気が出たりしてその可能性は否定できない」
「それ言いがか.....」
「静粛に」
言い掛かりの自覚あるんだから、黙らせようとしたんでしょ?
「では、判決を言い渡します」
「早い、もっとこっちの言い分とか...」
「静粛に」
クソ、これはもう有罪確定だ。何とかして逃げないと。
「被告人は有罪、35回の刑を言い渡します」
ホントに干からびる。
「お逃げ下さい!ここは私が持たせます!」
「逃げようにも鎖が巻き付いて逃げられないんだけど」
「すいません忘れて...きゅう」
「邪魔」
気を逸らした瞬間を狙って気絶させられた。
「再審を要求する」
「却下します」
「こんなの横暴だ!」
「好きなだけわめくといいわ、その間に終わらせるから」
「僕は屈しない.....あっ!」
「この恨み....はらさでおくべきか」
35回なんて頭のおかしい回数を避けることは出来たが21回はキツイ、だが全員の弱点をより正確に知る事ができたから必ず復讐してやる。
「おはようございます、お風呂の準備はできています」
やたらウキウキしたラムダがいる。
負けはしたが弁護してくれたから1回ぐらいなら別にいいと思うけど
「ごめんねラムダ、今したら枯れるから1人で入らせて」
ホントにごめん、今したら僕は男として死んでしまう。
「....そうですか」
しょぼんって音で表現できそうな程落ち込んでる。
まあ、弁護して貰ったし明日なら回復してるだろうし。
「明日なら回復してる...」
「ホントですか!!では準備しておきます!!」
回復すると言っただけでやるとは言ってないんだけど、もう行ってしまったから仕方ないか。
「ご飯沢山食べないと」
早急に回復させる必要がある。
メイド姿のラムダに色んな意味で癒されて家に帰ってきたが怒りは収まらない。
オトンへの復讐はしっかりする事に決めた。
一発殴るのもそれはそれでスッキリするだろう、だがしかしスカッとするためにはオカンにボコボコにされるのが一番いいだろう。
「失礼します、母様」
いつもの落ち着いたオカンがいた。
これから僕が般若に変える事を考えると気が引けそうになるが復讐の為だ。
「何かあったの?そんな顔して」
今の僕は悲劇のヒロインの様に悲痛な表情をしている。
見たくはないものを見てしまったがそれを言い出せずに抱え込んでしまった風を演じて、心配させてからのぶち切れで破壊力を高める。
「実はそのハ....お父様が」
ハゲって言いそうになった、気をつけよう。
「あの人がどうしたの?」
「そのうっ...ぐすっ...」
「どうしたの!?ハゲが何かしたの?」
さっきまであの人って呼ばれてたのにもうハゲ呼ばわりか。
「その見ちゃったんです....この前の夜に」
「何を見たの?」
「父様が....エッチな本を読んでたんです」
「そうエッチな....聞き間違いかしら?エッチな本?」
「はい」
フハハハハハ!これで僕の復讐はたっせ.....オーバーキルだなこれ。
「ユルサナイ」
般若とかいうレベルじゃない、死神がいた。
そのままオトンの部屋に何故かついていくことになった。
オカンが部屋の扉を蹴破ると吞気に手鏡で髪の毛や顔を確認しているオトンがいた。側頭部にしか毛がないのに確認する必要があるのか。
「ど、どうしたんだ」
「ちょっと小耳に挟んだのだけれど、あなたがまた買ったのかもしれないって聞いたのよ」
「そ、そんな事ある、わっけないだろう!」
分かりやす。
オカンは買ったかもしれないと言っただけで「何を買った」かは明確にしていない、その反応をすればもう買いましたって言っているようなものだよ。
「ふ~~ん」
部屋を見渡すとおかしい物は何もない様に見えるが、僕はそれに気付いた。
以外にも几帳面なオトンは本棚で本の大きさを分けて保管している。
なのにある本棚の一番下の段だけ他の段よりも本がせり出ている。分かりやすい隠し方だ。
そしてオカンもそれに気づいたようでしゃがむと本を取り出していく。
「これは何かしら?」
ついに見つかった。3冊の本が取り出される、パラパラとめくって中を確認すると表紙ごと引き裂いた。
「俺のロマンがーーーーー!!シド!お前か....」
「なに息子に当たってんだよ」
「す、しゅいません」
借りてきた猫のように大人しくなった、死神が鎌を振り上げてるのに抵抗するほど馬鹿では無かったか。
「お前は鶏かなんかか?」
「人間です」
「そうだよな、約束もろくに守れないのかお前は?」
もう完全にその手のお仕事をしている人の喋り方になってる。
「行くぞ」
「はい?」
「ベッド以外あると思ってんのか?」
「たすけ...きゅう」
鳩尾に右ストレートが叩き込まれて気絶した。何回見てもオカンの右ストレートは凄い、世界チャンピオン狙えると思う。
「シド、あれを処分しておきなさい」
「了解」
オカンは気絶したオトンを引き摺って寝室に向かう。
僕はこの男のロマンを処分しておこう、これを保管したら今度こそ殺される。
「何してるのシド」
おっと、誤解しやすい人が登場した。ちゃんと説明しないとまたとんでもない誤解するから。
「母さんが処分してって言ってたから...」
「いいシド、あなたにこんな物は必要ないの」
早速誤解してる。
「だってあなたにはお姉ちゃんがいるんだから」
雲行きが怪しくなった。
「メイド服を着せたいのなら喜んで着てあげるわ」
「処分するって言ってるよね?」
「耳と尻尾を付けたいのなら付けるわ、お尻を使うのは勇気がいるけどお姉ちゃん頑張るわ」
「聞いてる?捨てるって言ってるよね?」
一歩づつ近づいてきて、僕は少しずつ窓際に追い詰められる。
「屋敷の中ならペットみたいに首輪を付けてもいいし、庭の散歩もしてもいいわよ」
駄目だ、全然聞いてない。自分の世界に入ってるから聞きたい事以外聞こえてない。
「分からせ?っていうのも別にいいわよ、壊れないようにしてくれるのなら何してもいいわ」
「聞いてますか?」
「ハゲ....お父様がお母様にするみたいに地下室に連れていって縛り付けて口にはできないような事をしてもいいのよ」
「聞いて....え、なにそれ」
どいうことだ?
家庭内カーストの最底辺がどうしてトップと調教プレイなんてしてるんだ。
分からない、いつもならオトンがボコボコにされて搾り取られてるのにどうやったらそんな事ができるんだ?
....あれ?何で姉さんはそんな事知ってるんだ?
......藪蛇ってやつだこれ、聞いたらダメなやつだ。
「だからね、あなたにはそんな物は必要ないし、他の女も必要ないの.....だってお姉ちゃんがいるんだから♪」
「そうだね、でも僕は姉さんを大事にしたいからそういうのは遠慮しとくよ」
「あら、嬉しい。じゃあベッドに行きましょうね」
すっ飛ばしすぎ、何故そう....オカンの血を引いているのだからこの状況は当然といえば当然か。
「お断りするよ」
窓を破って、全力で逃げる。
「待って~~~、どうして逃げるの。何してもいいのよ」
そんな甘い言葉には騙されない。
僕がした分だけ、姉さんが思いつくとんでもないことを僕にするつもりなんだ。そうに決まってる。
「待ちなさ~~~い」
絶対に捕まってなるものか。
オマケ エルフじゃなくて.....
深夜のアレクサンドリア、シドの寝室のベッドの上では部屋の主ではない女性が枕に顔を埋めもぞもぞと動いていた。
「ダメ....こんな事したらダメなのに....やめられない」
シーツに包まったアルファは頬を赤らめて、足をもぞもぞとすり合わせている。
一度見つかったというのに懲りずにやる所を見るとシドの事を言えないかもしれない。
もぞもぞと動き息が荒くなり始めた頃、カチャリとドアノブが静かに動いた。
その瞬間、目にも止まらぬ早業でシーツの皺を延ばし、枕の形を整えると天井の隅に蜘蛛のように張り付いた。
ギギギとゆっくり扉が開くと銀髪のエルフが入ってくる。
「誰もいないわよね」
空気と一体化しているアルファには気づかなかったようで一息つくとベッドに近づき
「シャドウ様~~~~~♡」
飛び込み、シーツに包まった。
フンスフンスと犬の様に臭いを嗅ぐと転がりまわる。
「こんな事したらダメなのに、でも止められない!あああ~~~シャドウ様~~~♡.......」
そしてついに天井に張り付いているアルファと目が合ってしまった。
気まずさに耐えられなかったのか天井から降りる。
「な、何でアルファ様が......え、もしかして」
聞いて欲しくない事を聞かれたからか目を逸らして、汗が流れる。
「あ」
アルファがここにいる理由に気付いてしまったベータは気まずそうに目を逸らし、何とも言えない空気になる。気まずい空気をどうにかしようと悩んでいると扉が開きツインテールのエルフが部屋の様子を確認しようと隙間から部屋を覗き
「誰もいないわ....よ...ね」
先客と目が合ってしまった。
ここに集まった3人はお互い同じ事を考えてここに来ているので強く言う事ができない。
「何もなかった....それでいいわね」
互いに一番傷が少なくすむ方法で終わらせるようだ。
欲望に忠実な彼女達はエルフではなくエロフなのかもしれない。