陰の実力者になりたくて!addition   作:読者0

43 / 72
温泉ランドの第一話が先に完成してしまいました。
完成したもののこれからの進行状況によっては修正が必要になるので数ヶ月はかかりそうです。

率直な疑問なんですがシェリーとシャドウのやらかし見たいですか?
考えてはいるんですがどこで入れるか悩むんですよね。

読者のサポートのお陰でユキメを出せました。
ありがとうございます。


スーパーエリートエージェント!!

僕を呼んだのは無法都市で会った白の塔の支配者、狐の獣人のユキメだった。

娼婦らしく少し肌の露出の多い服装、しかも和服。雰囲気は江戸時代、歓楽街として栄えた吉原の花魁、まさに傾国の美女といった風貌。ホントに国を傾けそうな美女だ。

アルファ達にも劣らない美女だ、色気という点ではユキメの方が勝っているかもしれない。

昔あった事もある気がするけど、僕はそれよりも心惹かれる事があった。

 

(あの尻尾に顔突っ込みたい)

 

僕の心情はこれに尽きた。

その背中にある9本の太い狐の尻尾から目が離せない。

前世で大型犬のグレートピレニーズのジョンを飼っていた頃に寝転がっていた所に顔を突っ込んだ事がある。その時の毛のモフモフとした感触は今でも覚えている。

一応うちにもモフモフの尻尾を持つ獣人は2人いるが、ゼータは触れば発情して手が付けなれなくなるし、デルタは触った瞬間に激怒し口をきいてくれなくなる。

その癖僕がアレクサンドリアで犬を飼おうとしたら嫌な顔をするし、アルファも

 

「私....私達との時間と犬と戯れる時間どっちが大事?」

 

なんて言うし姉さんにも同じ事を言われた。

 

「私も犬は好きよ、飼いたいならそうすればいいと思うわ。でもねお姉ちゃんとの時間を削るのは許さないわ、今よりもお姉ちゃんとの時間を大事にできるのならいいわよ。大事に出来なかったらオシオキだから」

 

そんな事を言われたから諦めた。

オカンは姉さんの味方だったしオトンはオカンに同じ様な事を言われて、それに反発したから半殺しにされてた。

諦めたら諦めたで

 

「それってお姉ちゃんより犬の方が大事だってこと?そうなる理由が聞きたいわ。お話しましょうね」

 

かなり面倒なことになった。

幾らでもお金は積むし、僕のコレクションだって2、3個なら上げてもいい。

とにかくその尻尾に顔を突っ込んで感触を楽しみたい。

だが僕は我慢しなければない。

先日僕が無法都市に行くだけで搾り取ったように、僕が大人のお姉さんを買うような事をすればその原因である無法都市を焼け野原にするのアルファは躊躇しないだろう。

だから我慢しないといけない、悔しいが我慢しないといけない。血を吐きそうな程悔しいが我慢するしかない。

 

「随分とお熱い視線で、お話の前に体の方がよろしかったでありんすか?」

 

気づかれてたか、男のチラ見は女にとってガン見でしかないという話は本当らしい。

綺麗だと思うよ、でも僕は君に手を出したら色んな人からボコられる。

まずシャドウガーデンに監禁からオシオキという名のサキュバス達による吸精が行われた後、無法都市の焼き討ちが始まり、姉さんに捕まってボコボコにされて前世ではタブーである近○○姦が始まり3日3晩かけて犯されることになるだろう。

アレクシアも多分優しくはしてくれないだろう。

前から僕が手を出さずにアルファ達と関係を持っているのにいい感情を持っていないからありもしない既成事実をばらまいて責任を取らせようとしてくるのは想像できる。

だから経験豊富な大人のお姉さんを手玉に取る謎の男とかは考えてはいけない。

昔、陰の実力者プレイの1つとして考えていたこともあったが絶対に考えてはいけない。

 

Q.僕が大人のお姉さんと致したらどうなる?

 

A.色んな意味で終わる

 

答えがはっきりとでているから、絶対に手を出してはいけない。

 

「不快にさせたのなら謝罪しよう、珍しくつい見入ってしまった」

「確かに珍しいですが、それ以外の熱く煮えたぎる情もありんしたよ」

 

何故バレた。

その蠱惑的な表情で見ないでくれ。

 

「....勘違いだろう。それよりも本題に入ろう、時間を無駄にするのは好きじゃない」

「イケずなお方、では.....」

 

 

 

 

ユキメと会ってから一日たち、スライムスーツではなく貰ったスーツに着替えて仮面をつける。

僕の陰の実力者としてやりたかった事の1つがこんな形でできることになるとは思いもしなかった。

シャドウは一旦休業だ、今日から僕は.....スーパーエリートエージェント!!

 

「今宵、世界は我が名を知る!!」

 

昨日と同じように列車に呼び出されて今後の確認が行われる。

 

「これは想像以上でありんす、わっちの方からお願いしたいほど」

「それはどうも」

 

ユキメの表の顔である雪狐商会の用意したスーツ、因みにミツゴシ商会のスーツのコピー商品。

見た目や作りはそこまで違わないが肌触りが若干違う。

やっぱりコピー品だと本物には劣るか。

前世の商品をコピーした商品のコピー商品は何て呼んだらいいんだろう。

 

「それではシャドウ...」

「その名は捨てた、今の私はジョン・スミスだ」

 

今の僕はシャドウではなくスーパーエリートエージェント、ジョン・スミス。

名前は有名な探検家から名前を貰っている。

声も変えてみた、あの性癖を詰め込んだ名前の人を声を参考にしている。

 

「そうでありんしたねジョンはん、それではこちらは計画通りに」

「分かっているとも」

 

ユキメの立てた計画、それはミツゴシと大商会連合が潰し合っている間に全てをかすめ取る。

計画自体は気に入らない、ミツゴシにもダメージがあるからだ。

しかし先日無法都市で思った以上に稼ぐ事の出来なかった僕はどんな手段であっても金を稼がないといけない。

ジョン・スミスを楽しみながらミツゴシに余り被害が出ないように金を稼ぐ。

これが今回の方針だ。

 

「ジョンはんの協力を得られたのはこちらとしてもありがたく」

「こちらにも利があった、それだけのことだ」

「利だけだなんてつれないことを仰らずに、ジョンはんなら代金もいりんせん。幾らでも抱いて頂いて構いんせん」

「気持ちだけ受け取っておこう」

「イケずなお方」

 

どうやらかなり本気のようだ。

濡れているという表現が一番近いのだろうか、とろけている様な感じがする。

ベッドでよく見る目だ。

 

「ジョンはんにも動いて貰うことになりんす、ただ大商会連合の裏にはあの男....」

「月丹....だったか?ガーターを裏で操る実質的な連合の支配者。剣鬼などと呼ばれているらしいがその名に相応しい力を持っているのか疑わしいところだ」

「ご存知とは、御見それしんした」

「大したことではない、裏の世界に生きるのなら当然だろう。お互いに」

 

実際はベータが持って来てくれた報告書に書いてあっただけなんだけど、今の僕はスーパーエリートエージェント。エージェントに知らない事があってはいけない。

他人から得た情報を自分が調べたみたいにいうのはよろしくないが今回は仕方ない。

 

「その上で1つお願いがありんす、奴とわっちにはケジメを付けなければならない事が....」

「そう言う話ならお譲りしよう。他人の獲物を横取りする気はない、君の獲物だというのなら手は出さないと誓う」

 

獣人の獲物を横取りしたら碌な目に合わない。デルタで学んだことだ。

狩られたくなかったら獲物は横取りしないのが鉄則だ。

それに彼女は本気だ、デルタの様に狩りの邪魔をされたからではなく復讐もしくは自分の人生にケジメをつける為に言っている。

一般の人は決して許さないだろうが僕は復讐推奨派だ。

特に平和に暮らしていた人がサイコパスとか狂った奴に酷い目に合わされた事での復讐はやるべきだと思う。

 

「他人の復讐を邪魔すれば碌な目にあわないのは分かり切っている。ただ復讐に囚われる様な真似だけはしないでくれ」

「承知しんした、しかし楽しみでんな。王都の商いの覇権をかけた戦い残るのはミツゴシか連合かそれとも....」

「全てを破壊し再生する」

 

言ってみたかっただけ。

実際は破壊もしない、雰囲気に合わせて言っただけだ。

 

ユキメと分かれて帰る時にミツゴシで戦闘が行われているのに気づいて近くで止まってしまった。

一旦シャドウを休業するとは言ったが気になるものは気になってしまう。

3対3、カイとオメガそしてガンマが.....なんでガンマが戦ってるの?血迷ったか?

魔力の動きから分かるがガンマの攻撃はカスリもしていない、敵の攻撃は当たっているがダメージは出ていない。ガンマの体当たりを昔食らったが砲弾が当たった様な衝撃を受けた、あれだけ頑丈なら敵の攻撃も通らないだろう。

ガンマがこけて明後日の方向に攻撃が飛んだのか建物の外壁の一部が吹き飛んだ。

 

「シューーーーーーー!!」

 

恥ずかしい、本当に恥ずかしい。

掛け声を出しながら斬りかかっていて形だけは出来ているが、冷静になって見ると恥ずかしい。

これが僕の指導の結果かと思うと恥ずかしくなる。

外に飛び出した男に斬りかかろうとして瓦礫につまづいてこけると剣が手放され男に向かって飛んでいく。

このままだと男...多分ゴミクズに刺さるだろうがミツゴシに汚い足で踏み込んだゴミの始末は自分でしておきたい。

屋根から飛び剣をキャッチして魔力の制御を奪い

 

「バイバ~~~イ」

 

男を縦に両断し、魔力で灰も残さず焼く。

穴が空いた所から入りガンマに駆け寄ると、いつものように鼻血を流していた。

 

「鼻血出てるよ」

「す、すいません」

 

顔に触れて治療すると鼻血を止める。

 

「これでよし」

「ありがとうございます....あっシャドウ様!」

「うん?」

「ガンマの戦い振りはどうでしたか!?」

 

どうでした.......どうとは?

ガンマの後ろに立つ2人を見るとサッと目を逸らす。

 

「....が...頑張ったと思うよ」

「本当ですか!」

「...でも魔力の制御はもっと練習しようね、簡単に奪えるのはちょっと見過ごせないよ」

「はい」

 

ガンマは能力が低い訳ではないんだが、参謀として動いている事が多いから訓練が疎かになっている。

褒めた後にダメな所を指摘したからか落ち込んで泣きそうになっている。

 

「へ」

「頑張った分のご褒美は上げるよ」

 

唇が軽く触れる程度だがキスをした、これで納得してくれるだろう。

穴が空いた所から出て寮に向かう。

明日からは本格的にスーパーエリートエージェントとしての活動が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミドガル王都を囲む城壁の門の前に豪華な馬車が止まっていた。

高位貴族が乗っていると思われる馬車の小窓にはカーテンがかかっており中の様子を窺う事はできない。一度見たら忘れらないような見た目なのに門兵の誰も見覚えがないのだ。

更におかしなのは家紋がついていないことだ。

これだけ豪華な見た目なら家紋がついていてもおかしくはないだろうにどこにも見当たらないのだ。

だが周りにいる者もその存在をさけ、検問の兵士も必要以上の事を聞かない様にしている。

彼らは本能的に触れてはならないと悟っていたからだ。

彼らの怯えに対して、馬車に乗っていたのは令嬢の様な出で立ちの少女とメイド服を着た少女の従者だけ。

一見人間に見える様だが、彼女達には共通するものがある。

腰まで伸びた血を思わせるような赤い髪、そして赤い瞳。

 

「ようやく会える.....ああ、紳士様」

 

少女の隣に座る従者はむすっとしている。

 

「いるといいですね」

 

嫌味を言っているが長年仕えていた主の勘は疑いようのないものでここにいるのは間違いないが折角2人きりだというのにお邪魔虫が入り込むのに不満を隠しきれていない。

 

「はぁはぁ紳士様.....紳士様ぁ」

 

初めて見る主の発情した姿にドン引きしている。

そして止まっていた馬車は動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都にかつて幾つもの国を滅ぼした吸血鬼の女王....今は遥か年下の少年を追い掛けるストーカーが踏み込んだ。

 

私の(・・)愛しい紳士様♡」

 

その美しい瞳は切れかけの電灯の様にチカチカと明滅している。

再会の日は近い。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。