陰の実力者になりたくて!addition   作:読者0

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続きの続きだお

新作も書いたよ
https://syosetu.org/novel/349445/


魔性の幼児

転生してから克服するのにかなり時間がかかった問題に再び直面することになった。

 

「シャドウ様?」

「ん.....だい、じょぶ」

 

幼児特有の食後の眠気が襲ってきた。

体のサイズが変わっているのを忘れて大量に食べたせいで強烈な眠気が襲ってくる。

無理に起きるのは却下、昔無理に起きて体調を崩してせっかくのお昼ご飯をリバースしたこともある。

リバースした理由には姉さんが塩と砂糖を間違えるという漫画みたいな理由もあったけど。

 

「ボス?」

 

ああ、ダメだ。

瞼が重い、岩でもぶら下がってるんじゃないかってくらいに重いし、視界が霞始めている。

こんなハイエナしかいないと所で寝るなんて危険なのに.....ああ、もういいや。

寝よ。

 

一瞬で執務室は静まり返った。

理由は言うまでもない。

 

「すぴー...すぴー」

 

と鼻息を立てながら可愛い可愛いシドが座ったまま眠ってしまったからだ。

紙が擦れないように書類を整理し、呼吸1つにさえ気を使うようになった。

寝室で寝て欲しいというのが彼女達の本心だ。

薬盛っておいて何を言っているんだという話なのだが、運ぼうにも途中で起きたら罪悪感で死んでしまう。

 

(可愛い....)

 

全員の気持ちは一致していた。

仕事が手に付かなくなるほどの可愛さだった。

 

「ネコちゃん....ネコちゃん」

 

我慢出来なかったゼータはユラユラとよろめきながら歩いて眠る主に近付いていく。

 

「ボスの邪魔しちゃダメなのです、雌猫」

 

ゼータの前にデルタが立ちふさがる。

今のデルタは母性が前面に出ており、子犬....小さくなった主を守る母犬そのもの。

誰であろうと眠りを妨げる者は許さない。

 

「離せよバカ犬.....ネコちゃんがネコちゃんが」

「ボスの邪魔しちゃダメ」

 

眠ったシドを起こさないようにゼータを制圧する。

 

「ラムダ、ゼータを縛るのです」

「え、あ、え?」

「縛るのです」

「はい....分かりました」

 

デルタの変わりように驚きつつも、どこからか取り出した縄でゼータを椅子に縛りつけていく。

 

「離せぇ、離せバカ犬」

「ボスが起きたらどうするのです?」

「ううぅ」

 

起こすわけにはいかず大人しくなる、だが今度は別の者がシドに近づく。

 

「ダメなのです、アルファ様」

「ちょっとだけ、ちょっと頬っぺたモチモチするだけだから」

 

普段であればアルファの言うことには絶対に従うはずのデルタがアルファに反抗するのに驚く。

デルタに押し戻されたアルファは、椅子に縛り付けられる。

その隙をついて他の者も動き出すが瞬く間に制圧されていく。

不埒者を縛り付けシドの安全を確保すると、シドが眠っているソファの肘掛けに顎を乗せ尻尾を揺らしながら眺める。

デルタに協力したラムダはそれを眺めているが、唇の端から血が垂れているので限界は近い。

そんな割と地獄に近い状況の中、扉が開く。

 

「....これは一体どういう状況だ?」

 

入ってきたのは先程バーサーカーと化したオメガであった。

ソファで眠っているシドを見つけると静かに近づきカメラで写真を撮り始める。

 

「はぁ、尊い。もはや天使だ」

 

様々な画角から撮るその姿はまさにOTAKUと言える。

 

「お前一体何があった?」

「何がとは?」

「だってお前さっき....」

 

バーサーカーだったじゃないかとカイは続けようとした。

 

「私が二度もシャドウ様の前で恥を晒す訳がないだろう」

 

先程までバーサーカーだったオメガが理性を取り戻した理由を察した。

艶のある肌、妙にスッキリとした表情。

 

(こいつヤリやがったな)

 

理性を取り戻すのに一番効率的だが仕事中にやることではない。

気持ちは分かるが仕事中にやるか普通?というのが椅子に縛り付けられた欲望に負けた獣達の心中である。

 

「尊い、こんな奇跡に立ち会えるとは私の人生も捨てたものではない」

 

オメガの悪魔憑きの治療に当たったイプシロンは、そんな事の為に助けたのではないと微妙な表情になる。

 

「んむ」

 

眠っていたはずのシドがゴシゴシと目を擦りだす。

 

「うう~~~~」

 

シドの眠りを妨げた事でデルタが不快感を出し唸りだす。

 

「すぴー」

 

座ったまま眠るのが辛かったのか体勢を変えて眠る。

周りで様子を窺っていた者達はほっと一息をつく。

だが間近でそれを見ていたオメガはそうも行かなかった。

いわゆるごめん寝と呼ばれる体勢で眠り始めたからだ。

舌を思いっ切り嚙みながらカメラを構えその奇跡的な一枚を収めようと力を振り絞る。

シャッターを下ろすと力尽き静かに崩れ落ちた。

 

『がふっ』

 

オメガの体に隠れて見えなかった光景が露になり見えると余りの衝撃に脳を破壊され意識を失う。

舌を噛んで耐えていたラムダもこれには限界を迎え気絶した。

耐えられたのは母性丸出しのデルタと、スライムが溶けて本来の姿が晒される事を恐れたイプシロンだけ。そんな事になっているとはつゆ知らず

 

「すぴー....すぴー」

 

と鼻息を立てながら眠り続ける。

 

体を起こして起きると、何故かアルファ達が椅子に縛り付けられていた。

イプシロンだけ起きてるのは盛っているのがバレたくなかったからだろう。

 

「何この地獄?」

 

足元には白目を剝いたオメガが横たわっているし、ラムダは立ったまま気絶している。

 

「ボス起きた!」

「うん、起きたよ。それよりもこれは何?」

「デルタがしたの!」

 

だろうね。だって縛られてないのデルタだけだし。

 

「ボスが寝てるの邪魔するから、デルタがボスを守ったの!」

 

でも縛り付ける事はなかったんじゃない?

 

「褒めて褒めて!」

 

.....なんかいつものデルタと違うな。

無邪気ではあるが、母性?があるようにも感じる。

 

「ありがとう」

「えへへへ♪」

 

いつもなら片手だが小さくなっているので両手で撫でる。

大型犬をわしゃわしゃする感じ。

 

「むふふふふ♪」

 

撫でると楽しいな。

 

「あ、起きた」

 

気絶してたアルファ達が起きた。

 

『ぐふっ』

 

また気絶した。

イプシロンはギリギリ耐えている。目が充血してて怖い。

 

「デルタ、散歩いこっか」

「お散歩!お散歩♪」

 

お散歩と言っても屋上を歩くだけだ。この姿で外に出るわけにはいかないからな。

 

 

お散歩を終えて夜ご飯を終えるとこれまた予想通りの展開になった。

 

「お風呂に入りましょう」

「何言ってるの?入るわけないでしょ」

 

この状況で入るとでも思ったのかこのサキュバスが。

 

「でも入らないと」

「入らないから」

「でも」

「じゃあなんで、皆は椅子に縛り付けられてたの?」

 

スッと目が逸れる。誰とも目が合わない。

デルタは僕を守ったと言っていた。、ということは寝てる間に何かしようとしていたということだ。

 

「....お風呂は諦めるわ」

 

お風呂は、か。

 

「せっかくだから皆で一緒に寝るのも....」

「それも却下」

『どうしてですか!』

「もう一回言わないといけないの?なんで縛られてたの?」

 

都合が悪くなると黙って顔を背ける。誰に似たんだろう?

 

「今日はデルタと一緒に寝るから」

「ボスと一緒!?」

「一緒に寝る?」

「寝る!!」

「なんでデルタと....」

「デルタは僕を守ってくれてたからね、君達よりは安心できる」

「そんな....」

 

この世の終わりみたいに崩れ落ちた。

.....ほっとこ。これ以上話してすがりつかれても面倒なだけだし。

 

「デルタ、抱っこ」

「おお~~~~、ボス軽い」

「縮んだからね」

「んふふふ~~~~~♪」

 

この歳で肩車されるとは思わなかった。

慣れとは恐ろしい、もう羞恥心すら感じない。

 

 

シドとデルタが眠っているのを扉の隙間からひっそりと覗くアルファ達。

 

「羨ましい」

「可愛い」

 

ベッドの上では丸まったデルタの体にすっぽりと収まるようにシドが眠っている。

その様子は我が子を守る母犬そのもの。

 

「皆様、明日もシャドウ様はいらっしゃられるのですからそろそろ戻りましょう」

 

ただ1人覗いていないラムダは覗き犯達を諭すが逆に睨みつけられる。

 

「な、何ですか?」

 

嫉妬を多分に含んだ視線を浴びてたじろいでいるところに同僚からの嫉妬が飛んでくる。

 

「自慢ですか?自慢なんですか?」

「な、何を言っている?」

「シャドウ様に頼られて甘えられたからって調子に乗るなよ?」

「はぁ!?」

「スカートの中に入って貰えるなんて.....なんと羨ましい」

「確かに可愛かったが.....あれは本当に恥ずかしいんだぞ!」

 

エルフ2人からの視線はとげとげしい。

オメガだけ嫉妬の方向性が違ったようにも見えるがいつもの事なので周りの者もまたかと思うだけ。

 

「ねえラムダ、どうやったらそんなにシャドウに信頼されるの?」

 

組織的な立場では信頼を受けているが人間関係となると、少し距離を置かれている時がある。

全てはお仕置きや、人間関係に制限をかけようとするのが原因なのだが彼女達からすれば周りに女が増えるのは許し難いことなのでして当然と思っているので自覚がない。

 

「特にこれといった事はありませんが」

「でもおかしくないかしら?貴方はずっとアレクサンドリアにいるのに近くにいる私達よりも頼られている。特別な何かがあるんじゃないですか?」

「特別と言われましても.....お茶をして少し話すだけですが」

「なら夜は?」

「へ」

「夜はどうなの?」

 

ベータからの鋭い質問に目を泳がせる。

 

「.....普通ですよ?頻度こそ少ないですが一晩の回数も皆様と変わりませんし」

 

言えない、言える訳がないのだ。

メイド服を着ての奉仕プレイ、主人とメイドの身分違いのイケナイ関係、ミスをしたメイドへのお仕置きプレイ等、口に出すのも憚られるプレイをしているが言える訳がない。

恥ずかしすぎて言えない。

彼女よりももっと口に出せないようなプレイをしているド変態(ガンマ)もいるがそのことは誰も知らない。

ド変態(ガンマ)の場合はシドの方も多少楽しんでおりバレればシャドウガーデン内の風紀が著しく乱れる可能性があるので徹底して隠されている。

 

「何回?」

「8回ぐらいでしょうか」

「1人を相手にするなら妥当な回数ね」

 

シドの絶倫具合が伺えるが身をもって体験しているので当然のような反応だ。

何せ集団を相手にした時は10回など余裕で超えているのだから。

 

「1人だけで相手をして貰える機会を作らないと」

「アルファ様、抜け駆けですか?」

「それはどうかと思いますよ?」

「やはりアルファ様にも部門をいくつか担当して貰うべきでしょうか?」

「薬作るの、止めるよ?」

「.....抜け駆けなんてそんなつもりないわよ」

 

総攻撃を受けてアルファも大人しくなる。

 

「ゼータ?」

 

普段ならアルファであろうと抜け駆けしようものなら、容赦なく嚙みつくはずのゼータが大人しいのに違和感を覚える。

 

「.....」

「ゼータ?」

「.....ネコちゃん」

 

扉の隙間からただ猫のパジャマを着たシドを見つめている。

 

「ネコちゃん」

「ゼータ、もう寝ないと明日に響くわよ。シャドウ様の前で恥を晒してもいいの?」

「ネコちゃん」

「ほら戻るわ....強いわね」

 

イプシロンに引っ張られるが爪を壁に引っ掛けて踏ん張る。

 

「明日も会えるんだから戻るわよ」

「ネコちゃん」

「ちょっと!壁紙がめくれてるじゃない!!」

「ネコちゃん」

「ゼータ、いい加減にしなさい」

 

壁から引き剝がされると今度は床に爪を立てて必死にしがみつく。

 

「いい加減にしなさい」

「ネコちゃん」

「いい加減に、しろ」

「うう」

 

ぷすりとイータに注射を打たれて指から力が抜けて引きずられていく。

 

「ネコちゃん」

「もう寝るわよ」

「ネコちゃぁん」

 

両足を掴まれてずるずると引きずられていくが、部屋の中で寝ている2人は寝息を立てながら眠っている。

 

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