ヴァンパイアとアリス   作:獄華

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 退院目前のジョジョ……。彼の病室に夜、ローゼンメイデン第五ドールの真紅が訪ねてきた。


第五ドールの昔話

 

 ジョースター邸の惨劇から三週間後、ジョジョは明日退院となる。

 

 

 「いよいよ退院ね。ジョジョ」

 

 

 「あぁ。君達の介抱のおかげだエリナ……。あれ真紅はいないのかい?」

 

 

 

 「真紅なら。今日も家で本を読んでるわ。あの子本が好きだから」

 

  

 「へぇ……」

 

 

 『ローゼンメイデン』

 

 人形師ローゼンが作ったと言う生きる人形。

 それが真紅なのだと言う。

 入院中、ほんの僅かだがジョジョは真紅とエリナからローゼンメイデンの事を聞いた。

 全部で七体おり、真紅は第五ドールとのこと。

 作られた目的は『アリスゲーム』を征して至高の少女(アリス)になるため。

 ジョジョにアリスが如何に凄い存在なのか分からなかったが………戦う為に存在してると言う事に……少し哀しみを覚えた。

 真紅と話してみたが、常にエリナや、自分を労って気軽に談笑出来るし、ディオのように悪に染まってるわけでもないのがその思いを更に加速させた………。

 

 

 (石仮面もそうだが……。ローゼン貴方は何を考え彼女達を作ったんだ……彼女達がまるで可哀想ではないか……)

 

 

 

 全てを失い0になったジョジョの心に新たな悲壮感が産まれていた………。

 

 

 

 

 ―――その夜。

 

 

 ジョジョは天井を見つめていた。

 ディオは焼け死んだのか……。石仮面はどうなったのか……。様々な考えが頭を過ぎる。

 その時窓がトントンとノックされ「入るわよ」と彼女が入ってきた。

 

 ローゼンメイデン第五ドール……真紅が。

 

 

 「やぁ真紅。見舞いに来てくれなかったから少し寂しかったよ」

 

 

 「ご機嫌よう。ジョナサン。あら屈強な性格の割には泣き虫(べべ)なのかしら?」

 

 

 

 「ハハ。実際昔は泣き虫だったからね。今もそうなのかもしれないな……」

 

 

 真紅の言葉に苦笑しながら返す。

 それを見て真紅は「ごめんなさい変な事を聞いたわ。ジョナサン。貴方は強い」と椅子に座ると本を読み出した。

 

 

 「……強かったら僕は家族を失ってないよ」

 

 「強くなければ本当の自分の弱さを認められない。貴方は充分…自分の弱さを理解している。以外と出来ないのよ、弱さを認める事は……勇気がいるの」

 

 

 真紅の言葉にジョジョはいつの間にか涙を流していた。

 ジョースター卿との思い出……ディオとの思い出……静寂の中ジョジョは静かに泣き出した。

 

 

 「ジョナサン…本当の事を話して。貴方がエリナに何か隠してるのは私には分かるわ。大丈夫誰にも話さない。私は貴方の味方よ」

 

 

 ジョースター邸での惨劇が分かるのは自分とスピードワゴンだけだ。

 警察も動けぬジョジョに聴取に来た際、ディオの逮捕の際の大事故と納得してくれた。

 たまに面会に来るスピードワゴンも……エリナとは打ち解けたようだが、恐らく自分に気遣ってくれてエリナには真実を話していないのだろう……。

 因みにスピードワゴンは真紅とはまだ会っていない。エリナやジョジョに会いに来る前にnのフィールドに逃げるかアンティークドールの振りをする。真紅曰く「スピードワゴンなる男は様子見するのだわ」だ、そうだ。

 

 

 ジョジョを見つめる真紅の蒼い双眸はディオとは違い邪気がない……本当に彼女は知りたいのだ。

 ジョースター邸の真実を。

 

 

 「……真紅。これから僕が話すことは紛れもない事実だ。だがエリナには黙っていてほしい……」

 

 

 「分かったわ……」

 

 

 

 

 

 ジョジョはジョースター邸の真実を話した。

 

 

 

 

 

 

 

 「……そんな。恐ろしい事が」

 

 

 「僕も夢ないしは悪夢であってくれと何度も願ったがこれは現実だ……ディオとの戦いで全てを失った」

 

 

 「……石仮面に吸血鬼ね。まるで御伽噺のようだけど貴方が下らない嘘をつくとは思えないし……何より私の前のマスターが吸血鬼と戦っていたのを覚えてるわ」

 

 

 「なんだって!?。ど、どこで!どの国で戦っていたんだい!」

 

 

 「……落ちついてほしいのだわ」

 

 

 「あ、すまない……」

 

 

 怒涛の勢いで迫るジョジョの威圧に押されながらも、真紅はゆっくりと語り出した。

 

 

 「場所は400年前のチベット。当時の私のマスターは日中は身体を鍛え、夜中は蝋燭の火を頼りに勉強に励んでいた」

 

 

 

 (400年前から吸血鬼とそれに対峙する方々がいたのか)

 

 

 「マスターは不思議な呼吸をしていたの。波紋法と言う呼吸でその呼吸をすることにより自分の体内に太陽と同じ波長の波紋エネルギーを生成する。それで吸血鬼や吸血鬼によって怪物へ変貌した屍生人を倒していた。実際に同行して見たことあるのだわ」

 

 

 

 「波紋法?。あの怪物に勝つ手段があるだなんて!」

 

 

 成る程、そう言う事だったのかとジョジョは歓喜する。

 

 世界をディオのような吸血鬼が跋扈していなかったのは波紋を使い悪しき者達へ立ち向かう勇者がいたからなのだ。

 だがここで壁が立ちはだかる。

 

 

 「真紅。その波紋法。どうやって身につける事が出来るか君は分かるかい?」

 

 

 「ごめんなさいジョナサン……。私は人形だし。マスターも、この技術は勇気と素質がある人間にしか使えぬし伝授せぬと仰言っていたの。私は分からず仕舞いでマスターと別れて鞄の中で永い眠りについた……エリナに巻かれてこの時代で目覚めるまでね」

 

 

 

 

 

 「そうなのか……誰か波紋が分かる人がいればな……」

 

 

 

 

 「力になれなくてごめんなさい」

 

 

 「気にしないでくれ真紅。あの怪物達の弱点が知れただけでも良かった!」

 

 

 「そう言ってもらえると嬉しいわ。では失礼して……ジョジョ」

 

 

 「あぁ真紅」 

 

 

 彼女は来た窓から出ていった。

 

 

 「ジョジョと呼んでくれた……真紅との距離が近くなれて嬉しいな」

 

 

 

 一瞬だけ顔を綻ばせ、ジョジョはまた真剣な表情になる。

 

 

 

 (勇気と素質が僕にあるかは分からぬが……僕は石仮面に関わった者として、吸血鬼や屍生人達と戦わねばならない!。明日家に寄るついでにロンドンへ行こう……今度は波紋に関する情報を集める為にッ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ただいまエリナ」

 

 

 

 「お帰りなさい真紅。紅茶を用意していたから一緒にお茶しましょ」

 

 

 「えぇ」

 

 

 

 

 (伝えられなかった……七年間兄弟のように過ごしたディオが吸血鬼になり実のお父様を殺され何もかもを失った今のジョジョに言えなかった)

 

 

 真紅は紅茶の準備をしているエリナの自室で震えていた……。

 

 

 (前のマスターが吸血鬼や屍生人だけでなくその上位の存在と目される………『闇の一族』や『柱の男』に関して調べていたなんて……)

スタンドも出すべき?

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