ヴァンパイアとアリス 作:獄華
「ジョジョぉ!」
ツェペリに腹を突かれ地べたに項垂れるジョジョ。
エリナは気が気でなくなりジョジョの元に近寄る。
「怪我人に何をするのです!?」
「ホホホホホホ。まぁ端的に言えば治療じゃな。暫く呼吸は出来んが心配はいらん。彼の精神性は充分!後は素質じゃ」
「何を言ってるのですか…!。ジョジョ大丈夫!」
その時ジョジョの身体に異変が起きた。
ミシィ!ミシメシ!ビキベシミシ!
「な、なんだ!。僕の身体が……腕が!」
金色の輝きがジョジョの右手に疾走る。
ジョジョとエリナが驚く中、真紅は冷静にその輝きを見ていた。
(懐かしいこの輝きは……。正しく波紋なのだわ)
400年前自分が見た輝きと相違無い波紋が今ジョジョの右腕に走っている。
………やがて波紋の輝きは収まっていく。
「複雑骨折した腕が……!。殆ど痛みもない!。こんな石も持てる!」
ジョジョはバスケットボールより少し大きな腕を難なく持ち上げそれを見てエリナは更に驚いていた。
「信じられないわ!」
「ツェペリさん!貴方は何者だ!」
「落ち着きなさい。波紋使いと言ったろう。ジョジョ、君の呼吸が痛みを消し去ったのだよ……ハ、ハ……ハヴション!レッ!」
サンドイッチをまた頬張ろうとして胡椒を掛けた時、鼻に入ったのかクシャミをしてツェペリは石壁の後方に倒れ込んだ。
(呼吸……!昨日真紅が言っていたな!。不思議な呼吸法だとッ!)
ジョジョは真実を知ろうとツェペリの元に駆けて近づく。
「何故僕にこんな事を!どうして僕の名を……なっ!いない……」
「質問は一つずつだってばさ〜……ジョジョ」
「いつの間に後ろへ…!」
気配も何もない。
ツェペリが倒れたところを覗き込んだ時には、確実に彼はそこに倒れ込んだ筈なのに……いきなりジョジョの後ろに移動していた。
目や感覚でも全くジョジョはツェペリの気配を捉えられなかった……これも波紋の成す技なのだろうか。
「答えを見せて上げるよ。ついておいで。そしてそれを見て私を知ったら君の運命はまた変わる!」
エリナが心配そうな顔でジョジョを心配するが「大丈夫ミスターツェペリは信頼出来るお方だわ」と真紅が窘める。
ジョジョとエリナはその言葉を信じツェペリの後を追っていく。
ツェペリは町を流れる小川にやってきた。
「私は君の横隔膜を指で突き、そして特別な呼吸法にしたのだ」
「特別な呼吸法……やはり波紋は呼吸法なのですね」
「ほう。呼吸に着眼を置いていたか。そこのローゼンメイデンからお聞きになられたのかな?」
「えぇ。私の400年前のマスターが正しく波紋使いだったから。ジョジョにはお話ししたわ」
「納得だ。400年前君が目覚めた時、仙道波紋の歴代戦士の中でローゼンメイデンの伝承が残っただけはあるな。どれジョジョ……呼吸が起こすエネルギーを見せてあげよう」
濡れるのなど全く気にせずツェペリは川の中央迄足を進めた。
そこには嘗て柱があったであろう四角形状の小さな朽ちた断面とその上に乗る蛙がいた。
「な、何をする気だろう……!」
「スー……ハー……スー……ハー……」
ツェペリは呼吸を繰り返す。
「クウウウオオオ!」
一際大きい呼吸をした。
両手を広げ先程ジョジョの身体に走った物と、同じ色のエネルギーがツェペリの身体に疾走る。
「あれはいったい……!」
ジョジョが驚くのも無理はない。
ツェペリが身を置く川にも変化が見られ、『波紋』が水面に浮かび上がっていた。
「身を動かし水に伝わってるわけでもないのに!動かずあんな形!不自然だ!」
「今から見せるのは君の痛みを消したのと同じものだ……ブルァァァァァァァ!」
あろうことかツェペリは、握り拳を作り蛙を殴ろうとしたのだ。
「やめろー!」
「きゃあ!」
止めるジョジョと悲鳴を上げ目を閉じるエリナ……蛙はツェペリに潰されミンチになるかと思われたが―――。
メメタァ!
「フッ!」
実に奇妙な瞬間だった。蛙は一瞬だけ衝撃を受け潰されたかと思ったが原型を留めており蛙の下にあった朽ちた柱の断面だけが粉々に砕けたのである。
蛙はやはり何ともなく自分を乗る土台が無くなったと分かるや否や「ゲコゲコ」と泣きながら川を泳いでいった。
「蛙は何ともない!」
「これが『仙道』だ」
「せ、仙道…?」
「チベットもとい東洋での波紋の別な言い方よ」
懐かしそうに目を細め真紅は口にする。
「うむ、真紅の言う通り。波紋エネルギーこそ仙道パワー……私の波紋エネルギーは蛙の肉体を波紋となって伝わり岩を砕いたのだ!。ジョジョ!私は知っている!あの石仮面は壊れていない!石仮面の男ディオが持っている!」
「……なんて事だ。死んでいないだけでも衝撃的な事なのに……石仮面もディオが持ってるなんて!」
「ちょいとした情報網じゃよ。私は何十年もあの石仮面を探している!石仮面を破壊するために!石仮面を被った者を倒す為に!」
ツェペリの鬼気迫る勢いにジョジョは圧倒されていた……これ程の凄味。ツェペリと石仮面にはどんな確執があったのか………。
「君は既に石仮面と戦う運命にあるッ!さもなくば死ぬ!君もこの全人類も!」
「まさか……」
「ジョジョ何の事?。あの人はいったい……?」
「エリナ……。すまない。君には言えないがやらねばならない『運命』があるんだ……君を巻き込むわけにはいかない」
「ジョジョ……。こうなってしまったら貴方を止められませんね……。七年前の貴方を思い出しますわ」
エリナはジョジョの手を握る。
「超えて!そして克服して下さい……その運命を!。貴方が戻ってくると信じています…」
「本当にすまない……ありがとうエリナ」
(おぉ!)
ツェペリの視点が一点に釘付けになる。
ジョジョが一瞬だけ掴んだ木から花が咲いていたのだ。
(信じられん!腕の骨折を治した波紋エネルギーがまだ残っており枯れかけてた花が再生されたんだ!。このジョジョと言う青年は途轍もない才能と力を眠らせているのかもしれん!この青年なら世界を救えるかもしれんぞ……!。何れは柱の男とも相見えるかも………!)
「お二人さん。お取り込み中のところ悪いがジョジョもう君に波紋の訓練を教えたい!。いいかね!」
バッと赤面しながら二人は互いに離れる。
「はい!ツェペリさん覚悟は出来ています!」
「うむ!いい目じゃ!。おぉその前に私の相棒を紹介しよう」
「相棒?」
地面に影が写る。
「初めましてミスタージョースター、ミスペンドルトン。そして久しぶりだね真紅」
空からゆっくりと短めの黒いシルクハットを被り蒼い服を着た赤と緑のオッドアイの人形が降りてきた。
「あなたは……!。蒼星石!」
「息災で何よりだよ真紅。ジョースターさん。ペンドルトンさん。ローゼンメイデン第四ドール蒼星石です……以後お見知り置きを」
蒼星石は帽子を取ると丁寧に二人に挨拶してみせる。
ジョジョとエリナは初めて他のローゼンメイデンを見た。
真紅とは対照的に青くボーイッシュな服装だが彼女もアリスを目指す一体なのだろう。
「あぁ。宜しく蒼星石」
「宜しくね。蒼星石ちゃん」
「このツェペリ。母国のイタリアにいた頃。一枚の紙が届いた。『Vuoi arrotolarlo(巻きますか)? Ti piacerebbe arrotolarlo?(巻きませんか)?』ワシには直感的に修業で訪れたチベットのローゼンメイデンの伝承が頭を過ぎり、Vuoi arrotolarlo?にマルを付けた。そして蒼星石のマスターになったと言うワケじゃ」
「へぇ。なんだか不思議な紙ですね。巻きますかにマルを付けるとローゼンメイデンが届くなんて」
「彼女らは伝説の人形師ローゼンが生み出した存在……。生半可な手段では会えんと言う事じゃろうな。蒼星石には情報収集等で役に立ってもらっておる……ではジョジョ始めるぞ!波紋の訓練を!」
「はいッ!」
その日からジョジョの波紋の訓練が始まる。
ディオを倒し、石仮面を破壊するために………。
彼は一ヶ月ツェペリの訓練に耐え続けた。
―――――そして。
「よし!もう良いじゃろう。ジョジョ!お前の波紋の力は充分じゃ。ディオが差し向けた屍生人二体を倒し、蒼星石が奴等の位置も突き止めた!ディオとローゼンメイデン第一ドール水銀燈のな!」
「はいツェペリさん!。しかし未だに驚いています。ディオも……ローゼンメイデンと契りを交えていたなんて」
「うむ、そのディオと言う男。蒼星石の諜報では水銀燈の正体を君はおろか使用人にすら漏らさないのを見るにとてつもなく狡猾な様子。こちらも万全を期して最大戦力でウインドナイツ・ロットへ向かおう!。明日にでも出発じゃ。これ以上犠牲者は出せん!」
「はい!」
ジョジョは明日に向け準備を初める……ディオと本当の決着を着ける覚悟を決めた。
ジョセフと契約するドールは誰がいい?
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金糸雀
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翠星石
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雛苺
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雪華綺晶