ヴァンパイアとアリス   作:獄華

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明日の勇気

 

「しっかしすげーな。ツェペリのおっさんよぉ!」

 

 

 生命磁気への波紋疾走で葉っぱを集め大きな一つの葉っぱを形成して飛行してる中スピードワゴンは興奮気味に告げた。

 

 

 「ディオが吸血鬼になった時から常識が麻痺って疑問にも思わなかったが、一番の謎はアンタだぜ!。ツェペリのおっさん!。アンタどこでこんな事を覚えたんだ!?」

 

 

 ツェペリの目が何処か懐かしさと悲愴を帯びた目つきに変わる。

 

 「いいだろ。私が何故仙道波紋を学ぶに至ったか……ジョジョには前に少し話したが、今話す事は彼にした話しの捕捉でもある」

 

 フゥ……と波紋が崩れない程度に息を吐き出すと彼は過去を話し初めた。

 

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

 このツェペリ……。ウィル・A・ツェペリは若かった。

 私は未知の探求に限りない興味を持つ若者だった。

 学者であった父の遺跡発掘隊に参加した私は世界中を旅して回った……そしてアステカ遺跡へ発掘に行った時のこと。

 

 

 ………私はあの忌々しい『石仮面』を見つけてしまったのだ!。

 ……そ、そして帰国途中のことだ…。

 隊の中の一人が何かのきっかけで仮面を被り発現させたのだ!。

 血に飢えたそいつは友人の首をバックリ断ち切り……腕を!足を!身体を!引き千切りまくった!。

 たちまち船内はパニックになった……。

 

 

 

 「ぎゃあぁぁぁぁ!」

 

 

 

 船内58名皆殺しだった……。

 私は海に飛び込んだがそいつは追って来た!。

 

 

 「WRYYYYYYYYYY!」

 

 

 掴まり……肩に指を挿し込まれ血を吸られようとしたその時!。夜が明けた!。

 ……………朝日の光で初めて見たそいつの顔は………。

 

 発掘隊の隊長……私の父だった……。

 

 石仮面を積んだままの船は何処かへ流されていった………私は恐れた。

 何処かで石仮面の力が再び発現するだろうと。

 その為の対抗手段を考えて置かねばなるまいと。

 そして波紋法に辿り着いたのだ……。

 程なくし、わしはインドの港町で一人の奇妙な男と会った。

 僧と見えない程若くみすぼらしいのに自分を医者だと言うのだ。

 わしは驚いた……西洋医学では切断しなければならない腐りかけの足を光を放つ手で治療してみせたのだ!。

 その力こそ波紋だったのだ!。

 波紋の力ならば石仮面の最悪の事態に対抗出来ると感じたわしはチベットのヌーと呼ばれる川を上流へ上流へと登り……その医者の師に会いにいった。

 名はトンペティ。

 そこで師事したのだ……。

 

 

 

 

 ――――――

 

 

 

 

 

 「ほぇ~!。チベットの山奥まで、とんでもないところで修行しているもんだな!」

 

 

 

 笑いながら話すスピードワゴンとは裏腹にツェペリの表情は暗い……。

 彼の頭にはトンペティと交えたある会話が過っていた。

 

 

 『遠方から来た者よ。そなたの未来が見える。そなたここで修行をするつもりか?。すれば運命が大きく変わり死への宿命を背負う事になるぞ』

 

 

 『構いません……。私には命を賭して学ぶ理由がある!』

 

 

 

 

 (我が師トンペティの予言。これはジョジョにも誰にも言えぬ秘密よ……。『闇の一族』や『柱の男』のこともな……)

 

 

 

 一部を除き語られたツェペリの話を皆はそれぞれ違った気持ちで受け入れていた。

 順風に見られた生命磁気への波紋疾走による飛行であるが……脅威はまだ終わっていなかった。

 

 

 「ゴババァ!」

 

 

 「タ、タルカスだ!!」

 

 

屍生人になり吸血鬼には劣るが不老不死になったからか、タルカスはあの断崖から飛び込んできたのだ。

 

 「WRYYYYYYYY!」

 

 

 

 「む、無茶な奴だ!。飛び込んで来るとは!」

 

 

 

 「ググワァ!?」

 

 

 

 乗り移るもタルカスは弾き飛ばされた。

 

 

 「このグライダーは生命磁気の波紋の塊よ。触れれば当然そうなるわ!」

 

 

 「アレは!」

 

 

 ジョジョが声を挙げると岩壁に面した形で城を模された建物があった。

 

 「昔の騎士達の修練場だよ!」

 

 

 「あそこへ飛び移るぞ!。あそこに乗らなければ下に叩きつけられる!」

 

 

 

 「うむ」 「えぇ」 「おう」 「え、ちょっと……うわぁ〜!」

 

 

 ポコの悲鳴を聞きながら一行は修練場の建物に飛び降りた。

 ……タルカスは一行と同じ場所にはつけず物凄い速度で城壁に激突する。

 さしもの屍生人も飛行する術は持ち合わせていないようだ。

 

  

 

 

 「タルカスの奴!あの高さから石壁へ直撃か!」

 

 

 「いくら屍生人とは言え、あの高さでは骨肉はバラバラじゃろう!。仮面を被ったディオとは違い肉体の再生能力はないからもう動けぬはず……」

 

 

 

 「だと良いのだけど……」

 

 

 

 ……一行の期待は容易く裏切られた。瓦をゆっくりと動かす音がタルカスがぶつかった場所から鳴り響いたのだ。

 

 

 「GAAA……」

 

 

 白い吐息を漏らし、怨嗟に染まった目が遥か上から眺めるジョジョ達を捉える。

 全身血だらけだと言うのにまるで痛み等感じてないようにタルカスは城壁を登ってくる。

 

 

 

  

 「な、なんて奴だ!。まさに戦いだけが生きがいか!骨はボキボキに砕けている筈なのに……!」

 

 

 

 「ローズテイル!」

 

 

 

 真紅が攻撃を放つもローズテイルは重なってる城壁の死角になってしまい攻撃が届かない。

 ……しかも真紅の動きが段々と鈍っていく…。

 

 「しま……った……螺子の限界が……」

 

 

 「真紅!」

 

 

 「ご、めんなさい……皆」

 

 

 ジョジョの腕の中で真紅は螺子がきれた。

 

 

 「うむぅ……彼女達の螺子が切れ、タルカスは追って来るか!。我々の目的はディオだが追って来るならここでタルカスを迎え撃つしかない!。ジョジョ!。そのガキンチョを建物の中へ避難させろ」

 

 

 この時タルカスが城壁に開いてある穴に気づいた事には誰一人とて気づいていない。

 それだけ一行はポコを安全な場所へ避難させるのに夢中だったのだ………当然この先の罠も見抜けないでいた。

 

 

 

 「ムッ…」

 

 

 目の前にあった扉がギィィィィと不気味な音を鳴らしジョジョは開く。

 取っ手を掴んだ時奇妙な違和感を覚えた。

 

 

 「……なんだこの扉。おかしな手応えだ…」

 

 

 「気を付けて!。ここは騎士達の殺人修練場の遺跡!色んな仕掛けがあるって噂だよ!」

 

 

 ポコの警告に警戒しながらジョジョは足を進めた。

 酷く暗く、閉塞感を感じる……こんなところで訓練する気はとても起きそうにない。

 しかしポコが言う仕掛けもなさそうだ……と中央あたりまで進んだ時だった。

 ジャラララ……と不気味な鎖の音が背後から迫ってきたのだ。

 

 

 

 「ジョースターさん!何か出てくるぞ!」

 

 

 

 時すでに遅し。

 

 ガッシンン!

 

 

 

 「ハッ!……グァァァ!?」

 

 

 

 「兄ちゃん!」

 

 

 

 ジョジョは首を鎖に拘束されそのまま引っ張られていった。

 ……更に最悪な事に扉が閉ざされた。

 今、ジョジョとスピードワゴン達は分断されたのである。

 

 

 「こ、これは……タルカス!」

 

 

 引っ張られるジョジョの身体……ジャック戦で見た赤紫の炎が灯す先には……先程まで下にいたタルカスがいた。

 ジョジョと同じく首に鎖を巻いて。

 

 「ふぅむ。懐かしい双首竜の間……。チェーン・デスマッチ。三百年振りにやってみるか……」

 

 

 ここは中世騎士殺人修練場の一つ。双首竜の間。

 チェーン・首輪(ネック)・デスマッチ……。

 タルカスは不気味だが何処か懐かしそうに鎖に触る。

 

 「48人を葬った。ワシのもっとも得意とする競技の一つよ!」

 

 

 

 『まぁ。これはジョナサンにとって最高の試練になりそうね。ディオも喜ぶわ』

 

 闇夜から響く一度聞いたら忘れない声……。黒い羽があたりに舞い散る。

 

 「水銀燈か……!」

 

 炎が揺らめきその中から彼女は姿を現した。

 

 「ごきげんようジョナサン。ディオが貴方に与えた試練……ブラフォードは突破したようだけど……タルカスは出来るかしら?」

 

 「チッ、また呪い人形風情か。一体何体おるのだ?」

 

 「勘違いしないで。私はディオと契を交えた。つまり主が敵対するジョースター一行は私の敵でもある。って言うかあなた私の愚昧の金糸雀と面識あるはずなのに思い出せてないのねぇ」

 

 

 「金糸雀だぁ……!そんな今にもピーチクパーチク鳴きそうな人形等知らぬわ!」

 

 

 「フンッ。あんた嫌いなタイプだわ。ま、せいぜい頑張ってぇ。あんたとジョナサンの戦いも私は見届けるよう言われてるんだから」

 

 

 「……腹が立つ呪い人形め。しかしお前を通じディオ様が報告を待ってるとなれば失敗は許されんな……。精々楽しませろよ…若僧!」

 

 

 

 「ウグググ…ガハァ!」

 

 

 ジョジョの肉体はタルカスの怪力にあっと言う間に天井に吊るされる……。

 苦悶の表情を浮かべながら……。

 

 

 「フッ、苦しそうだな。貴様のその首輪を外すことの出来る鍵は……ここについておる!」

 

 

 タルカスは首輪を指差した。

 つまりジョジョは屍生人と人間と言う圧倒的力量さがある中、不自由な状況下で彼から鍵を奪わねばならないのだ…。

 

 

 「互いの首輪に己の鍵が埋めてあると言うことよ。扉は試合中は絶対に外からは開かん!。相手の首を吹っ飛ばして勝つのみが自由となれるルールよ!」

 

 

 

 

 「うぉぉぉぉぉ!波紋疾走(オーバードライブ)!」

 

 

 波紋は鎖を通じて登っていくが……。

 

 

 「駄目だ!チェーンが天井に接触していて波紋が散ってタルカスまで流れていかない!」

 

 

 「死ねい!」

 

 

 「グッ!」

 

 

 動けないジョジョにタルカスは蹴りを見舞う。

 修行前だったら明らかにミンチになってたであろう蹴りだがジョジョは……腕の骨折だけで耐えてみせた。

 

 

 

 (上腕の腕にヒビが入った応急手当は波紋の呼吸で行うとしてなんとかしなきゃいけないのは……この首輪!呼吸ができん!)

 

 

 ―――――タルカスと共に閉じ込められた一方的にやられるジョジョと、姿を現した水銀燈にツェペリ達も切迫詰まった状況に追い詰められた。

 

 

 

 

 鋼鉄の扉にツェペリは手の皮が剥がれ血が出るまで拳を何度も叩きつけて破壊を試みるが……全く効いていない。

 痛めるのは自分の手だけだ……。

 

 「やめてくれ!ツェペリのおっさん!分厚すぎるぜ!」

 

 

 「波紋法は悔しい事に破壊を目的としたわけではない。レンガ程度は破壊出来ても、このドアは破壊できん!……ジョジョもワシ同様あの鎖を破壊する事不可能!」

 

 「ツェペリさん!。あのレバーだ!。この扉中からしか開けられんようになってるらしい!」

 

 

 扉の鉄冊子からスピードワゴンはレバーを見つけた。

 

 「でかしたぞスピードワゴン!。ジョジョは一人でも戦うだろうがブラフォードを倒し体力の消耗が激しい!。どんな方法でもいい中へ入って力を合わせねば!」

 

 「しかしよぉ〜〜〜〜!入れそうなところなんてないぜ!」

 

 

 

 「あっ…」

 

 ツェペリとスピードワゴンが周囲を見回す中……ポコはそれを見つけ……否、見つけてしまった。

 十字架上に切り取られたレンガの穴を……。

 

 

 

 (小さすぎる。おっさん達じゃあそこから入る事は出来ない………でもさっきのローゼンメイデンとか言う蒼星石と真紅なら……)

 

 そこまで考えポコはハッとした。

 二人は今螺子がキレて動けないのだ。

 

 

 (オ、オイラなら……)

 

 ポコの胸に扉を開ける希望のシーンと共に、失敗してタルカスにぶった切られる絶望のシーンが思い浮かぶ。

 ……身体を震わせポコは蹲った。

 

 

 「クッ!こうなれば仕方ない!。タルカスも壁の下から入ったのだろう!。ワシがそこまで行くしかない!」

 

 「ツェペリさん行くまでに時間が掛かりすぎる!。下手したら死ぬぞ!」

 

 「だがそれが確実じゃ!。スピードワゴン!君はこの螺子で蒼星石と真紅を巻いて起こすのだ!」

 

 螺子を渡されスピードワゴンは歓喜した。

 

 「おぉ……そうだな!。真紅達を起こせばタルカスが入った穴から彼女らも入れられる!」

 

 

 「待て!慌てて巻いては彼女らの螺子穴が壊れるぞ!」

 

 

 

 「………マジかよ。チクショウ!俺はいつも傍観者よ!。早くジョースターさんを助けてやりたいのにテメエでは結局他力だよりだ!何も出来ねぇ!何もしてやれねぇ!せめてお前達だけでも元気にしてやるからな!蒼星石!真紅!」

 

 

 悲壮感に打ちひしがれながら蒼星石をゆっくり巻いていくスピードワゴン。

 彼の『何もしてやれねぇ!』と言う台詞にポコの脳内には自分が惨めったらしくいじめられたトラウマが蘇った―――――。

 

 

 

 『おいポコちゃんと見ろ!俺の顔を見ろってんだよ!』

 

 

 『うわぁぁぁ!』

 

 

 『コイツビビっとるぜ~』

 

 

 『歯ァガタガタいってやがるぜ〜』

 

 

 『ほれ、ほれ!ヨォ!』

 

 

 『泣き出すぜコイツゥ』

 

 

 『うわっ………!』

 

 

 ギャッハッハッハッハッハッハといじめっ子達は笑う。

 ポコは圧倒的大人数の暴力の前にただ涙を浮かべる事しか出来なかった。

 殴られても蹴られても……、彼は反撃出来なかったのだ。

 

 

 その時いじめっ子の一人が主犯格に「おい」と声を掛けた。

 そこにいたのは一人の少女、凛とした態度でポコ達がいる場所へ歩いてくる。

 先程までの威勢は何処へやら「逃げろ〜」と口々に言っていじめっ子達は逃げていった。

 

 

 『姉ちゃん……』

 

 

 『アンタまたやられっぱなしだったのね?呆れるわ。何故いつも黙ってやり返さないのよ!』

 

 『明日やってやらぁ!』

 

 

 『明日っていつの明日よ』

 

 

 『明日さ!』

 

 

 彼女はかがみポコと顔を同じ高さにする。

 

 

 『ポコ。あんたの一番怖い事って何?』

 

 

 『………それは』

 

 

 パッシィア

 

 

 目を反らし言い訳しようとするポコを姉はビンタした。

 

 

 『一番怖いのはこの痛みなの?痛いのって怖いの!?。あんたいつまでも大人になっても何にも出来ない方がもっと怖いって思わないの!』

 

 

 『お、俺……うぅ…』

 

 

 『ほらほら、弱虫さん。うち帰って姉さんが洗濯したげる』

 

 

 『うぅぅぅぅぅ。うぅ……!』

 

 

 

 

 夕闇の中姉と二人で歩いて帰った光景が思い起こされた―――――。

 目を見開き彼は覚悟を決めた。

 

 

 「ポコ!」

 

 

 二人が気づいた時には既にポコは十字架の穴目指し登っていた。

 

 「おい!あそこから入る気かやめろ!」

 

 「と、止めるんだ!あんな年端の行かぬ子供が行ったら十中八苦タルカスに殺される!水銀燈に邪魔されるかもしれん!」

 

 「……いいやツェペリさん!。ポコは俺達に勇気を示してくれたぜ!」

 

 

 

 真紅を巻き終えスピードワゴンは笑って見せた。

 先に巻かれた蒼星石が目を覚ました……。

 

 

 「話は無意識の海からマスターを通じて聞いてました。ポコ君の援護をします」

 

 暗く狭い場所を進むポコに強力な助っ人が目覚めた事に苦しくも気づいてはいないがポコは自分の町を守るため必死に這っていた。

 

 「亡者共がオイラの町に行った時の事を考えるんだ!。あのでかい兄ちゃんが死んじまったら町が襲われる!……姉ちゃんが襲われる!。姉ちゃんを守るのはこのオイラだ!」

 

 

 十字架状の光が見えた……。修練場への出口が見えたのだ。

 

 

 

 「姉ちゃん!。明日って今さッ!」

 

 

 

 

 「ポ、ポコ!来るな危ない!」

 

 

「あら。中々やる坊やだこと」

 

 

 「URYYYYYYYYYYYYYYY!決闘の邪魔をするなぁ!」

 

 

 

 水銀燈は称賛の言葉を送り、タルカスは激昂しポコを握りつぶそうとするが……彼女達がそうはさせない。

 

 「レンピカ!」 「ホーリエ!」

 

 

 庭師の鋏とステッキを交えた蒼星石と真紅がそれぞれタルカスの右腕と左腕を斬った。

 人工精霊により得物を強化させたのだ。

 

 「GUOOOOOOOOO!このクソ人形共めがぁ!」

  

 

 吸血鬼の下位互換の屍生人は再生能力を持たない。

 真紅と蒼星石のおかげにより無事ポコはレバーを動かせた。

 ツェペリとスピードワゴンも合流する。

 

 

 「頑張ったなポコ!。立派だったぜ!」

 

 「ありがとうスピードワゴンさん」

 

 「随分形勢が悪くなったようじゃぞ。タルカス、水銀燈」

 

 

 「そうねぇ。愚昧達のせいでショーがちょっと変わっちゃったわぁ」

 

 「MUAAAAAA!貴様らぁ!」

 

 

 タルカスは怒り狂っているのに水銀燈は挑発的な笑みを溢し余裕そうな様子が逆に一行に恐怖を与えた……。

 瞬間一同は驚愕する。

 

 

 「GU……あふっ……!ギャアァァァァァァァァァァ!」

 

 

 

 水銀燈の黒翼がタルカスを貫き燃やしたのだ。

 屍生人とは言え人間よりも強化された肉体を持つ……そんなタルカスを水銀燈はほんの一瞬で焼き払ってしまった。

 彼女の火炎で消し炭になった速度は波紋の比ではない……とんでもない超火力……ディオを焼き払えなかったジョースター邸の炎をゆうに上回っている……。

 

 

 「す、水銀燈!何のつもりだ!」

 

 蒼星石の鋏に鎖を斬ってもらい身体の枷が全てとれたジョナサンは彼女に問いた。

 

 「あらあら…勘違いしないでぇジョナサン……」

 

 

 

 

 

 

 

    『壊れた子(ジャンク)はいらないの』

 

 

 

 

 彼女の不気味な双眸に場にいた全員気圧された。

 ディオと同等かそれ以上の恐怖と惨憺さ……勿論単純比較は出来ぬが圧倒的悍ましさを放っていた。

 

 

 「そこの愚妹達にも圧倒的な差は教えてあげたし。ジョナサン、ミスターツェペリ……貴方達じゃ私には勝てないわよ。ま、精々頑張りなさい。助けがあったとは言え人間の身でブラフォードとタルカスを破りディオへの挑戦権は得た。ディオと待っているわ。では皆さんごめんあそばせ」

 

 

 スカートを捲し上げ礼をするその姿は敵ながら優雅さすら覚える。

 炎の灯りと共に水銀燈は消えた。

 彼女の気まぐれとも思える行動で一行は誰も死なずに済んだが……ツェペリの運命は変わりつつあった……。

 

 

 





 改変入りましたがツェペリさんは一部中に必ず死にます。

ジョセフと契約するドールは誰がいい?

  • 金糸雀
  • 翠星石
  • 雛苺
  • 雪華綺晶
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