ヴァンパイアとアリス 作:獄華
水銀燈の身体に変化が起き始めた。
「あぁぁ………いいわ……」
水銀燈は身体を振るわせ自分に起きている変化を受け入れていた。
身体が熱くて凄く心地良い。
感じる。
脈動を。
血の通わない人形ではなく人間の脈動を……。
nのフィールドを通りゆく自分の体がどんどん人間に変わっていく……。
徐々に膨らみ、彼女は大人びた少女の身体へと孵化した。
何故自分はローザミスティカを倒ざず
思い当たる節はある。
ディオが吸血鬼だと言うこと。
吸血鬼は人間を捕食する、その摂取エネルギーは人間の比ではない。
水銀燈の能力が強くなった要因もディオがマスターになったからだ。
「ローザミスティカを集める以外にもこんな方法でアリスになれるなんて……見ていらっしゃるお父様?」
水銀燈は人間になった瞬間から何かの気配を察知し、自然とその気配が『ローゼン』であると本能が告げていた。
nのフィールドの中に金髪の男性が現れた。
人間の部位はしているのに顔だけ空洞のようにカラッポだ。
『……こんな形で私の
顔がないので表情は伺えないが酷く悲愴に満ちた声だ。
水銀燈は鼻で笑う。
「御冗談を。お父様。お父様がこのイカれたアリスゲームを初めたのよ。七つもドールを作り競わせ、アリスになれた者だけが貴方と会える………。まぁ私もこんな抜け道があったとは知らなかったわ」
『……お前達には申し訳ない事をした。特に水銀燈。お前はドールが作られる度に自分を
深々と頭を下げるローゼンに以前の彼女なら哀れみすら覚えたかもしれないが……今の彼女にローゼンなど眼中にない。
「お顔を上げてお父様……そんな何考えてるか分からない顔で謝られても迷惑よ。それに私…お父様よりも大切な人を見つけたから」
『ディオ・ブランドーか』
「そうよ!。私はあの人と一緒になる!。例えそれがディオに利用されたとしても寧ろ本望!。私はディオの為に何でもするわ!……人間の肉体も手にした事だしねぇ…」
『……そうか。何はともあれお前はアリスになったのだ……。私にはこれ以上お前に言う資格はないがお前の望みを一つ叶えよう。何を望む?』
「決まっているわ。力への渇望………全てを叩き伏せる無慈悲な力が欲しいわお父様」
『破壊を望むか。こんな愚かな娘でもアリスに到達した娘だ。叶えよう君の願いを―――――』
「ガッ……!」
何処からともなく放たれ矢が水銀燈の胸を貫いた。
激痛が一瞬だけ走ったがほんの数秒にも満たない時間で彼女の肉体から痛みと出血が止まる。
『心配するな。アリスになった時点でお前の肉体は不老不死……死ぬことはない。
「スタンド……?」
『精神が齎すエネルギーだ。アドバイスはしたぞ。さらばだ型破りのアリス』
ローゼンの姿が消えると同時にnのフィールドの扉も開き彼女はディオの牙城へと戻って来ていた。
開けた格好でよりによってディオの前に。
「水銀燈……その格好は?」
「人間になったら服が破けちゃってぇ。急にアリスになるとは思わなかったわ」
「アリスになったのか!?」
ディオは驚愕していた。
何処からどう見ても人間そのもの。
美しい銀髪にディオと同じ赤い双眸……年齢はおおよそ二十歳の手前あたりか。
これは最高の出来事だ……。ディオの目的もより高みを目指せるに違いない。
強力な手駒を手にしたのだ。
「ねぇ……ディオ。そんなまじまじと見られたら恥ずかしくなるわぁ……おかしな気分になりそう」
「……奇遇だな水銀燈。俺もテンションがハイになりそうだがここでなるわけにはいかんな。続きは俺の部屋で聞くとしよう」
「えぇ……いっぱい話してあげる……」
契れた服で身体を隠す水銀燈をディオはお姫様抱っこして部屋まで運んでいった。
容姿端麗な二人の姿はまるで中世の騎士と姫を彷彿とさせた……ドス黒い二人の内心とは裏腹に……。
ジョセフと契約するドールは誰がいい?
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金糸雀
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翠星石
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雛苺
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雪華綺晶