ヴァンパイアとアリス   作:獄華

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帝王の牙城

 

 

 

 バチィン!

 

 

 「いってぇ!」

 

 

 屍生人が増えていき脅威が高まっている中、無事家に着いたポコを待ち受けてたのは父親のビンタだった。

 

 「ポコ!こんな夜遅くまでどこほっつき歩いていたんだ!」

 

 

 「い、色々あったんだよ父ちゃん!……でも父ちゃんが無事で良かった!殴られたのも無駄じゃなかったよ!そ、そうだ姉ちゃんは!?」

 

 

 「アイラならお前を心配して探しに行ったぞ。てっきりお前と一緒に帰って来ると思ってたが………」

 

 

 「えーーーーーッ!?。姉ちゃん戻って来てないの!?……そんな!」

 

 

 「ポコ。オメェどうした……何か様子が変だぞ?」

 

 青褪めた我が子を見てポコの父は只事じゃないのを悟り始める……。

 

 「こうしちゃいられないよ!。俺姉ちゃんを探して来る!。ジョースターの兄ちゃん達の力を借りて!」

 

 

 「ジョースターの兄ちゃん……。あ、あんた達は?」

 

 

 いつの間にか玄関に六人の男達が立っていた。

 皆……落ち着いていて顔も至って無表情だが彼らの雰囲気は何処か熱さを感じさせ、不屈の闘志を思わせる……。

 

 

 

 

 「初めまして。僕はジョナサン・ジョースター。僕達は悪鬼ディオを倒しこのウインドナイツ・ロットに再び平和を取り戻す為に来たのです!」

 

 

 高らかに青い服を着た男は宣言してみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女アイラは真っ赤な薔薇の近くで二人の男女と共に一緒に座っていた……。

 ポコを探しに夜中の町へ繰り出したところ、明らかに異常な風貌をした男に捕らえられてここに連れてこられたのだ。

 逃げたくても逃げられない状況なのは彼女が一番理解している……二人の配下は周囲にいるし二人の圧にアイラの心が押し潰されかけていた……。

 

 

 

 「貴女には赤い薔薇が似合うわねぇ……。私は嫌な女を思い出すから、赤薔薇は嫌いだけど!」

 

 「ヒッ……!」

 

 

 この二人の名前は会話を聞いていたから分かる。

 男がディオで女が水銀燈だ。

 どちらもまるで御伽噺にでも出てきそうな容姿端麗さを兼ね備えてるのに……その心は邪悪そのもの。

 水銀燈は素手で赤い薔薇を散らしてみせた……当然手に棘が刺さるが………有り得ない速度で傷を負い出血した部位が回復していく。

 

 「お嬢さん。何れ貴女も今私が散らした真っ赤な薔薇のように死ぬのよ。老いや病でね」

 

 指に着いた残り血を美味しそうに妖しく水銀燈は舐める。

 

 「アリスの力か……。吸血鬼より使い勝手が良さそうだな」

 

 

 「まぁね。日中も問題なく活動出来るし、再生力も貴方を上回っていてよディオ」

 

 

 「フッ。暇があるなら是非そのアリスの力を研究し太陽も克服したいものだ」

 

 

 「あらぁ。今の貴方でも夜の帝王って感じがしてかっこいいけどぉ……下僕もこんなに出来たじゃない」

 

 

 天井にはゆうに100近い屍生人が逆さまにぶら下がっていた。

 闇の中で不気味に煌めく赤い目が何個もあり、全ての屍生人達の視線は唯一の人間であるアイラに向けられている。

 ………涎を垂らしてる者もいた。

 

 

 

 「貴方達は呪われているわ……!。人々をこんな目にして……!」

 

 

 恐怖で身を震わせながらも…自分達に意見するアイラを見て水銀燈は嗜虐的な笑みを零した。

 

 

 「あらあらぁ。たかだか人間風情が随分とご立派な事を言いなさるのねぇ。レンピカ!」

 

 

 「つぅ……!」

 

 

 なんと水銀燈は蒼星石の人口精霊と庭師の鋏を取り出しアイラの足を少し傷つけた。

 これだけではない。

 

 「ピチカート。彼女に安らかなレクイエムを聞かせましょう」

 

 

 黄色い人口精霊。ローゼンメイデン第二ドール金糸雀のピチカートと彼女の武器バイオリンを取り出した。

 すっぽりとバイオリンを自分の身体におさめ演奏を初める。

 

 

 「とは言っても前奏は必要ね。『攻撃のワルツ』」

 

 

 

 

 

 

 奏でられるバイオリンから音波が衝撃波となってアイラに襲い掛かり彼女は吹き飛んだ。

 水銀燈の性格同様、奏でるその姿は美しいが……音色は凶悪だ。

 

 

 「クハッ……」

 

 

 不様に地面を這いつくばる姿を水銀燈は嘲笑するが、アイラは依然として二人を睨む目を崩さない。

 

 

 「何よその目…いいわジャンクにしてあげる。『破壊のメロディ』」

 

 

 

 今度の音色は水銀燈が黒翼と炎を付け加え威力を大幅にアップさせたものヘ変化する。

 

 

 ――――あぁ……。私はここで死ぬのね。

 

 

 当たれば死ぬと言うのを彼女は意外な程冷静に受け入れる事が出来た。

 

 「お父さん……ポコ……ごめんなさい……」

 

 

 涙を流し破壊のメロディがぶつかる寸前でその男は現れた。

 

 「させるかぁ!」

 

 轟く叫びと共に彼はコォォォォォォォォ。と不思議な呼吸をして金色の光を放ち赤い薔薇を纏っていた。

 強く拳を握り彼は破壊のメロディに攻撃を放つ。

 

 

 「刻むぞ!波紋のビート!緋き薔薇の波紋疾走(スカーレットローズオーバードライブ)!」

 

 

 繰り出されるとんでもない速度のラッシュが水銀燈の破壊のメロディを迎え撃った。

 金色と赤い光を纏った彼の拳が奏でるビートは力強くも心地良い。

 

 

 「姉ちゃん!」

 

 「ポコ!」

 

 

 アイラは一行に保護された。

 蒼星石と真紅の目は否が応でもディオの側にいる一人の大人びた少女へと向かってしまう。

 

 

 「真紅……水銀燈のあの姿は……」

 

 「嘘!。正しくあれは人間の肉体!。水銀燈はアリスに孵化したと言うの……!」

 

 

 変わり果てたローゼンメイデン第一ドール(自分達の姉)の姿に二人は驚き戦慄していた……。

 アリスになったのもそうだがレンピカと庭師の鋏、ローゼンメイデン第二ドール金糸雀のピチカートとバイオリンまで使用してるのだから。

 他のドールを倒さず、ローザミスティカを集めず、正規の過程を踏まず、アリスになってもアリスとしての能力が『正常』に発現したのだとしたら他のドールにとって悪夢どころの話ではない。

 

 

 

 

 

 今の彼女はディオ以上に遥かに危険な存在だ。

 しかしその理不尽たる現実と化した彼女の攻撃を真紅のローズテイルの応援がありながらもジョジョは止めてみせたのもまた変わらない事実である。

 

 

 

 

 

 破壊のメロディは波紋のビートに相殺されたにも係わらず水銀燈は不敵な笑みを浮かべていた……マスターであるディオ・ブランドーの宿敵、ジョナサン・ジョースターに……。

 

 「流石ね、ジョナサン……アリス化した私の攻撃を止めるとはディオに一目置かれるだけはあるわねぇ。その目につくような薔薇は真紅のお供えかしら」

 

 

 「死の修練場以来だな水銀燈!。そしてディオお前とは騎士の墓場以来だ!」

 

 

 

 ジョジョの目に映る嘗ての奇妙な友情を抱く血の繋がりのない兄弟。

 しかし今のジョジョにその友情は消え去っていた。

 ディオが消すべき敵になった為に。

 

 

 「フハハハハハ……!」

 

 

 笑いながらディオは玉座から立ち上がる。

 

 「……ふぅ~。よくぞここまで来たな…ジョジョよ!。水銀燈から大方は聞いている!。水銀燈の気まぐれがあったとしても……お前はあの二人を突破し勇者となった……!。よって!この帝王たるディオと真に戦える挑戦権を貴様は得たのだ!」

 

 

 「挑戦権などどうでもいい!ディオ!今の僕の気持ちを教えてやる………紳士として恥ずべき事だが正直なところ今のジョナサン・ジョースターは………恨みを晴らす為にディオ!貴様を殺すのだッ!」

 

 

 

 「……お前の『覚悟』相当なモノと見た。水銀燈!」

 

 

 「えぇ。ディオ……雪華綺晶!貴女の能力使わせてもらうわよ!ジョナサン以外の波紋使い一行+αをnのフィールドにご招待するわぁ」

 

 

 「な、何だぁ!この白い茨は!?」

 

 

 「ヌッ!。取れん!」

 

 

 「ポコ!」

 

 

 「姉ちゃん!」

 

 

 ジョジョを除いた9名が雪のように真っ白な茨に闇に引きずり込まれていった。

 

 

 「スピードワゴン!。ツェペリさん!。皆!」

 

 

 「心配無用だジョジョ。あいつらと屍生人はnのフィールドに連れて行かせた……。俺とお前の対決の邪魔にならぬようになぁ!。行くぞジョジョォ!」

 

 

 「来いディオ!。清めてやるその穢れたる野望!」

 

 

 

 「絞り取ってやる!貴様の命を!」

 

 

 

 (皆!。どうか無事でいてくれ!。僕は……ディオを倒す!)

 

 

 

 

 ジョジョとディオ……二人の戦いが始まろうとしていた。

 





 

第二のアリスはどちらがいい?(一応決めてあるけどアンケ取るよ)

  • 蒼星石
  • 真紅
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