ヴァンパイアとアリス   作:獄華

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 ジョジョは初めてのアメリカ外出を満喫し、祖母エリナが待つ家へと帰宅した。


薔薇乙女との運命

 

 

 「帰ったぜ。エリナおばあちゃん」

 

 

 「お帰りジョジョ」

 

 

 家に帰るジョジョを笑顔で出迎えてくれたのは彼の祖母、エリナ・ジョースターだ。

 ロンドンからニューヨークに新居を移したジョースター家に住むのはエリナ・ジョースターとその孫ジョセフ・ジョースターの二人だけである。

 

 

 「おばあちゃんこれ、コーラって言うらしいぜ。わっかんねぇよなぁ。アメリカ人はこんなの好き好んで飲むなんてよ」

 

 

 グビグビとジョジョはソファに掛けながらコーラを飲み干した。

 

 

 「その国にあった色んな飲み物がありますからね。私は紅茶で充分ですよジョジョ」

 

 

 年老いて寧ろより気品溢れる手つきでエリナは紅茶の準備をしていた。

 幼い頃からエリナの紅茶を味わうジョジョだがはっきり言ってそこらの喫茶店何かのお茶より何十倍も美味い。

 ……幼い時良く寝かしつけられる時聞いたものだ。

 

 

 

 ローゼンメイデンと言う不思議な人形達がいて半世紀前ディオ・ブランドーとの戦いでエリナやその夫……ジョセフの祖父であるジョナサンを助けてくれたと。

なかでもエリナが契りを雑えたローゼンメイデン第五ドール真紅は紅茶に煩くエリナの紅茶の煎れ方が上手くなったのは彼女のおかげだとエリナは話している。 

 尤も真紅を最後に見たのは約五十年前で敵であるローゼンメイデン第一ドール水銀燈に『nのフィールド』と言う場所に連られ行方知らずだそうだが。

 

 (あの壁に置いてある人形……名前は蒼星石だっけか。右手と右足が無いあの蒼星石もローゼンメイデン何だっけな……死んだジョナサン爺ちゃんを支えてくれたらしいが)

 

 

 エリナはいつも動かなくなった蒼星石への手入れを欠かさなかった。

 毎日毎日、彼女の服を変えたり帽子を被せたりジョジョと同じく我が子のように接している。

 常人ならば俄には信じられない話をエリナや、スピードワゴンから聞いてるジョジョだが彼は二人の話を信じていた。

 二人の生き方を見ていれば分かる……石仮面にまつわる話や祖父ジョナサンがディオに殺されたのは紛れもない事実だ。

 

 

 「ねぇ。お祖母ちゃんさ……。ローゼンメイデンって確か全部で七体いるんだったよね」

 

 

 「えぇ。真紅は私にそう言いましたね。私がいた時代に目覚めたローゼンメイデン達は、水銀燈、蒼星石ちゃん、真紅の三体です」

 

 

 「ふーん。じゃあまだ四体いるってことか。俺も会ってみてーな。ローゼンメイデンに」

 

 

 「フフフ……。そう簡単に会えたら苦労しませんよ。それよりどうでした初めてのアメリカの空気は?」

 

 

 「うーん。人は多いしポリ公の癖に差別するやつとかいてヤベー国だと思ったが……友達は出来たぜ!」

 

 

 「まぁ、それは良かった。近日中にでも是非一緒にお食事に行きましょう」

 

 

 「あぁ!。あ、そうそう。あとですねぇお祖母ちゃん。俺変な紙拾ったんですよ〜〜〜!」

 

 

 ジャーン!とジョジョはとある紙をエリナに見せた。

 

 

 「面白い紙だよなぁ。子供の悪戯にしても上手く出来てるよ流石アメリカンジョークなんて言葉がある国……ってお祖母ちゃん泣いてる!俺なんか悪いことしちまったか!」

 

 

 エリナは若い頃を思い出し涙を流していた。

 

 

 「違うよジョジョ……その紙がローゼンメイデンに繋がる紙なのです……」

 

 

 「にゃ、にゃんだってぇぇぇぇぇぇ!」

 

 

 ジョジョが拾ったのは『Do you want to roll it(巻きますか)? Do you not roll it(巻きませんか)?』と書かれた紙だった。

 奇しくもジョジョは宿敵ディオや祖母のエリナと同じく『Do you want to roll it?』にマルを付けていたのだ。

 

 

 「ジョジョ……。どうやら貴方はジョナサンと同じくローゼンメイデンと関わる運命にあるみたいね」

 

 

 エリナが言い終わるとほぼ同時にドアがノックする音が響いた。

 

 「失礼しまーす!。ここがジョースターさんの家で間違いないでしょうか!。お届け物に参りました!」

 

 

 「ジョジョ出なさい」

 

 

 「あ、あぁ!。今ドアを開けるから待ってくれ」

 

 

 「はい!」

 

 

 

 ジョジョがドアを開けると東洋人と見られる小さな眼鏡を掛けた男が紳士のようなタキシードを着て黒い鞄を持って立っていた。

 差別する意志は微塵もないが東洋人は表面上は笑っていても何を考えてるのか分からない。

 

 「ジョセフ・ジョースター様ですね。あの紙の『Do you want to roll it?』にマルを付けたのでこの子をお持ちしました」

 

 

 「あぁ~ん。確認だとぉ〜?。おめぇ何だって俺の家が分かったんだ?。東洋の神秘とやらか」

 

 

 「ジョジョ。無礼な言葉は辞めなさい。お変わりありませんね。ミスター白崎」

 

 

 「そちらこそお変わり無いようで大変何よりです。ミスエリナ」

 

 

 「な、なにィィィィィィィィ!。エリナ婆ちゃんこいつと知り合いなのか!?」

 

 

 「知り合いも何も白崎さんは半世紀前に私に真紅を届けてくれたお方よ。ちっとも歳をお召しになってないようで羨ましいわ」

 

 

 「ははは。私も不老不死なんですよ。勿論石仮面の力とは違いますよ」

 

 

 「ショックが頭の中で連鎖してやがるぜ……婆ちゃんとあんたが顔見知りなのもそうだが……石仮面以外にも不老不死になる方法があるなんてなぁ」

 

 

 「僕の情報網は貴方方の知人スピードワゴンさんに退けを取りませんよ。しかし僕の目的はあくまでローゼンメイデンとアリスゲームに関してなので石仮面にまつわる出来事にはノータッチですけどね。どうぞジョセフ君、お受け取り下さい」

 

 

 「あ、ありがとうよミスター白崎……。次にあんたは『いいんですよ。願ってます貴方方に幸運が訪れるのを』と言う」

 

 

 

 「いいんですよ。願ってます貴方方に幸運が訪れるのを…ハッ!」

 

 

 「へヘーン。ミスター白崎あんたにゃあ驚く事ばっか言われて惑わされっぱなしだったが最後の最後に一杯食わせてもらったぜ!」

 

 

 「あっはっはっはっは!。面白いお孫さんですね。ジョセフ君。君とはいずれまた会えるような気がします……では」

 

 

 ジョジョに黒い鞄を渡し一礼すると白崎はドアを開け出ていった。

 

 

 

 「ミスター白崎か…不思議な人だがどうも悪人ではなさそうだな」

 

 

 「悪人だったら貴方にローゼンメイデン(その子)を届けないでしょう。どんな子かしら。早く中身を見てみなさい」

 

 

 「分かったぜ」

 

 

 

 中身を開けると、おさげスタイルの緑色の髪に白い向日葵をもしたような髪飾りで黄色い服を着てパラソルとバイオリンと螺子が付属された人形が入っていた。

 

 

 「これがローゼンメイデン……。動かない蒼星石しか見たことがないから初めて見たような気分だぜ」

 

 

 「螺子を巻いておやりジョジョ。そうすればその子は動く」

 

 

 「……あぁ」

 

 

 人形を手に取り背中に螺子を差し込み口を見つけるとジョジョはキリリリ、キリリリと何度か螺子を回した。

 すると人形は一人でに立ち上がり「うぅ〜ん」と目を擦る。

 

 

 (エリナお祖母ちゃんの話でしか聞いた事のないローゼンメイデンが動いてる姿を俺は今見てるぞ!。お祖母ちゃんも最初はやっぱり驚いたのだろうか!)

 

 

 「貴方が私の螺子を巻いてくれたのかしら?」

 

 

 「おー!人形が喋った驚きだぜ!」

 

 

 「ガーン!そんなエイリアンと初めて遭遇したように言われたら何か傷つくかしら……」

 

 

 「これジョジョ!。ローゼンメイデンは生ける人形。傷つけるものではありません!」

 

 

 「ワァ、ごめんなさい!エリナお祖母ちゃん!。俺の名前はジョセフ・ジョースター!ジョジョって呼んでくれ!。オメェはなんてんだ」

 

 

 「私はローゼンメイデン第ニドール金糸雀かしら!。最初は驚かれてびっくりしたけど根は良さそうね。こんな格好良いマスターに巻かれるなんてカナはついてるわ」

 

 

 「おぉ!。気難しい人形かと思ったら案外仲良く打ち解けられそうで安心したぜ宜しくな金糸雀!」

 

 

 「こっちこそ宜しくかしら!ジョジョ!」

 

 

 孫のジョジョと金糸雀が仲良くするのを見てエリナは色んな思いがつまり涙を流す。

 こうしてジョセフ・ジョースターはローゼンメイデン第ニドール金糸雀と出会いその日の内に契りを交えた。

 …………メキシコで生まれた吸血鬼がアメリカに向かってるのをまだジョジョ達は知らない。

 

 

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