ヴァンパイアとアリス 作:獄華
メキシコの熱砂を走るジョジョをとある気配が付き纏う。
「んじゃよ。言って来るぜ。メキシコに!」
「行ってらっしゃいジョジョ!」
「ジョジョ下らないことで喧嘩しないように気をつけんのよー!」
お前がそれを言うかと心の中でアルマに突っ込みながらジョジョは豪快にエンジンを掛けながらイギリスよりも遥かに広い道路に繰り出した。
アルマとも仲直り(と言って良いのかは大幅に疑問が残るが)し、今の彼の目標は波紋の前にストレイツォが遺した言葉だ。
『ジョセフ……近いうちきっと彼に会うだろう!きっと分かるだろう!柱の男の正体と生物進化の意味が……!神が定めた運命のように!』
聖書に出てくる怪物みたいな事を言ってあの男は死んでいった。
「柱の男か……なんとも気味の悪い名前だぜ」
「本当ね。石仮面によって吸血鬼となったものや波紋……カナ色んな事があって頭が混乱しそうだけども夢じゃないのね。現実かしら」
金糸雀は何処に居るのかと言うとジョジョが背負ったバックの中だ。
そこから話している。
「ねぇジョジョ?」
「ん?」
「エリナね……。玄関で貴方を見送った後、若い頃の貴方のお祖父ちゃんジョナサンと一緒に写った写真を見て涙を流していたわ……。貴方が出た後に外に出たからはっきり見えたかしら」
「そうか…泣いてるのを悟られたくないからスモーキーやアルマと一緒に見送りしなかったのか」
(エリナお祖母ちゃん。……ジョナサン祖父ちゃんの運命が繰り返されるのが怖いんだな)
日常。
ジョジョは稀に変な事に巻き込まれる事もあったが大方これを享受して生きてきた。
だがその日常は変動しようとしている。
祖父ジョナサンが巻き込まれた吸血鬼ディオ・ブランドーと石仮面の因縁。
……これが自分にものしかかるのだろうか。
既にジョジョは吸血鬼と化したストレイツォと戦っている。
ストレイツォの言うようにやはり逃れられない運命に踏み込んだのだろうか。
今のジョジョにその答えを導き出す事は出来なかった。
――――――
ドドドドド
昨日メキシコのモーテルで一泊し朝早くからバイクを走らせたジョジョはサボテンが生えるメキシコの砂漠地帯に来ていた。
だが一つおかしな気配を感じていた。
「おかしい!。どうも妙だぜ」
ブレーキを掛けジョジョは周囲を見渡す。
砂煙を挙げバイクに乗りこんなに速く走っているのに。
小声で「金糸雀」とジョジョは自身のパートナーであるドールの名前を呼ぶ。
「何か人の気配がしねぇか?」
「人の気配はしないけど……カナもう熱さでマサチューセッツかしらぁ……」
ゼェゼェと彼女の乱れた呼吸が聞こえる。
「オメー!人形何だからもうちょいシャキッとしろよな!」
「生ける人形だもの、そんじょそこらの人形とは違うわよ……暑さも覚えるかしら」
「短所なんだか長所なんだかよく分からんな。ローゼンってのはよっぽどのもの好きな奴なのか……。まぁ良い。何か気配を感じるぜ金糸雀。オメェも外に出て俺と一緒に周囲を注意してくれ」
「分かったわ。マスター」
ピョコリとパラソルを持って金糸雀はジョジョの肩に乗っかった。
「特に異常は無さそうよジョジョ」
「だよなぁ……」
フワフワと何処からともなくマントが現れたのでジョジョはそれを手に取る。
やはり何も異常はない。
「こんなダダっ広い砂漠でどうやって俺を尾行出来る!……わけねぇよなぁ。やっぱり気のせいか」
「気のせいね」
ジョジョが何の変哲もないマントを捨てバイクに戻ろうとした時だった。
マントのゆらゆらと動く影がナイフを持つ人の手の形に変わり刃先がジョジョに向かって来たのだ。
「グッ……!。ウォォォォォォ!?」
「ジョジョ!?」
「勘の良い奴!」
すんでで何とか致命傷は交わしたが肩に傷を負った。
マントの皮が剥がれサボテンの上に着地した一人の男がナイフ片手にこちらを見ていた。
「野生のコウモリにさえ気づかれぬに近づけるこの俺の気配をよくぞ感じ取ったものよ!」
「何だぁ!テメェ!。何だって俺を付ける?」
「尾行ではない!。ストレイツォの情報を聞くため我が軍の命令によって貴様を拉致する!ジョセフ・ジョースター!」
「この野郎!その顔つきと言葉訛りはドイツ人か!。ドイツ軍がストレイツォとスピードワゴンに関係してると言うのか!?。掛かって来な!口を割らして聞かせてやる!」
只者ではないドイツ軍人の出現にジョジョは戦闘の邪魔になるヘルメットを投げ捨て戦闘態勢に入った。
「ドイツ軍コマンドーの俺に素手で挑むというのか。若気の至り程愚かなもんはないぞ!このドシロートガァァァ!」
ドイツ軍人は余程自身のナイフの技術に自信があるのかまたもやナイフを使いサボテンから跳躍しジョジョを刺そうとしてくる。
すかさずジョジョは先程のマントを手に取った。
「ホレ!オメェの乗ってきた魔法のボロ絨毯だぜ!!」
マントを男に被せその上から波紋を纏ったパンチを見舞うが――――。
「この間抜けがぁ!」
「グワァァァァァァァァ!?。サ、サボテンだ!」
軍人ではなくサボテンを殴っていたのだ。
ドイツ軍人は素早い身のこなしで顔に膝蹴りを入れるとそのまま倒れたジョジョの頭を踏んづけた。
「勝ちィ!俺に向かって来るなんて十年早いぜこのハナクソが!おいハナクソ!「貴方のおっしゃる通りですドノヴァンさん!」と言いな」
「あ、貴方のおっしゃる通りです……ドノヴァンさん!」
「なに〜?聞こえないぞ!」
「オメーの素早い身のこなしを見てブン殴るのが面倒くせぇからこうやって地面に避難しているんですよ俺は!」
「何をわけのわかんねーことをメキシコの暑さでイカれたか!ジョースター!……ん?何だこりゃ?」
ドノヴァンの目にはもっこりと膨張するサボテンがあった。
「ヘヘっ。もっと近づいて目に焼き付けな……。オメーの次の台詞は『そういやあの話す奇妙な人形は何処いった?』だ」
「そういやあの話す奇妙な人形は何処いった?……ハッ!」
ドボォォォォォォォォン!
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
轟音を立てサボテンが吹き飛び立った態勢でその様子を見ていたドノヴァンの至るところに針が突き刺さる。
すかさずジョジョは蹴り飛ばし横になったドノヴァンを先程の自分と同じく頭で踏みつけた。
「
ドノヴァンとジョジョが戦っている間、金糸雀は小ささも利用し一回空に飛んで避難していた。
その為ドノヴァンはジョジョとの戦いにのみ夢中になり金糸雀を見失ったのだ。
ジョジョがサボテンの近くに倒れた時『無意識の海』から考えを読み、ジョジョが地面に流しサボテンに波紋を伝えるのと同時に金糸雀も攻撃のワルツをサボテンに奏で互いの力でサボテンを破裂しドノヴァンを倒すに至ったわけである。
「さぁ!全てを話せドノヴァン!。知ってる事全部だ!」
「だ、誰が俺は誇り高きドイツ軍人だ!」
「へぇ~。頼むぜ金糸雀!」
「はーい!」
テクテクと金糸雀はドノヴァンの耳の近く迄近づいた。
「ヘル(ドイツ語でミスターの意)ドノヴァン。カナは演奏に自信があるドールで……耳の近くで演奏すれば―――」
『貴方の脳を破壊するくらいなんともないかしら』
「ひ、ひょえ~!」
表面上はニコニコしてるがマジでやる気まんまんの金糸雀にドノヴァンは恐れジョジョ達に全て話した――――――。
(そうかスピードワゴンの遺体が不明ってんでもしやと思ったがあの爺生きていたか……。こいつはグッドニュースだな!)
ジョジョの視界が涙で歪む。
「このニュースを聞いたらエリナばあちゃんも喜ぶな!。だがスピードワゴンの爺さんが今ドイツ軍にどんな目に合わされているか……。爺さん俺が救い出してやるぜ!そしてエリナお祖母ちゃんの笑顔を見るんだ!。行くぞ金糸雀!」
「はいかしら!」
こうしてスピードワゴンのいる場所へドノヴァンから聞いたジョジョ達はまた出発した。
当のドノヴァンはと言うと……。
「む、惨い……!」
サボテンにグルグル巻きにされていた。
うふふ。『柱の男』ですか。
アストラルの私には器が必要……あの男はいい仮の器にはなりそうですわ。
……黒薔薇のお姉様や紅薔薇のお姉様はずるいわ。皆に先駆けてアリスになるなんて……。
あぁ……身体が欲しい。
雛苺の無垢さも、金糸雀の愛しさも、真紅の気高さも、水銀燈の凛々しさも、翠星石の激しさも、蒼星石の切なさも、どんな器にも着替えられる私になる……それこそが私が目指す至高の少女。
アストラルの雪華綺晶が狙う肉体は誰にする?
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サンタナ
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ワムウ
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エシディシ
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カーズ