ヴァンパイアとアリス   作:獄華

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 ジョジョの中ではまだディオとの戦いが燻っていた。


超越

 

 

 「ジョジョ。大丈夫?痛みは減りましたか?」

 

 「あぁ。介抱ありがとう。エリナ……真紅」

 

 

 「気にしないでジョナサン。私の能力が貴方の快復の世話に役立って良かったのだわ」

 

 

 ジョナサン・ジョースターは、石仮面を被り怪物と化したディオとの戦いで火傷と骨折等の重傷を負って幼馴染みのエリナ・ペンドルトンと……パッと見はアンティークドールにしか見えないローゼンメイデン第五ドールなる真紅から手当てを受けていた。

 ジョナサンは最初「奇怪!人形が動いているッ!」と驚き真紅に巻き毛ウィップを食らいそうになるが、幼馴染みのエリナが苦笑いしながら窘め彼女と契りを結びエリナがマスターになった事を告げた。

 

 

 もっとエリナと真紅の関係を聞きたかったが「先ずは怪我を治してからね」とエリナに言われ「それもそうだね」とジョジョは答える。

 しかし笑顔の裏で……ジョジョはあの日の事を忘れられずにいる。

 脳裏に焼き付いているのだ。

 

 

 

 (あの日……怪物が誕生してしまった………。父さん……貴方を守れずすみません……)

 

 

 

 涙を流しながらジョジョは外の景色を見た……あの日の事が鮮明に思い浮かんで来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 「父さん……!。クッ!ナイフなんていつもなら避けられたのに!!……僕が石仮面を使ったディオの奇妙な行動に気を取られたせいでッ!」

 

 

 ジョースター卿の、鼓動が段々と弱くなって行くのをジョジョは直に感じる…。

 

 「うぅぅあれは急所だ……!。ディオ・ブランドーの馬鹿げた行動もそうだが……この俺がいながら奴のナイフを防げないなんて!」

 

 

 

 スピードワゴンも悔しそうに呻く…。

 守るつもりで来たつもりが逆にジョースター家に迷惑を掛けてしまった……。

 

 「い、医者だ!医者を早く呼んで来るのだ!」

 

 「はい!警部補!」

 

 

 「ジョジョ……」

 

 「父さん!今警察の方々も医者を呼んで下さっています!それまでの辛抱です!」

 

 

 元気づける愛息子にジョースター卿は優しく諭すようにジョジョに言う。

 

 

 「ジョジョ。ディオを恨まないでやってくれ……私が悪かったのだ……。実の息子ゆえにお前を厳しく教育したが、ディオの気持ちからすると却ってそれが不平等に感じたのかも知れない。それが彼をこのような事に仕向けたのだろう…」

 

 

 「そんな!父さんは何も―――」

 

 

 

 「ジョジョ。ディオはダリオ氏の側に葬ってやってくれ……。もうすぐ妻の元へ私は行く…亡くなったお前の母の指輪をお前に託そう。悪くないぞジョジョ、息子の腕の中で死んで行くと言うのは……」

 

 ……ジョジョの頬に添えられたジョースター卿の手は力を失い地面にゆっくりと落ちた。

 今ここにジョージ・ジョースターは没した。

 

 

 

 「うぅ!。あの甘さと優しさだ!。あの優しさで馬車事件の時、ダリオ・ブランドーが犯した窃盗の罪をジョースター卿は不問にしてしまったのだ!。ワシがスコットランドヤードに配属した時にダリオを流島の刑にしていれば……こんな悲劇は起きなかったのに!。死んだら終わりではないか!」

 

 

 

 「それは違うぜ!サツの旦那ッ!あれを見るんだ!」

 

 

 「なに…?」

 

 スピードワゴンが指を差した先……ジョジョはジョースター卿を抱きかかえながら、静かに泣いていた。

 興奮したり激昂したり、ディオへの恨み言を言わず静かに泣いていたのだ。

 

 「息子のジョナサン・ジョースターが受け継いでいる!それは彼の強い意志となり誇りとなり未来となるだろうぜッ!!。黄金の精神となッ!」

 

 

 

 (俺は自分が困るとすぐ泣き抜かす甘ちゃんはだいっきらいだがよォ〜。この親子は違う!。自分達のしたことを後悔しない最高の大甘ちゃんだぜ!)

 

 

 近くで大きな雷が鳴り、より一層その光が館内を照らした。

 瞬時にスピードワゴンはとある異変に気づく。

 

 「い、居ねぇぞ!ディオの死体が居ねぇ!」

 

 

 「馬鹿な!奴は死んだ筈だろう!」

 

 

 

 

 「ハッ……!サツの旦那ぁ!窓から離れろ!」

 

 

 スピードワゴンはとんでもない光景を見た……。

 頭に仮面の針が刺さり、無数の銃弾を身体に食らったにも関わらずディオ・ブランドーは生きていたのだ。

 しかも重力など彼には存在しないように彼はコウモリのように天井に張り付いている。

 

 

 「な、何故奴が生きてるんだ!?。あ、有り得ん!撃て……ゴボッ!」

 

 窓際にいた警部補の頭が抉られる。

 

 

 「UREEYYY」

 

勝利の雄叫びのようにディオは慟哭を上げた。

 石仮面の骨針が頭に刺さり、身体を銃で撃たれたディオは死んだとばかり場に居た全員が思っていた。

 ………だがディオは生きていた。

 

 

 「警部の頭がめちゃくちゃだ…!」

 

 「き、気を付けろ。何か武器を持っているんだ」

 

 「そもそも何故ディオの野郎は生き返ったんだ……わけが分からねぇ。傷も完全に治癒している!」

 

 皆が混乱する中、ジョジョだけ冷静だった。

 

 「恐らくあの石仮面の力だ。あれがディオを人ならざる者に変えた!」

 

 

 「く、食らえ!」

 

 

 警官達は弾を詰め直しまた発砲する。

 ディオの体内に当たるが全く効いてる気配がない

 

 「無駄!無駄!無駄!無駄ァ!。貴様ら豆鉄砲でも撃ってるつもりかァ!このディオは人間を超越したのだぁ!」

 

 

 飛び散る血飛沫……、上がる無数の悲鳴……‥。

 ジョースター邸内は恐怖の場と化した…。

 ディオは頭を下に向けた状態で宙を舞い警察達の脳を抉り殺した。

 

 「UUURRRRYYY!!」

 

 一人の警官を片手で掴み、朝自分がやられたように血を吸い取った。

 その際、ディオの能力なのか警察官が何人か悍ましい姿に怪物化して「あったか〜い血を飲ませてくれ〜」とジョジョやスピードワゴンに迫る。

 

 

 

 「父さん…!。力を貸してください!」

 

 

 

 ジョジョはジョースター邸にあった鎧の置き物からランスを掴み取る。

 

 「グォォォ!?」

 

 スピードワゴンに近づこうとした屍生人を叩き潰しそのランスを重力を無視して天井にへばりつくディオに向けた。

 

 

 「なんだジョジョ?。死んだジョージに力を貸してくれなど笑止千万!やはりお前はアマちゃんだなぁ!」

 

 

 「ディオ!人の心を失ったのか!?」

 

 

 「そうよ!俺は長きを生きる闇の帝王となるのだ!。弱き人間だった頃の心なんて持ってられるか!ジョジョ貴様は俺をチェックメイトしたかったのかも知れぬが、チェックメイトされるのは貴様の方だったな!」

 

 

 跳躍するディオの頭に思いっきりランスを叩きつける。

 

 

 「グッ……何ぃ?」

 

 

 意外。不死身の怪物に変貌したと思われたディオはジョジョに頭に重い一撃を入れられふらついていた。

 

 「……馬鹿な!。吸血鬼になっても頭は急所だと言うのかっ!?」

 

 

 「どうやら石仮面は被った者を強くさせるようだが完全に!不死身と言うわけでもないようだな!」

 

 「っ〜!貴様ァ!舐めるなぁ!」

 

 「クッ…!ウワァァァァァァァァァァァァァ!」

 

 

 ディオのパンチをランスで防ごうとしたが、ランスを真っ二つに降ってジョジョの身体は壁まで吹き飛んだ。

 ランスの鋒がジョジョの右肩に刺さる。

 

 

 

 「許さん!帝王を侮辱しおって!餌の分際で!」

 

 

 ディオが振り返るといつの間にかジョジョとスピードワゴンは消えていた。

 

 

 

 「うん?隠れたか…フン、間抜けが!。吸血鬼になって俺は闇の世界を生きるようになったのだ!。感覚も人間以上!。言ったろうジョジョ?。策を弄すれば弄するほど人間には限界があるのだよ!」

 

 

 人間を超える嗅覚からジョジョとスピードワゴンの位置を特定する。

 

 

 「無駄な悪あがきは寄せよな!。カーテンの影で怖がってないで出てこいよォ!……ヌァァァァァァァァ!?」

 

 

 カーテンを開いた瞬間、爆炎がディオの身体を襲う。

 

 

 

 「策ではない!勇気だ!」

 

 

 

 ジョジョは高らかに告げ、スピードワゴンと姿を現した。





 真紅のマスターはエリナにしました。

スタンドも出すべき?

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