ヴァンパイアとアリス   作:獄華

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 ジョースター邸の死闘から三日……。ディオと水銀燈は夜のロンドンを歩いていた。


屈伏

 

 「……全く。身体が重い…」  

 

 ジョースター邸の火災から三日後ディオは新鮮な若い女の血を求め真夜中のロンドンを彷徨っていた。

 水銀燈が宙に浮きながら車椅子を押す。

 

 

 「血だ……もっと血と肉が欲しい……」   

 

 「あれだけじゃ、まだ足りないの?」

 

 「うむ……」

 

 

 水銀燈はディオの命令で十代半ばから二十代前半の女を見つけては、黒翼で心臓を貫いて殺害しnのフィールドを使い日光の届かぬ空き家に隠れたディオに毎日届けていた。

 もう彼女により十人以上のロンドンの女性が殺されている。

 そもそもディオが何故あの大火事から助かったのか。

 吸血鬼になったのは勿論、水銀燈の尽力も大きい。

 

 

 

 

 3日前―――――。

 

 

 

 

 

 水銀燈はジョースター邸の燃え盛る炎を前に先ず自身の黒翼を最大限まで伸ばした。

 次に掃除機と同じ要領で、あの大火を全て吸い取り自分のエネルギーに変換したのである。

 元々火を使う能力がある水銀燈だから出来た技だ。

 あと姉妹で消火出来そうなのは庭師の如雨露を使う翠星石ぐらいだろう。

 消火した後、風圧を巻き起こし瓦礫を避ける。

 ついでに石仮面も見つけたので、帝王たるディオと同等の者が新たに現れないように回収した。

 

 「お元気かしら?」

 

 

 「……それ……なりに………な」

 

 

 ディオは身体に火傷と腹に穴は空いてこそすれ顔等は軽症だった。

 

 「もうすぐ……日の出か」

 

 

 「心配ないわ。ジョースター邸の砕けたこのガラスからnのフィールドに入れる」

 

 

 「……制限があるんじゃなかったか」

 

 「もしも貴方が三分も五分も私抜きで居たらね。私というガイドが居ない状態では貴方はその短時間でnのフィールド内で消滅する。私がいれば私がnのフィールドで活動出来る時間と同時間いられる」

 

 「……お前とてずっとはいられないんだな。まぁいい。とにかく何処か日の当たらんとこへやってくれ」

 

 

 「分かったわ……。あらぁ。ディオ。餌が飛び込んで来たわよぉ。不味そうだけど」

 

 

 そこにいたのはワンチェン。

 逮捕されるところを騒ぎに乗じて逃れていたのだ。

 ジョースター邸の火災が止み、金目の物を盗ろうとやってきていた。

 

 

 「な……!。あれで生きていたとは……!。そして喋る人形!?」

 

 

 

 

 「ワンチェン……か。ふん。若い女に比べれば高級ワインと安酒ぐらいの差があるが……先ずは貴様で生命エネルギーを吸い取ってやろう!」

 

 

 「お、お助けを……!」

 

 

 「そもそも貴方じゃない。ディオが長生きするって言ったのは……。これから永く続くディオの人生の養分になれることを幸運に思いなさい」

 

 

 「グギャ……!。ギャアァァァァァァァァァ!」

 

 

 ディオに頭を鷲掴みにされ吸血されながら、水銀燈達に続きnのフィールドに入っていく。

 ディオはワンチェンが干からびるまで吸うとnのフィールドにワンチェンの死体を捨てた。

 

 「ゴミ箱じゃあないのよ」

 

 

 「ふん。別に構わんだろ。消えてなくなるなら何体でも棄てられる」

 

 

 「強引なマスターだこと……そこがいいのだけれど」

 

 

 

 

 

 そして現在に至る―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 「ときに水銀燈……ジャック・ザ・リッパーの話を聞いたことがあるか」

 

 「正しく今私達がいるロンドンを騒がせてる。猟奇殺人鬼ね」

 

 

 

 ……手口の残虐性を他を寄せ付けず。

 動機、正体、真相は現代でも闇の中の謎……。

 19世紀のロンドンを恐怖のどん底に突き落とした男…究極の殺人鬼である。

 ターゲットは女性が殆どだそうだ。

 

 

 

 

 

 

   『JACK THE RIPPER(切り裂きジャック)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな恐怖などつゆ知らず、二人は今ロンドンのホワイトチャペル街を歩いていた。

 

 

 「本当に人間って色々居るわね。猟奇殺人鬼に吸血鬼になった元人間……。やっぱり人生と言う日常がもう喜劇そのものじゃない」

 

 「喜劇…か。俺は運命だと思う……。俺のジョジョとの出会いも、お前との出会いも必然的な出会いだと考えると妙にしっくり来るのだ……そして生じた恐怖を克服していく」

 

 

 「運命ねぇ。まぁ私もディオと出会えて良かったけど。あと、ちゃんと人の血と肉の他にも栄養取らなきゃだめよぉ。乳酸菌とか」

 

 「水銀燈……。乳酸菌に関してはお前が摂取したいだけだろう?」

 

 「バレた?うふふふ」

 

 

 笑ってる水銀燈の声を嗅ぎ付け、ソイツは現れた。

 右手に小さなメスを持ち凶悪な風貌からは殺気の漏れ出ている。

 

 

 (こいつがジャック・ザ・リッパー……。暗いから水銀燈が人形と気づいてないようだな…)

 

 「下品そうな声して笑いやがって!ってガキの女!?。まぁいい死ねぇ!」

 

 

 「……誰がガキですって」

 

 

 「な、何!?」

 

 

 スピードワゴンの時と同じように水銀燈はジャックを睨みつけ、全く動けなくさせた。

 

 「お前……良く見たら人間のガキにしては小さすぎるな……人形?」

 

 

 「せいかーい。あんたみたいな女を切り刻んで悦に浸るバカより長生きしててごめんなさいねぇ……」

 

 

 「ヒッ!」

 

 水銀燈の黒翼がゆっくりと開き炎を纏い出し、それぞれの翼が龍の頭のように鋭利な牙が開き出す。

 ジョースター邸の炎を吸収しパワーアップしたせいか翼が進化し色々な形態変化と本気で展開した際は翼の長さは10mにもならんとしていた。

 

 「ジャンクにしてあげる!」

 

 

 「待て水銀燈」

 

 

 ディオが止めに入る。

 

 「これも何かの運命だ……。ジャック俺と来い。大抵の人間は心に善のタガがあるッ!その為に素晴らしい行動へ移れんッ!素晴らしい悪への恐れがあるのだッ!だがジャック。君はどうだ……」

 

 

 ジャックを見つめるディオの赤き双眸は不思議な色気を放っていた。

 

 

 (あぁ……なんて素晴らしいの……早く人の身体が欲しい………)

 

 

 

 

 うっとりとディオに傾倒する水銀燈。

 姉妹達をジャンクにしてアリスになる過程を早く得たい……そしてディオ・ブランドーに寄り添いたいという気持ちが更に高くなる……。

 

 

 

 「極稀に善のタガがない悪のエリートがいるッ!君や俺がそうだ……どうだね。このディオに忠誠を誓い。不死と安寧を得る気はないか?」

 

 

 

 ジャックはディオに跪くと彼に血を吸われて屍生人に作り変えられた。

 

 

スタンドも出すべき?

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