陰の幼なじみは異世界でも巻き込まれる 作:後は野となれ山となれ
「──まさか、こんな場所に君が来るとは思ってなかったよ、トモ・カゲノー君。確かシド君と血が繋がっていない双子の弟だったかな?」
「違う」
「………?」
「どちらかと言うと……俺がお兄ちゃんだ」
「「…………」」
誕生日は前世も今世も俺の方が早い。つまり俺がお兄ちゃんだ。
つまり、この世に兄より優れた弟などいない……なんて言葉があるがあれは嘘ということ。自分で言ってて涙が出てくるね。
「……まあそんなことは重要じゃないんだ。その目、その剣……私と敵対しようということかな?」
「……………………ん?それ以外ある?いちいち確認しなきゃ分かんない?」
「……っ、減らず口だけは大したものだ。まあいいさ。君をこの場で殺すことに変わりは無いからね」
「あんまり人に殺すとか言わない方がいいよ?強い言葉を使うと弱く見えるって言葉もあるからさ」
某霊圧お化けさんもそう言っています。
なんてことを思っていた瞬間、ゼノンの体が掻き消えた。
気がつけば首元に迫る銀閃。
うおっ、あっぶね…!
「……よく避けた、と褒めておこうかな」
「あざます」
これでもね、シドとかアルファちゃんとかいう化け物と子供の頃から戦ってるんですよ。
避けるくらいヨユーのよっちゃんだぜ。
「さて、次だ」
「……っ」
またもや姿が消える。
だが、別に瞬間移動というわけじゃない。初速からトップスピード、意識すれば見えないわけじゃない。
冷静に迫るゼノンの剣を防ぐように手にした剣を盾にガード。
スピードは早いけどパワーはそこまで…?
剣術に関しては……あんまわからん。でも、総合的に見ればシャドウガーデンのみんな以下ではあるか。
……そうかなあ?そうかも?
「ガードばかりだけじゃ私は倒せないよ…!」
「…………」
うーん、とは言われるが攻めたら切られるしな。
シドにも禁止されてるから極力ダメージは受けたくないし。
互いに剣を弾き距離をとる。
床に転がる石ころへ向けて足を走らせ石の礫をゼノンへ向けて蹴り飛ばす。が、苦もなく叩き切られる。
さて、どうしたもんか。決め手が無いなこれ。
「いや、驚いた。純粋にね。あれほど剣の才能が無いと言うのにここまで戦えるとは。驚異的な反射神経だね」
「え、あ、ども」
褒められちった。嬉しみ。
「だが、やはり君の剣じゃ私は倒せない。最近はそこの王女様に剣を習っていたようだけど……もはや凡人の剣というより出来損ないの剣だ」
「それなー。それは自分が1番理解してるよ」
「それでも私に勝つと?」
「まあ、そうなるか……それに出来損ないっていう割にまだ俺に一撃も入ってないよ?」
そう言うとゼノンは惚けた顔をし、そして………笑った。
手を口に当て、笑うと言うよりもその笑いをこらえるような、肩を震わせたもの。
「くくく……ああすまない。変な夢を見させてしまったようだ」
そう言ってまたもや姿が一瞬で消えた。
しかし、先程の比じゃない速度。さっきまでの速さに目が慣れていた俺は気を抜いて見失ってしまった。
やば、ガード──
次の瞬間、全身から血が吹き出る。
肩や膝、首元や脇……急所や関節を狙った数箇所の斬撃。
「これが私の本気……次期ラウンズの剣だ。どうだい?夢は見終わったかな?」
「…………」
……なんだこいつ、腹立つな。
ニヤニヤした嫌味ったらしく笑いおってからに。
しかもイケメンフェイスだからそんな姿も様になってる。やってらんねえぜ!
「…………ふぅ」
「……?」
息を吐き出し、気持ちを整える。
剣は王女様から教えてもらったんだ。ちゃんと復習しなきゃな。
足は軽く開き前後に。剣を縦に持ち顔の横。握りは小指と薬指を意識、人差し指と中指は軽くで親指で支える。
よぅし──
「来いよ」
「……っ、舐めるなァッ!」
向かってくるゼノン。
この攻撃は……避けない。
どうせ攻めたら避けられる。ガードしたら攻撃は出来ない。
なら"受けて斬れば"いい。
ゼノンの剣が振るわれる。さっきとは違って今回は目で追える。タイミングを間違えずに……足を踏み込んだ。
途端に袈裟斬りに切られる体。血が吹き出し辺りに飛び散る。
でも……ゼノンももうこの時点で既に回避の選択はない。
怯まず億さず、そのまま剣を振り下ろした。
「……!ガフッ…!?」
「…………」
はい切れた。
まあこっちも切られちゃったけど……致命傷じゃないしいいよね!
「……ダメージ覚悟で特攻したのか…!なんとも、スマートじゃないね…!」
「それ俺も思う。まあ仕方ないでしょ、そうしなきゃ倒せないし。肉を切らせて骨を断つってやつだな」
「………っ」
目がガンギマリゼノン。ひえぇ……怖いめぅ…。
目と目が合う。
瞬間好きだと気づいた……訳もなく。ゼノンは1歩後ずさりしていた。
なんだ?ビビった?ビビっちゃったのかなー?
イケメンビビってる、HEYHEYHEY!
「……命をかけてまで、か。前々から君はよく分からない生徒だったよ。戦いに楽しみを見出すタイプでもない、それなのにいざとなれば命を容易くかける。そこまでその王女様に惚れ込んでるのかな?」
「……んー、ちょっと違うな」
「………と言うと?」
惚れる……いやまあ可愛いとは思うよ?
でも違うんだよなあ。明確に説明できないこの気持ち。焦れったいねえ。
「今の時代、女の子でも前線に出て剣を取る世界だ。強さに男も女も関係ないし強いやつは強い。女の子も守られるだけの存在じゃなくなってるわけだ。……でも昔から変わらないこともある。それは"可愛い女の子の前で格好つけるのは男の夢"なんだよ」
「……それの為だけに君は命をかけるのかい?」
「"為だけ"?おいおいゼノン君。君は男のくせに男をわかってないなあ。男が命かける理由にしては十分でしょうよ」
剣を構えてゼノンを見据える。
それを見てゼノンもまた剣を構え直した。
「……その軽口がいつまで持つか見ものだよ」
「えー、そうだなあ……じゃあ、死ぬまでかな?」
主人公以外の視点でも書いて見たいけど……出来るかなあ。
各キャラの主人公に対する評価とか気持ちとかも書きたいけど……かけるかなあ。
各キャラとの深堀エピソード(参考までに)
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アルファ
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ベータ
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ガンマ
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デルタ
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イプシロン
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ゼータ
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イータ
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クレア
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アレクシア