陰の幼なじみは異世界でも巻き込まれる   作:後は野となれ山となれ

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ノリと勢いでしか書いてない。


悪い悪魔憑きじゃないよ(プルプル

 

 

「あれ?ミノル?」

「…………え?」

 

時が止まった。

 

俺も向こうも動きが止まってる。

……は!?これはスタンド攻撃か!?時を止めるなんてなんてチートな能力……ああ、いや目の前を犬が通り過ぎて行ったわ。

 

いやだがまて、犬というのは時を止める能力を無効化する生き物だったっけな。アニマルビデオで勉強したんだ、俺。

 

「なんでお前その名前知って………あれ?ユウジ?」

「…………え?」

 

また時が止まった。

 

……は!?これはスタン(ry

 

「えーと、1つ目のお名前聞いても?2つ目じゃないよ?1つ目ね」

「……影野実。その言い方だとやっぱりお前……」

「只野友士。……うわぁ、なんでお前と同じ世界に転生してんだよ」

 

なんてことだ。前世の幼なじみも異世界に来ていたのか…!

 

途端に膝から崩れる俺。

もうイヤ…!あたしを平和な世界に連れてって…!(涙)

 

「マジか……いやでもそれならちょうど良かった。僕、この世界で陰の実力者目指すから。ユウジ手伝ってよ」

「だが断る!」

「えー、なんでさー」

「お前に付き合ってたら俺の体が持たないっての…!前世の頃お前のせいで何回病院にぶち込まれたと思ってんの…!」

 

あれは日差しが暑い夏の日……いや、吹雪いていた寒い冬の日?それとも秋?春?……まあなんでもいいや(適当)

 

柔道の打ち込みの稽古をしていたらおもっくそ投げられ頭から地面に落ち首を痛めて入院。

剣道で面を思っくそ入れられて首を痛めて入院。

空手で正拳突きが首に直撃し痛めて入院。

……首への恨みでもあるのかな?

 

その他にも全身骨折に次ぐ骨折。筋肉の断裂やら何やら、とにかく数え切れない怪我をしてきたわけだ。よく死んでなかったなあ。

 

「あれは……悪かったと思ってるよさすがに」

「だろ?てなわけで俺は──」

「そんなことは置いといて」

「置いとくんじゃねえよ…!」

「……僕に付き合ったらモテるよ?」

 

──ピクッ

 

ふ、ふーん?そんな手にはもう乗らんよ?流石に通じないぜ?そんな手は。

 

「……か、考えてやってもいいかなー?」

「……チョロ」

「なんか言った?」

「なんでも」

 

ボソッと呟いたミノルの言葉。

聞こえはしなかったが何やら嫌な予感。

……まあいいや!モテるなら!

 

「ところでそっちのスライムみたいなのって」

「ああ、こいつ?友達」

「……とも、だち…?」

 

……なんだその反応。

宇宙人が地球人と仲良くなって初めて友達になった時みたいな反応しやがって。友達の概念知らんのか?

 

「悪魔憑き、だろ?」

「っ!違う!違うぞ!この子は優しいスライムなんだ!プルプルしてるだろ!」

「いや、うん…」

 

悪魔憑き。

普通に産まれたと思ったらある日を境に体が腐っていく謎の病。放っておけば直に死ぬが、教会が浄化だかなんだかって理由に処刑するとか何とか。

 

しかしまずい!このままでは俺の友達がミノルに殺されちゃう!

 

「殺らせんぞ!俺はこの子と冒険に出て伝説の剣を抜いて魔王を倒すんだ!」

「いや、この世界魔王とかいないから」

「一緒に生活してアオハルな思い出を残すんだい!」

「いや、直に死んじゃうからね。その子」

「俺が治す!」

「いや、無理だよ?」

 

影野実こと、シド・カゲノーは頭を悩ませた。

こうなっては幼なじみ話を聞かない。ひとたび決心したらテコでも動かない、シドよりも頑固者。

 

ため息をこぼし剣を抜くシド。

 

「待てェい!殺すなら俺を殺してからだ!」

「ユウジは殺さないよ……いいから、楽にしてあげよ?」

「死ぬまでの間だけでも楽しい思い出作るんだい!」

「………」

 

呆れるシドとスライムに抱きつくユウジ。

どうしていいか分からない。そう思っていた時……シドは気づいた。

 

「……ん?」

「……なんだよ。欲しいって言ってもあげないぞ」

「いやいいよ。……てか、その子多分治せるよ?」

「……え?」

 

……また時間が止まった。

 

は!?これはスタ(ry

 

「よし、じゃあ早く治そうぜー」

「え、あ、おい……相変わらずマイペースなやつ」

 

スライムを担ぎ歩き出した俺の背中にかかった声。

マイペースだとぅ?……貴様には1番言われとうないわ!

 

 

 

 

 

 

 

あれからスライムの治療が始まった。

俺はやり方を知らん。だからずっとスライムさんに引っ付いていた。

 

お風呂に一緒に入ったり、一緒にお日様の下でお昼寝したり……素晴らしくのどかな日々。

知ってた?このスライムさん抱き心地が良いんですよ。あれだあれ。人をダメにするクッションみたいな、あんな感じ。

 

しかもほのかにいい匂いするの。ほんとに腐ってるの?って感じ。

 

そんな生活を続けて早数週間。

 

「──え?この世界って魔力あんの?」

「ん?知らなかったの?」

「全然。そういう知識覚える前にうちの領地がこの有様に」

「なるほど」

 

もはや廃村と化したこの場所。

ミノルの家からは近くは無いけどそう遠くもない場所。

 

こうなってしまったら俺の立場どうなるんだろ。まだ貴族なのかな?それとも孤児?

 

てか、そんなことより──

 

「魔力あんなら魔法とかも…!?」

「あ、それは無いよ」

「ナンデヤネーン」

「魔力で強化して剣で斬るが主流らしいね」

「なんて脳筋ファンタジー。俺は剣よりも銃派だよい」

「残念、銃もこの世界には無いよ」

「クソが」

 

クソぅ…!異世界といや魔法バンバンじゃねえのか…!?

 

しかも剣オンリーかよぉ…、銃をくださいよぉ…、前世でサバゲー好きだった俺にはそっちの方が性に合うんですよぉ…。

 

「まあほら。ユウジってばタフネスは化け物級じゃん?それ活かして捨て身の特攻して行けばどうにでもなるよ」

「前世の話ねそれ。今は子供になって能力値リセットされとりますがな。あとそんなスタイリッシュさの欠けらも無い戦い方は嫌」

「はぁ、ワガママさんだな」

「おまいう」

 

何でもかんでも巻き込んできやがるワガママさんはどこのどいつだってんだ。

 

「アンタはああいう男と関わっちゃダメだからね」

「……あ……う」

「あー!声出せたねー!偉いねー!」

 

隣のスライムさんを撫で回す。

治療は順調。声も微かに出てくる程に回復出来ていた。

 

嬉しいですねぇ、非常に嬉しいですよこれ。

ほのぼのとした充実した日々。こんな生活が続けばなあ、と思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日、気がついたら肉スライムさんは金髪エルフの美少女へ変貌を遂げていた。

 

俺は即座に土下座した。




セクハラしてたもんね。しょうがないね。
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