陰の幼なじみは異世界でも巻き込まれる   作:後は野となれ山となれ

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深夜テンション。


40秒で支度しなッ!

 

 

「クレアちゃんが拐われたー!?」

 

朝、起きたら唐突にそう聞かされた。

 

カゲノー家の一員となって数年。クレアちゃんには剣のお稽古で毎日ボコボコにされていた日々だったが……楽しかったなー。相手が美人さんならいくらでもボコボコにしてもらっても構わん。

 

……いやいやいや、そんなことより!早く助けに行かないと…!

 

「ええ、調べによると教団の者による犯行のようね。それも幹部クラス……彼女を英雄の子だと疑いを持っていたのだと思うわ」

 

アルファちゃんがなにやら説明しているがそんな暇はないぞ!早く支度を済ませろ!

 

えーと、服を着替えて…!あれも持って…!これも…!

 

「……服が裏返しよ。それにズボンを上にシャツを下に着てどうするのよ。あとスプーンは使わないでしょ。とりあえず落ち着きなさい」

「ふえぇ……ママぁ…」

「誰がママよ……全く、そろそろ組織のボスとしての自覚を持ちなさい」

「ごめんよママ」

「……その呼び方やめて」

 

ジト目が……カワイイ!( ᐛ)

 

ため息吐きながら甲斐甲斐しくお世話してくれる姿はまさにママ。はっきりわかんだね。

 

こうして最近は俺の冗談にも付き合ってくれる。仲良くなれた証拠だね!

……そうだよね?(不安)ほんとに呆れられてるわけじゃないよね?(確認)

 

「クレアちゃんまだ生きてるかな?」

「イプシロンが痕跡を辿ってくれているわ。本当は私が行きたかったのだけど……貴方を放っておいたら不安でしかないもの」

 

……そんな信用ないかな俺。

まあ、アルファちゃんがお世話しに来てくれるならいいか!

 

「シャドウにも既に話はベータからしてあるわ。七陰も揃ってる、すぐにでも動くわよ」

「おう!早く行くぞ!クレアちゃん拐ったヤツらをボコボコに!」

「落ち着きなさいって、全く……」

 

待ってろ!すぐ助けに行くからね!クレアちゃん!

 

そうして俺は走り出した!爆速で!

……アルファちゃんに抜かされた!泣きそう!

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおりゃあ!カチコミだぁー!」

 

「「「……ッ!!?」」」

 

着いたアジトに突撃、隣の晩御飯をかます。

壁を破壊し中へ。ダイナミックお邪魔しますだな。

そこには盗賊さん……いや、アルファちゃん曰く教団の方々がいた。

 

……そういやシドはどこ?来てるんじゃないの?

 

「な、何だこのガキ!?」

「侵入者か!」

「なぜこの場所がバレた!?」

 

気がつけば囲まれていた。

やべ、ボーッとしすぎてた。

 

最初の突撃で何人かふっとばせたものの続々と増えていく教団さん達。

 

「全員で一気に……ッ!?」

 

「落ち着きなさいって言ってるのに……デルタ、アナタは右側をやりなさい。左はベータとイプシロン。この場はイータとゼータ……あとガンマに任せるわ」

「「「「「「はい(なのです)」」」」」」

 

「な!どこから現れ──ガ…!?」

「………」

 

隙を見せた団員さんを背中から拳をぶち込む。

貫通して腹から出る拳。

 

……シャドウガーデンの子達が強すぎてあれだったけど、俺もだいぶ強くなってるよな。自信持っていいよね?

 

「アルファちゃん!クレアちゃんはどこ!?」

「恐らく地下牢ね。案内するわ」

「OK、頼む」

 

アルファちゃん先導に先に進む。出てくる敵さん方が襲ってくるが苦もなく迎撃。

 

……それにしてもアルファちゃんは無傷だけど俺は細かい傷がついてしまう。これが強さの差ってやつか。まあいちいち治す程の怪我では無いけど……なんか複雑。

 

そんな事をしていたら目の前に一人の男が現れた。

 

「な、なんだこの惨状は…!?」

 

そういう彼はこっちに気がつくと怯えたように口を開いた。

 

「何者だ!何が目的だ!?」

「……我等はシャドウガーデン。影に潜み、影を狩る者。私はアルファ、そして目的は……ディアボロス教団の壊滅」

「……っ!」

 

アルファちゃんがなんか言い出した。

……ヤバい。アルファちゃんがシドに影響されまくってる。なんてこったい。このままじゃ残念美人まっしぐらだぞ…!

 

「……トモ、行きなさい。この先がおそらく地下牢よ」

「あ、うん。じゃあ……任せた!」

 

男を一瞥し、アルファちゃんにこの場を託し俺は男の横を通り過ぎ先へと進んだ。

 

「な、行かせる──!?」

「あなたの相手は私よ」

 

そうして足止めしてくれる。

なんだかっこよ。かっこよくて可愛いとか最強かよ。は?好き。結婚しよ。

 

そんなことを思いつつクレアちゃん救出のために俺は足を動かした。ちなみにここまで走り続きで肺が痛い。俺は短距離型で長距離は苦手なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

地下牢行くとクレアちゃんが倒れてた。

手首から血を流して指の骨も外れてた。

 

壁にかかった手錠を外すために無茶したんだね。凄いなあ。

とりあえず治しといた。治療は任せろ!

 

「……ん、んん?」

「お、起きた」

 

おんぶして運んでいたらクレアちゃんが目を覚ました。

背中に感じる柔らかな膨らみが形を変えて……役得だぁ…!(恍惚)

もう背中は洗わないことにする。

 

「………っ!トモ…!」

「おっとと……あんま暴れないでね。落ちちゃうから」

「………っ」

 

俺の言葉に大人しく体を預けてくれる。

いつもとは違ったしおらしい態度。普段とは違った魅力が見れて満足。

 

「怪我……」

「え?」

「……助けてくれたの?」

「んー、まあ。シドじゃなくてごめんね?」

「……なんでそこでシドが出るのよ」

「え?だってシド大好きじゃん」

「別に……!」

 

また暴れそうになるクレアちゃんだったが手に力を込めると大人しくなった。

そういや自分の怪我治してなかったな。まあ致命傷なんてないし、大丈夫ではあるけど。

 

「あんま無茶しないでよ……」

「男の子は女の子のために無茶をするものなのさ……」

「なにそれ、弱いくせに……」

 

呆れたように、それでも確かに笑った声が耳に聞こえてきた。

首に回した腕に力が籠って密着度が増した。

 

……とてもいいものではあるが、首絞まってますねー。ちょっと息苦しいかなー?

 

 

 

ちなみにシドはこの時、皆とはぐれて1人で迷子になっていたらしい。

なんやそれ。




スライムスーツ?
試しに着てみたら形を保てずに真っ裸になったから当分は無しってことになってるよ。
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