陰の幼なじみは異世界でも巻き込まれる   作:後は野となれ山となれ

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どんなことにでも巻き込まれる系主人公。


ナズェミテルンディス!!

 

 

眠いまなこを擦る朝の時間。

本日はズッコケ4人組と一緒に登校していた。

 

剣術の特訓も大事だけど、たまにはね、休息もね、大事だよね。

 

「てかさ、シド。お前王女とどこまでいったんだよ」

「別に何も無いよ」

 

──ギリィ…!

 

ヒョロの振る話題に歯ぎしりをしてしまう。

 

「おいおい、そりゃないだろ。2週間だぜ?何かしら進展とかさ」

「ですね。ぼ、僕ならその……ち、ちゅーくらいは…!」

 

──ギリギリィ…!

 

更に強い歯軋りをしてしまう。

 

チューだとぅ?許しませんよ!シドくんにはまだ早いですからね!

 

そんな時だった。

目の前に現れた1人の人物。

 

「ちょっといいかな?」

 

イケメン教師のゼノン先生。

ゼノン・グリフィ。国の剣術指南役、そして、王都ブシン流の顧問。あと王女様の婚約者(仮)の人物。

 

へっ!イケメンか!死ね!……嫉妬じゃないよ?

 

「昨日の夜からアレクシア王女が寮に戻ってきていない」

「「「え…!?」」」

「なん……だと……!?」

 

そう言うとゼノンはシドの前へと立ち言葉を続けた。

 

「騎士団はこれを誘拐事件として見ている。そこで昨日、王女と最後に接触していた君が容疑者の候補に上がった。話を聞きたい。……着いてきてくれるね?」

「…………」

 

無言のシド。

周りも俺たちを囲むように騎士団の人が数人立っていた。

 

こういうのって色んな作品の展開的に拷問まがいの取り調べされちゃうやつだよなあ。

それにしても誘拐……みんな誘拐されてるね。怖い世界だー。

 

………………早く助けに行かなきゃ!(・゚д゚`≡・゚д゚`)アワアワ

 

「それから……学園で最後に会っていたのは、トモ君、君だね?君にも一応着いてきてもらいたい」

「………………え?」

 

………うそ、なんで?

こんなことにも巻き込まれるの俺?

 

惚ける俺にジリジリ詰め寄ってくる騎士団の人達。

 

「……………っ」

 

いやあの……ちょ、待…!ちょ待てよ!

 

お、お、俺のそばに近寄るなあぁぁぁぁあッ!!

 

 

 

 

 

 

 

騎士団に連れられどれだけの時間が経ったのだろうか。

 

俺はほぼ軟禁に近い方で、予想通りの拷問まがいの取り調べを受けていた。

椅子に括り付けられパンツ一丁。そういう性癖はないんですがねえ。

 

「王女様をどこにやった!」

「お前かあのシドってやつ以外有り得ねんだよ!」

「……………」

 

目の前にはむさ苦しい男が2人。

これが女王様系の美女だったらまだご褒美と言えた。

 

だが………心がしんどい(泣)

拷問には全然耐えられるんですよ、ええ。今までボコボコのボコにされまくってきた俺の痛覚はかなり鈍くなってるからね。

 

ただ、この状況は精神がまいる。

俺はシドとは違って人の心はあるのでね。こんな状況、あの幼なじみなら楽しめるんだろうけど俺には無理なんですよ。

 

唯一の癒しは鉄格子の窓から見えるお外。

……こんな晴れやかな天気なのに我が心はどんより雨模様。

 

今の俺は俗に言うレイプ目になっていることだろう。間違いないね。

 

はあ、早くお天道様の下を歩きたいなあ……ってなんか見たことある人物がいないか?

 

前世から視力は2.0以上のこの俺様の目は誤魔化せないぜ!

遠くに見える木の上。そこからこちらを凝視する黒ずくめの………ベータじゃね?

 

色々成長してるけどあの白銀の髪はベータじゃない?着てるのもスライムスーツだよな?

なんかこっち見てるな。

 

…………………………ふむ。

 

ベータサン!ナズェミテルンディス!オンドゥルルラギッタンディスカー!

 

見てないでたしけてたしけて……!痛い痛いなの…!しゅごい痛いの…!

痛みに鈍いって言っても痛いものは痛いからね!まあ体より心の方が痛いんだけどね!

見て!アタシの目を見て!この世の終わりみたいなどす黒いお目目になってるでしょ!?

レイプ目した男のリョナなんて誰得なの!もしかしてだけどベータさんってそういう性癖をお持ちの方!?それだったらお兄ちゃん心配なるよ!あなたの将来が!

 

……それでもベータは動きません。なんてこったい。

 

にしても遠すぎて分かりずらいけど………なんか目がガンギマってない?目が血走ってんねえ、どした?あ、下唇噛んだ。噛みすぎて血を流さないでね?

 

……今頃シドは何してるんだろうなあ。

 

 

『いやあぁぁぁあ!命だけはお助けをぉぉぉお!!』

 

 

……なんか聞こえてきたぞ。

悲鳴っぽいけど声音に楽しさを感じる。この状況遊んでんなあ。あいつやっぱり人間じゃねえだろ。感覚バグってんのか?

 

……てかなんで俺も取り調べされてんの?シドだけでよくなあい?

 

「………あぁ………」

「どんどんいくぞ!」

「吐くまでやめねえからな!」

 

呻き声をあげるとさらにヒートアップ。

……帰りたい(涙)

 

 

 

 

 

 

 

「おら、さっさと行け」

 

外へ投げ出された俺氏。

取り調べを受けて5日……5日なのか?日付感覚がバグった。

 

荷物が横になった俺の顔面に落ちてくる。痛い。

 

「お、トモも釈放?」

「………元気そうでなにより」

 

横で一緒に横になったシドが笑みを浮かべて声をかけてきた。

 

……うん、怖い。なんでそんな楽しそうなのよ。やっぱ人間じゃないだろお前。

 

「よし、帰ろっか……ってどしたの?」

「心がしんどい。動く気が出ない」

「あらら……しょうがない幼なじみだなあ」

 

そう言うとシドはしゃがみ、背中を見せてきた。

 

「……なに?」

「おんぶ。……いらない?」

「いる」

 

のそのそと動き出し、這うようにシドの背中へ。

俺が特訓でダウンした時もこうしておぶさってもらってたなあ。

 

「トモは取り調べで何されたの?」

「えー?……スタンガン、鞭打ち、拳……、後は致命傷にならないとこをナイフでチクチク」

「僕はそれにプラスで爪も剥がされたよー」

「うわえぐ……なんで嬉しそうなん?」

 

頭ん中バグり散らかしてんな。

……なんで俺こんなやつと幼なじみなんだろ。なんならなんで転生した異世界まで同じなんだよ。

 

「そういや尾行されてるね」

「あー………2人か?」

「そうだね」

 

証拠不十分の仮釈放。

そんな立場の俺たち。そりゃまだ監視されるべき対象ではあるか。

……にしても心が休まんないなあ。

 

と、そんなことを思っていた時だった。

 

「──後で……」

 

通り過ぎざまに聞こえた声。

聞き慣れた女の人の声だった。

 

「……アルファちゃんかな?」

「アルファだね」

 

ふむ……ベータもいたし、再会は近い…ってコト?!

 

ひゃっほい!(体力が満タンになった)




主人公はイカレてるのかって?
イカれてません(主人公の主観的に)
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