僕が王子様系?ご冗談を。   作:入間月光

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第三話

第三話

 

「エフィ~~♪」

 

「ははっ。エーフィ。気持ちよさそうな声出しちゃって。」

 

パルデアに帰ってきた次の日。僕はポケモン達とセルクルタウンの近くの草原にピクニックに来ていた。久しぶりの地元にポケモン達もとても楽しそうでそれぞれ羽を伸ばしている。まあ何体かはガラルで仲間になった子だけど。

 

昼食を作るための道具を設置しながらポケモン達の様子を観察する。

 

エーフィは、昼に進化するポケモンだけあって日光浴をしている。トロンとした顔は今にも寝てしまいそうだ。バトルの時のポーカーフェイスはどこへやら。

 

ヤドランは野生の虫ポケモンが花の蜜を吸うのをぼーっと見てる。ってちょっと、後ろ。しっぽのシェルダー野生のムックル達に突っつかれてるよ。どうやら気づいてないみたい。

ヤドランに進化してもこの鈍感さはどうにもならない。

 

ヤドラン(ガラルのすがた)はエーフィと一緒に日光浴中。この子はパルデアは初めてだから周囲を警戒したりするかなと思ったが、案外大丈夫そうだ。

 

ライチュウ(アローラのすがた)は野生のイワンコやメェークルとお話してる。この子もヤドラン(ガラルのすがた)と一緒でパルデアは初めてだけど持ち前のコミュ力を活かして早速パルデアに溶け込んでいるようだ。

 

テールナー(色違い)はそこらへんに生えてるお花で花冠を作ってる。進化前のフォッコの頃からお花好きだったもんね。誰かにプレゼントするつもりかな?ってあれ?僕にくれるの?

 

 そういえばエルレイドはどこだ...?そう思って周囲を見渡すと、コトンコトンと食材が切れる音。

 

「エルレイド?手伝ってくれるの?助かるよ!」

 

「エレッ!」

 

 僕のエースポケモンにして、僕が最初に捕まえたポケモン。もう13年くらいの付き合いになるっけ。

 

 まあ僕の手持ちはこんな感じ。みんな楽しそうで何より。

 

「さて、作ろうか。」

 

 鍋に水を入れ、コンロの火をつける。数分後、いい感じに沸騰したのでエルレイドが切ってくれたきのみやら野菜やらを火が通りにくい順に投入。火が通ったらルーを投入し、こぼさないようにおたまで混ぜていく。うーんいい匂い。ポケモン達も匂いにつられ寄ってきた。

最後に真心をたっっっっっっっっっっっぷり込めて...

 

「完成!ソニアさん直伝!からくちアップルカレー!!いただきまーす!」

 

 スプーンでルーとライスをすくい口に運ぶとスパイスの辛さとうま味が口に広がる。結構辛いルーときのみを使ったけれど、とっても甘いリンゴを上にのせてるからうまく調和が取れている。ポケモン達もおいしそうに食べている。慌てないで、おかわりはいっぱいあるから!

 

「アギャッス!!」

 

「はいはいおかわりね...って君は...!?」

 

 皿を差し出すバイオレット色のポケモン、ミライドン。「ポケットモンスタースカーレット」「ポケットモンスターバイオレット」のうちバイオレットの方のパッケージを飾るポケモン。パルデアでライドポケモンとして愛されるポケモン、モトトカゲの未来の姿。って解説してる場合じゃない。

 

「君がいるってことは...まさか...」

 

「ミライド~ン!!やっと見つけたよ...。ってああ!?人の物勝手に食べてる!?うちのミライドンがごめんなさい!」

 

 来ましたポケモンSV男性主人公ハルトくん。こんなところで出会うとは。

 

「ってええっ!?ベルギアさん!?」

 

 ん?彼は何やら僕のことを知っているご様子。

 

「ぼ、僕、大ファンなんです!!」

 

ああ、そういうことね。彼は僕のジムリーダー時代のファンのようだ。

 

「そういえば、カレー作りすぎちゃったんだ。よかったらどう?」

 

「ええっ!?そ、そんな...僕みたいなオタクがベルギアさんとお食事なんておこがましいですよ!」

 

 ええ、困るなあ。割とマジで食べてほしいだよなあ...。冗談抜きであと鍋一個分ぐらいあるし。

 

「アギャアギャッ!」

 

 ミライドンは「一緒に食べようぜ!」とでも言いたいのか前足を器用に使って皿をハルトくんに渡す。

 

「ほら。ミライドンも誘ってくれてるよ?」

 

「で、でも、そんな...(お腹が鳴る音)あっ...。」

 

「ははっ。体は正直みたいだね。」

 

「じゃ、じゃあ、いただきます...。」

 

 

 

 

 

 

 あれから20分ほどたっただろうか。僕とハルトくんはお互いについて語り合っていた。

僕は今ハルトくんが通っている学校グレープアカデミーの学生だった時の話、ハルトくんはパルデアに来る前の話を。パルデアに来る前ハルトくんはガラル地方のシュートシティの名門のスクールに通っていたらしく、勉強の合間に僕の試合を毎回欠かさず見ていたそうでグッズもコンプリートしてくれているらしい。あれ?グッズの販売はやめてくれとローズ委員長に頼んだはずだったんだけど...。

 

「今も持ってますよ!見てくださいこの写真!」

 

 ハルトくんはスマホロトムのフォルダから写真を見せてくれる。そこには10種類ぐらいの服装の僕が描かれたアクリルスタンドが置いてある棚が写されていた。やめてっ。恥ずかしいから!

 

「この右から5番目のコートを着たベルギアさんが特にお気に入りで!!髪をかき上げてるだけなのにベルギアさんの色気やヴィジュアルの良さが爆発してるんです!それと...あっ!?ごめんなさい...僕ばっかり喋っちゃって...。」

 

 ああ、ごめんね。そんな謝らないで!もしかして「あの委員長絶対許さん...!!」って思ってたのが顔に出ちゃってたかな!?

 

「いいよ。気にしないで。ファンになってくれる人がいるのは嬉しいなあって思ってたんだ。」

 

「そ、そうですか...。」

 

 ハルトくんは落ち込んでしまったのか下を向いて蹲ってしまう。今度はこっちから話しかけてみようか。

 

「ハルトくんは、なんで僕のファンになってくれたの?」

 

「え?ええっと...。バトルの時のキリッ...とした顔がかっこいいのと...その...」

 

「その?」

 

「試合に勝った時の...笑顔が...か、可愛くて...」

 

 え、そんな風に思ってくれてたの?っていうかそんな顔してたんだ僕。今知ったわ。

 

 

 

「悪いね。片付けまで手伝ってもらって。」

 

「いえいえ。僕が食べさせてもらったんだから、当然ですよ!」

 

 ハルトくんめっちゃいい子。僕が片付けを手伝ってほしいと頼んだら、二つ返事で了承してくれた。

 

「お礼にこれどうぞ。」

 

 もったいなくて使ってなかったムーンボール。この先もどうせ使わないのでハルトくんに渡すことにした。

 

「あ、ありがとうございます。いいんですか?こんなレアなもの?」

 

「いいよ。この先も使わないだろうし......危ない!!!」

 

「え?うわっ!?」

 

 上から何かが飛んできたのでとっさにハルトくんを抱えて避ける。飛んできたのは一瞬しか見えなかったがおそらくウォーグルだが...ってあれ!?

 

「ヒスイのすがた...!?」

 

 今は昔、シンオウ地方がヒスイ地方と呼ばれていた時代に確認されていたとされるウォーグルの姿、所謂リージョンフォームだ。でもなぜだ...?環境の変化とかでもう絶滅したはずなんだけど...?ってそんなこと考えてる場合じゃない。あいつまたこっちに向かってくる!

 

「ヤドラン、れいとうビーム!」

 

「ヤドーン!!」

 

 進してきた隙にヤドランのれいとうビームを当てるとウォーグルは墜落し、地面にへたり込む。再び飛び立つ前にモンスターボールで捕獲!

 

「全く何なんだ...?」

 

 なんでこの時代にこの姿のウォーグルが...?まさかオーリム博士かフトゥー博士のタイムマシンか...?ってああ!?ハルトくん!?

 

「大丈夫かいハルトくん!?怪我はない?」

 

「は、はい。大丈夫です...。ベルギアさんが守ってくれたから...。」

 

 ほ、本当に大丈夫なのかな?ごめんねほったらかしにして!

 

「それならよかったよ。もしハルトくんになにかあったら僕...」

 

「えっ!?」

 

 突然ハルトくんの顔が真っ赤に染まる。やっぱりハルトくんのことそっちのけにしてウォーグルとバトルしに行ったこと怒ってるのかな!?とりあえず謝らなきゃ!!

 

「ご、ごめんね、ハルトくんのことほったらかしにして。」

 

「い、いえ、大丈夫です...。」

 

「えっ?でも...。」

 

「大丈夫ですからーーーーー!!」

 

 ハルトくんはそのままどこかへ走っていってしまった。

 

「本当に何だったんだ...?」

 

 

 

 




今回出演したキャラのイメージCV

ハルト…榊原優希
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