僕が王子様系?ご冗談を。   作:入間月光

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第五話

第五話

 あれ?僕今ニートじゃない?

 

 ある日突然そう思った。いや別にね?ジムリーダー5年もやったからお金はそれなりにあるし、姉さんもジムリーダーだしパティシエとしても大成してかなり稼いでいるから何もしなくても暮らせるけどもね?前世から僕はどちらかというと現場で働きたい質だったから動かずにはいられないんですよねぇ...。

 

「大丈夫よ~!お姉ちゃんがベルちゃんをしっかり養ってあげるから!」

 

 ...なんて姉さんも言ってくれてる(両親も同じようなことを言ってる。)けど、やっぱりこのままじゃいけないと僕は思う。

 

「ライラーイ!」

 

 皿を指さしご飯をねだるライチュウ。この間作ってあげたパンケーキが相当気に入ったようだ。

 

「ヤド~ン。」

 

 ぼ~っとソファに座りテレビでポケチューブを見るヤドン。そこで僕は閃いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちわ~!ニーレンちゃんのお料理ちゃんねるだよ~!」

 

「ライラーイ!」

 

僕はニーレンという名前で女装して、ライチュウと一緒に料理系ポケチューバーとして活動することにした。あれ?なんでハンドルネームを使ったり女装をしているの?と思ったそこのあなた。確かにベルギアの名で活動すれば「元ジムリーダーのベルギアがポケチューブ始めたぞ~!」と瞬く間に人気が集まって登録者数もシビルドン上りかもしれない。だがその人気は僕の「元ジムリーダー」という称号に依存したものだから、純粋にポケチューバーとして成功したい僕としてはあまり望ましいことではないんだよね...。 僕は自分の力で一からスタートするんだ。ちなみにこの事を姉さんに相談したら、

 

「ベルちゃんがポケチューバーに~!?大賛成よ~!真っ先にチャンネル登録するわね~!」

 

と、快くOKしてくれた。さらに僕の知らないスイーツの作り方まで教えてくれるとのこと。

 

「今回はきのみタルトを作っていくよ!材料は、これから編集でリストを出しておくから動画をストップしてよく確認しておいてね!」

 

 こ、こんな感じでいいよね...?そう不安になってカメラ担当のヤドンの方を見ると小さくサムズアップしてくれた。ありがとう...!

(作り方も書くと長くなるので省略します。By作者)

 

「最後にカットしたチーゴのみをバランスよく乗せて...。よし!完成!ライチュウもお手伝いありがとう!お疲れ様!一緒に食べよう!」

 

「ララーイ♪」

 

 器用にフォークを使ってタルトを頬張るライチュウ。癒されるなあ。

 

「いただきまーす...ん~!おいしい~!」

 

 とてもおいしく作れたので安心。このキャラにも慣れてきた気がする。

 

「今回はここまで!もしこの動画がよかったら、チャンネル登録とグッドボタンよろしくね~!じゃーねー!」

 

「ライラ~イ!」

 

 

 

 

 

「タイトルは...こんな感じで...よし!投稿できた!」

 

 あ゛~疲れた!ぶっちゃけ撮影より編集に時間がかかった。1分編集するのに1時間つかうってよく言うけど本当のことなのだと実感する。

 

「お疲れ様ベルちゃん。遅くまで頑張ったわね~。」

 

 労いの言葉とスイーツをくれる姉さん。...ん?今姉さん遅くまでって言ったよね?

 

「えっ!?PM10:30!?」

 

 これは驚いた。動画一つ投稿するのにこんなに時間が必要とは。日々動画投稿をしている人の大変さを身をもって体験した。

 

 

 

 

「エフィ~...」

 

「ンナ~...」

 

 僕の横で寝息を立てて気持ちよさそうに眠るエーフィとテールナー。他のポケモンもモンスターボールの中で寝ているが、僕はパソコンの光で目がすっかり冴えてしまいなかなか眠れない。ふと部屋の窓を眺めると、綺麗な三日月が見えた。こうやってゆっくり月を眺めるのもガラルではしていなかった。こういうのもたまには悪くない。

 

「綺麗だな...。ん?ははっ。わかったよ。出たいんでしょ?」

 

 カバンの中で震えているのは七匹目の手持ちが入っているラブラブボール。どうやら彼女は外の景色を見たいようだ。彼女をボールから出すために部屋を出て庭に向かう。

 

「よし、いいよ。出ておいで!」

 

「セリアッ!」

 

 ボールから出てきたのは、シンオウ地方で語られる三日月の化身と呼ばれる伝説のポケモン、クレセリア。その色違い個体。僕がジムリーダーにスカウトされるきっかけとなったポケモンだ。

 

「ごめんね。ボールから出してあげられなくて。最近いろいろバタバタしてたからさ。」

 

「セリアッ!」

 

「だから、今夜はこの夜空を自由に飛び回っておいで。」

 

「レレリアッ!」

 

 オーロラをその身に纏い、夜空に向かって羽ばたいていくクレセリア。その姿は、まさに天女のようだった。

 

「...やっぱり君は美しいな。特にこんな三日月の夜は。」

 

 彼女と出会ったのも三日月の夜だったな。ほんの偶然だった。僕の手持ちになってくれたあとも、みんなとすぐに仲良くなってたっけ。特にテールナーとは親友と呼べるまで親密な中になっているんだよねぇ。そんな思い出に浸っていると、空から輝く楕円形の物体が。

クレセリアの羽だ。

 

「フッ。ありがとう。よく眠れそうだよ。」

 

 その日の夢は、今までで一番楽しかった。

 

 

 

 

翌朝、空を飛ぶ光る物体出現!と昨夜のことがニュースになっていた。やっべ。




ちなみに主人公のハンドルネームの由来は、主人公の名前のモチーフにした花、
ニーレンベルギアのニーレンを使っただけです。
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