性癖ナイツって書き始めたら筆が止まりませんね
「………なるほどな、どうりでそんな形相でとんできたワケだ」
あの後、私は初めに会ったフェリーンの女医と、初対面のサルカズの女医に事情を説明してもらっていた。
どうやら、私が押したのは患者の容態が急変したときに、医療棟の責任者がいる部屋に知らせるボタンらしく、ナースコールではなかったらしい。
ここに入ってきた時、やけに切羽詰まった顔で突撃してきたものだから、一体何だと思ったが、これに関しては私が悪いので申し訳無さが勝る。
「はぁ…、まったく…、騒がせおって……。」
「いや、申し訳無い。周りを見て一番最初に目に入ったボタンがこれだったものでな。まさかベッドの真横にぶら下がってついているとは思わなんだ。」
「なにはともあれ、体に異常はないんだな?見たところ、つい先程目が覚めたようだが。」
「ああ、多少筋力は落ちているが、動くことに支障はないだろうな。」
「そうか。」
問答をしている間にも、フェリーンの女医は触診などで私の体を診ている。少なくとも目に止まるほどの問題ななかったようだ。
「そういえば」
ふと、あることに気が付き何気なく聞いてみる
「お前たちは何で私の名を知っている?
「…………ッ」
「………は?」
「……ん?」
「そなた、…ま、まさ…か」
その瞬間、空気が凍った。
相変わらず無表情だったフェリーンの女医は目に見えて暗い表情に変わり、サルカズの女医は目をこれでもかと見開いたあと、絞り出すように弱々しい声で話しかけてきた。
「そなた、……………記憶が、……無いのか…?」
あの後、「やはり、そうか」と呟いたフェリーンの女医に、検査室へ連れてこられた。
もう一人のサルカズの女医は慌ただしく部屋を出ていってしまった。
「なあ、アンタ。これから何を検査するんだ?」
「………今、キミは記憶が欠落している状態にある。大脳皮質や海馬に何らかの異常が見られるかもしれない。よって、MRIでキミの脳部分を撮影し、写真判読による診断と記憶の確認を行う。脳の異常というのは楽観視できるものではない。たとえ今現在何の問題がなかったとしても、時間を置いて取り返しのつかない自体になった事例もある。何かあってからでは遅い。理解してくれ。」
「……ああ、そうかい。」
長ったらしい説明を聞き流して廊下を歩く。
「それと」
「ん?」
「私の名はケルシーだ。」
「…そうかい。
「………ッッ」
…まただ、またこの女医、もといケルシー先生は苦虫を潰したような顔をしている
私の発言が逐一気に食わないのだろうか?それとも、過去になにかやらかしてしまってるのか…?
「………ふぅ、ついたぞ。早速検査をする。仰向けに寝て準備をしてくれ。」
「ああ。」
気付けば『MRI検査室』と書かれた部屋に到着していた。
言われた通り、寝転がって待機しておく。
「…ふむ、脳自体の異常は無し。出血や病症の予兆も一切見られないな。」
「そうかい。それは何よりだ。」
無事検査を終え、ケルシー先生から診断結果を聞く。どうやら問題はなさそうだ。
「では次に、記憶の確認を行う。いつくか質問をする。キミはしないとは思うが、嘘の回答はしないでもらおう。分からないなら分からないと言ってくれ。」
「ああ、わかった。」
「ではまず、キミ自身のことについてだ。自分の名前は覚えているか?」
「ああ。フェーズ・マグヌスだ。そうだろう?」
「……ああ。次に、出身地は?」
「極東。藍蘭地方の田舎出身だ。」
「合っているな。では、現在就いている職は?」
「傭兵だ。少し前までは殺し屋だったが、幾分か平和になったもんで仕事が減ったからな。」
「……………。そうか。」
(やはり、彼はここ最近の記憶が欠落しているな。彼は今
「フェーズ。キミはやはり直近の記憶が欠落している。」
「………ほう。直近と言ったか。なら私の知らない何日、あるいは何年かの時間があるってことだな?ぜひ教えてくれないか?」
「それも含めて質問を続けよう。」
ふう…、とケルシー先生は一息ついた。
さっきのサルカズの女医―――後にワルファリンと名乗ってくれた―――が言っていた通り、私は記憶の一部が欠落しているらしい。
ということは、彼女たちは私の知らない記憶について、少なくとも今の私より詳しい事になる。
まあ、なぜ記憶がないからといってあそこまで動揺していたのかはわからないが…
「では質問を続ける。ここがどこだかわかるか?」
「さあ、さっぱりだ。見たところどこかの医療施設のようだが、場所まではわからない。」
「……そうか「ただ」…?」
「普通の病院ではないな?ここに来るまでの間に、いくつか高い戦闘能力を持った人物の気配を感じた。天井の上にもいたな。ここは本当に医療関係の施設なのか?」
「…………。」
「沈黙は肯定と受け取るぞ。ケルシー先生」
私は、内心驚いていた。
私の知る彼は、トランスポーターとして、誠実に仕事をこなす常識人だった。
戦闘経験は少しだけあると言っていたが、戦闘員として前線に立ったことはないと言っていたため、明らかに戦士とはかけ離れた者だと、思っていた。
だが、今の彼は―――――
あの突き刺すような目線と、殺気のこもった低い声は、一体誰なんだ……?
というわけで第三話でした。
前回より少し長めにしてみました。希望があれば、3000字程度で更新していきます。
感想等頂けるとモチベが爆上がりします!
現時点で、読みやすいように1話1000文字程度で作っていますが、文字数を増やしてほしいですか?
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増やして欲しい
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今のままでいい
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減らして欲しい
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おまかせで