最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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「怪人さんとお話ししちゃった・・・。(深海王さんの地上侵攻の動機や過去、性格が改変されてるかも・・・気を付けて。)」


十一撃目:弟と海の王様

ここは海。先日、海人族のオクトレンとスクィッドンが交戦したビーチから少し離れた場所である。そこでは、ホタルが海岸の掃除をしていた。

 

 

「やっぱりゴミが多いや・・・。皆が綺麗にしてくれたら、海の怪人さん達も怒らないのに・・・。」

 

 

そう言うと、メタリックブーストを使い砂浜や海中に沈んだ金属物。非磁性体のビニールに電荷を付与して持ち上げるなどをし、ごみ袋に放り込んでいった。

 

 

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場面は変わり、ここは深海。普通の人間なら水圧で死んでもおかしくない場所。そこには一人の半魚人型の怪人が玉座に座っていた。その怪人の名は深海王。

 

 

筋骨隆々の肉体に王冠を被る姿は、まさに深海の王である。

 

 

「ちっ!また人間のごみね・・・。この前はうちの亀がビニール袋を餌と間違えて死んだし・・・。やはり、人間は滅するべきと思わない?」

 

 

そう召使い達に問いかけると・・・。

 

 

「はっ!その通りで御座います!!深海王様!!」

 

 

と、一人の召使いの怪人が言い。

 

 

「それはそうと、先日オクトレンとスクィッドンがやられたようです!!」

 

 

もう一人の召使いの怪人が、オクトレンとスクィッドンの訃報(ふほう)を知らせる。

 

 

「あの二人が・・・!?海人族の中でも上位の実力者が・・・。彼らも戦士である以上死ぬ事を覚悟はしていたけど・・・、許せないわね・・・!!」

 

 

そう怒りに体を震わせる深海王に、召使いの一人が訂正を入れる。

 

 

「いえ。それが奇妙な事に、海面で二人の散り際を見ていたジェリーフィッシャー*1によると、二人は安らかな死に顔をしていたらしいです。」

 

 

「安らかな死に顔・・・?・・・考えても仕方ないわね。ちょっと、陸に上がって来るわ。そう干からびはしないでしょ。」

 

 

そう言いながら、深海王は海面に向かって泳ぎ始める。

 

 

「お気をつけて!!」

 

 

その時、海面から降りてきた召使いが報告する。

 

 

「深海王様!」

 

 

「どうしたの!?」

 

 

「いえ、先程観測された情報なのですが・・・、妙な人間が海岸で海中の金属ごみや、その他のごみを集めています!!」

 

 

その言葉に、深海王が怪訝そうな顔をする。

 

 

「なんですって・・・。(確かめに行かなくては・・・。)」

 

 

そう言うと、深海王は再び海面に向かって上昇を始めた。

 

 

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その頃地上の砂浜では、ホタルが海岸掃除と半径数キロメートル範囲内の海の中から浮かび上がらせたゴミを集め終えていた。

 

 

「やっぱり自分で言うのもなんだけど、この能力便利だね・・・。それにしても・・・、ごみがやっぱり多すぎるよ。これじゃあ、どっちが悪か分かんないし・・・。」

 

 

そう溜息を吐くホタルの目の前には、メタリックブーストで持ち上げた金属ごみに、サイコキネシスの真似事で持ち上げた非金属ごみや非磁性体のごみが積み上げられていた。

 

 

「重さを測ったら、トンはいきそう・・・。・・・あれ?海の中から何か来る?」

 

 

ホタルは、自らが張ったレーダーに引っかかった何かに注意を向ける。そうすると、ザパァァァンという音と共に、何かが現れる。

 

 

その正体は、海を統べる深海王。王に相応しい気迫を(あら)わにしながら現れたのだ。

 

 

「初めまして、人間のお嬢さん。私は海の王、深海王よ。」

 

 

そう言いながら、ホタルに丁重に挨拶をする。

 

 

「・・・怪人さん?」

 

 

「身構えなくても良いわよ。今日は戦いに来たわけじゃ無いんだし。」

 

 

そう言う深海王の脳波を、ホタルは読み取る。

 

 

(・・・この人の脳波はα波。つまり感情が(たかぶ)ってない・・・。嘘はついて無いのかもね。)

 

 

そう安心するホタルに、深海王も敵意が無いと判断したのか近付いて話しかけて来る。

 

 

「ゴミ掃除・・・手伝いましょうか?」

 

 

「あ、じゃあごみの分別をお願い出来ますか?この袋が可燃ごみ、こっちが不可燃ごみ、こっちがアルミ缶、こっちがスチール缶ですね。」

 

 

そう指示をするホタルに、深海王は顔をしかめる。

 

 

「面倒くさいルールね・・・。」

 

 

「あはは・・・、でもこういう地道な作業が環境問題改善に直結しますから・・・。」

 

 

そうして、人間大サイズに成った海の王と、S級ヒーローがゴミの分別をするというシュールな光景が出来た。

 

 

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1時間後、遂にゴミの分別が終了する。

 

 

「これでさーいご♪お疲れさまです。」

 

 

「まさか、ごみの分別をするなんてね・・・。まぁ悪くなかったわ・・・。」

 

 

そう言う深海王の顔は、少し穏やかになっている。

 

 

「いえいえそんな・・・。スーパーのおばさんに比べたら・・・。」

 

 

そんなホタルの言葉に、深海王は疑問を呈する。

 

 

「スーパーのおばさん?」

 

 

「それが聞いて下さいよ・・・。昨日スーパー・・・食べ物が買えるお店に行ったんですけど、お店の前にはごみを捨てる場所があるんですよね。」

 

 

「・・・・・・。」

 

 

そう話すホタルを、深海王はじっと見つめる。

 

 

「ゴミ箱には種類があって、可燃ごみ・不可燃ごみ・アルミ缶とかの種類に分けないといけないんですけど、そのおばさんルールを無視して、可燃ごみの所に不可燃ごみを捨てたんですよ?それが信じられなくって・・・。」

 

 

「それは何と言うか・・・。」

 

 

「注意したら怒られました・・・」

 

 

そう言ってしょんぼりするホタルに、深海王は同情の眼差しを向ける。

 

 

「・・・ご愁傷様。」

 

 

「みんながルールを守ってくれたら、こんなにごみも出ないのに・・・。」

 

 

そう呟くホタルの姿に、深海王は優しさを感じる。

 

 

「あなたは・・・、海の事を考えているのね・・・。」

 

 

「はい!海の王様に言うのもなんですけど・・・、ごみが少ない方がお魚さんも大きく育つし、大きなお魚さんを食べれたら、皆ハッピーだと思います。」

 

 

そう言って、ニッコリ笑うホタルに深海王は目を伏せる。

 

 

「成程ね・・・。そろそろ帰るわ。干からびちゃうから。」

 

 

「はい。また会いましょう!」

 

 

そう言うと深海王は海に潜り、ホタルは深海王の姿が見えなくなるまで手を振っていた。

 

 

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深海王が深海に戻ると、召使い達が出迎える。

 

 

「深海王様!!お帰りなさいませ!!」

 

 

「えぇ・・・。(あの少女の眼・・・、本気で海の事を想っていた・・・。人間も捨てたものじゃないのは理解できる・・・でも・・・。)」

 

 

目を閉じた深海王が思い出したのは、500年前の光景・・・。500年前のある事件までは、海人族は人間に憎悪を抱いていなかった・・・。いや、寧ろ自分達に信仰を捧げる人々もおり、好意的な感情も抱いていたのだ・・・。ある事件が起こるまでは・・・。

 

 

『早く逃げるんじゃ!!人間共が攻めてきおった!!』

 

 

そう叫ぶ、先代の深海王。

 

 

『深海王様!!』

 

 

『お、俺達の海が汚されていく!!』

 

 

海中に魚雷が撃ち込まれ、綺麗なサンゴ礁が滅茶苦茶になっていく。

 

 

『ママァー!!』

 

 

海人族の子供達も泣き叫び始める!すると、深海王の頭上の岩が崩れ始めた!!

 

 

『しまっ・・・!!』

 

 

しかし、衝撃が襲い掛かる事は無かった。そこには・・・。

 

 

『ぐ、ぐぉぉ・・・。』

 

 

深海王を突き飛ばし、瓦礫に埋もれた先代深海王が居た。

 

 

『深海王様ぁ!!』

 

 

『わ、(わし)はもう駄目じゃ・・・。お主が皆を統べる王に成れ・・・。』

 

 

そう言い残すと、先代深海王は息を引き取った。

 

 

『先代様・・・見ていて下さい。海を汚し、同胞の命を何とも思いもしない人間共は私が殺します!!』

 

 

そうして、深海王は玉座に座る事に成ったのだった・・・。

 

 

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(なるべく・・・、あの子とは戦いたくないわね・・・。)

 

 

そう考える深海王の言葉に応える者は、誰一人としていない。

 

 

深海王の気泡が、ごみだらけだった先程とは打って変わり、ごみ一つ無くなった青い海に浮かび上がるだけであった・・・。

*1
クラゲ型の怪人




「深海王さん・・・、出来れば戦いたくないなぁ~。あ、因みに巨大隕石編を忘れてるわけじゃ無いからね。」
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