最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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「隕石襲来だよ。まぁ、お兄ちゃんが居れば何とかなるよね~。」


巨大隕石編
十二撃目:弟と隕石襲来


ここはサイタマ家。ホタルは協会の環境課と、電話で海岸の不法投棄対策について話しており、ジェノスはPCを覗き込んでおり、サイタマはジュースを飲んでいた。

 

 

「はい、はい。えぇですから、怪人の発生ケースとしては自らの住処を汚された事による、怒りが原因で人里を襲撃しているケースがあるという事です。ですのでヒーロー協会が、それぞれの市内の住民達に環境保護活動を呼びかけるなど・・・、はい・・・え?ですが、それは・・・っ。分かりました。ですが、その選択をした事により、何十万人の命が奪われる可能性があるという事をお忘れなく・・・。・・・はぁ~。」

 

 

しかし、電話が終わると同時に溜息が吐かれた。

 

 

「如何でしたか?」

 

 

そのジェノスの質問に、ホタルは机に突っ伏す。

 

 

「『怪人なんて、ヒーローに任せれば良いだろう。もしや怪人を庇うなんて、怪人側のスパイなんじゃないか?S級剥奪じゃ済まされないぞ』って・・・。」

 

 

その言葉に黙っていないのが、ブラコン(サイタマ)弟子(ジェノス)である。

 

 

「ヒーロー協会ぶっ潰してくるわ。」

 

 

「ホタル先生を侮辱されては、黙っていられません。」

 

 

そう言って立ち上がる兄と弟子を、力無く制止する。

 

 

「うん・・・、気持ちは嬉しいけど二人とも落ち着こう?」

 

 

「・・・分かりました。・・・それはそうと、サイタマ先生の順位が、最下位の388位から342位に上がっています。」

 

 

「・・・あれで上がったんだ。ふ~ん・・・。」

 

 

そんなジェノスの報告に、サイタマは興味無さそうに応える。

 

 

「ジェノス君は、ヒーロー活動したの?」

 

 

そんなホタルの質問に、ジェノスは目を瞑って首を横に振る

 

 

「いえ、俺はまだ何も・・・。だから実力ランクは、S級最下位の17位です。ホタル先生は不動ですね。」

 

 

「そっかぁ。」

 

 

「でも、一般人による投票で作られる、週間人気ランキングだと俺は6位。ホタル先生は、トップを飾るA級1位のアマイマスクには及びませんが、僅か3票差で2位に成っています。」

 

 

その言葉に、サイタマは驚愕する。

 

 

「なんで!?」

 

 

そう質問するサイタマに答えるように、ジェノスがネットの記事を読み始める。

 

 

「俺に関してのコメントは、『19歳の若さでS級デビューした天才。期待できる。』『顔がカッコいい』『メディアへの露出を、一切拒否するクールさが良い。』『サイボーグ王子』『鉄の無表情の中に、儚さを感じる。』『イケメンヒーロー5本指に入る。』と・・・。ホタル先生の場合は、先日鬼レベルを二次被害、及び死者怪我人を一切出さずに討伐した功績に加え、子供のアフターケアを務めていた点からも、『現在夫にしたいヒーロNo.1』『ブラック企業勤めで大変だけど、ホタル君の笑顔で明日も頑張れる。』『絶対、良いお父さん・・・いや、お母さんに成る。』『可愛い系アイドルとして売り出せば、アマイ様にも匹敵するポテンシャル。』などですね。」

 

 

「お前自分で言ってて、恥ずかしくないのか?」

 

 

そんなサイタマの質問に、ジェノスはあっさりと答える。

 

 

「こんなものは、俺やホタル先生の写真や活躍の片鱗を見た印象に過ぎず、俺達自身を評価した訳じゃ無いので何とも思いません。」

 

 

「確かに、アマイさんの写真見た事あるけど、僕だと遠く及ばない程のかっこよさだったもん。」

 

 

ホタルのその言葉にも、サイタマは虚無顔となる。

 

 

「あぁ・・・、そう・・・。」

 

 

しかし、ジェノスはネットの記事などには興味が無い様に、サイタマとホタルを褒める。

 

 

「たとえ世間に評価されなくとも、俺は先生達程優れた人は見た事が有りません。」

 

 

「も、もう・・・。褒めても何も出ないよ?」

 

 

「気持ち悪いから、お世辞はやめい。」

 

 

そう話していると、ホタルは自信が張ったレーダーに違和感を感じる。

 

 

(・・・あれ?レーダーに何か引っかかってる・・・?でも、怪人さん特有の電波じゃないし・・・?)

 

 

しかし、2人とレーダを貼りつつ違和感を感じていたホタルは気付いていなかった・・・。人類滅亡クラスの脅威が迫っている事に・・・。

 

 

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暫くすると、ジェノスは身支度を整える。ヒーロ協会から呼び出しを受けたのだ。

 

 

「サイタマ先生・・・。何故だか、いきなりヒーロー協会に呼び出されたので、ちょっと行ってきます。」

 

 

「おう、クビだったりしてな。ハハ・・・。」

 

 

そうすると、ホタルも立ち上がる。

 

 

「僕も呼出しだ。S級案件なのかな?・・・行ってきます。」

 

 

「行ってらー。」

 

 

そう言うと、サイタマは二人を見送ったのだった。

 

 

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ここは、Z市ヒーロー協会支部。2人が協会内に入ると声が掛かった。

 

 

「ほう・・・、君がジェノス君と、アトミック侍が言っておったホタル君か・・・。」

 

 

そこには、白髪を逆立てた老齢の男が立っていた。

 

 

「わしはバングという者じゃ。よろしこ。」

 

 

そう言って挨拶するバングに、ホタルは戸惑いながら頭を下げる。

 

 

「・・・初めまして。よ、よろしこ?」

 

 

「・・・協会に呼ばれてきたのだが・・・。(バング・・・S級3位のヒーロー・・・、本物の実力者だ。)」

 

 

「誰も居ないのですが、どうしたら・・・。」

 

 

その二人の言葉に、バングは唸る。

 

 

「協会の連中はみーんな避難しちまって、この支部は空っぽじゃよ。招集を掛けられたS級ヒーローも、ワシと君ら以外は誰も来とらん。」

 

 

「避難だと?どういう事だ?何故、俺とホタル先生は呼ばれたんだ。来ない奴らは何なんだ?」

 

 

そう矢継ぎ早に聞くジェノスに、ホタルはやんわり注意する。

 

 

「矢継ぎ早に質問しないの・・・。」

 

 

そうすると、バングは重い口を開く。

 

 

「来て無い奴等は、場所が遠かったり他の所で忙しいんじゃろ。面倒くさがってこない薄情者もおるがのぉ。何せ呼ばれるときは、大体無理難題の厄介事の処理じゃからな。今回も、ワシらじゃ手に負えん・・・。災害レベル竜の、最悪の事態を押し付けおったわ。」

 

 

その言葉に、ホタルは緊張を走らせる。

 

 

「・・・竜!!その内容は・・・?」

 

 

更に驚く情報が、バングの口から語られる。

 

 

「35分後に、ここZ市に落下する巨大隕石を近場のS級ヒーロー達でどうにかしてくれと言っとった。落ちればZ市は滅ぶ。だが、ヒーローが落下を食い止める事が出来れば、ヒーロー協会の地位が跳ね上がり、寄付も増えるじゃろう・・・。連中の狙いはそこにある。・・・だが、不可能じゃな。今回ばかりはどうにもならん。君達も大切な人と遠くへ避難すると良い。」

 

 

「隕石・・・!市民は知っているのか!?」

 

 

そのジェノスの質問に、バングは答える。

 

 

「30分前までに落下予想ポイントを絞って、避難警報を出すと言っていたから、今報道し始めている頃合いじゃな。ほほっ。パニックが起こるぞ。」

 

 

そう言うと、バングは不敵に笑ったのだった。

 

 

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暫くすると、ウゥゥゥゥと協会からのアナウンスが街中に流れ始める。

 

 

「ヒーロー協会から、お知らせします。」

 

 

その言葉に、ホタルが呟く。

 

 

「・・・放送。」

 

 

「お、始めよったな。」

 

 

「お前はどうするんだ?」

 

 

そうジェノスがバングに質問するが、言葉遣いをホタルが注意する。

 

 

「ジェノス君。年上だよ・・・。」

 

 

「ホタル君の言う通りじゃ。バングさんと呼ばんか。わしは代々受け継がれてきた、道場を離れるわけにもいかんから・・・残るしかないのう・・・。流水岩砕拳って知ってる?」

 

 

バングが構えたが・・・二人はもう現場に向かっていた。

 

 

「行ったか・・・・・・。」

 

 

その頃、隕石は一台の人工衛星を破壊し、大気圏に突入していた。




「因みに、市民の人達が僕をヒーローネームで呼んで無いのは、HPに天使って呼ばれるのがむず痒いから、なるべく名前で呼んでくださいって書いたからだよ。」
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